信州の鎌倉
年末忘年温泉旅行@別所温泉編・第4回。


「木立の中へ」


帰りの新幹線は上田駅15時22分発。
それまでは再び町歩きです。
お昼頃までは別所温泉周辺、その後電車で上田市内に移動して上田城跡に行くことになりました。


別所温泉は別名「信州の鎌倉」と呼ばれています。
その名の通り、北向観音や本坊・常楽寺、国宝の「八角三重塔」を持つ安楽寺など多くの社寺仏閣が点在しています。
また、別所線が走っている一帯は「塩田平」と呼ばれていますが
このあたりには鎌倉~室町時代にかけて造られた文化財も多数存在しているのだそうです。
鎌倉北条氏の一族がこの地を治めていたという史実も、もしかすると影響しているのかもしれませんね。


さて、時間がありあまっていればいろいろ歩けるんですが
あまりウロウロしていると新幹線に乗り遅れてしまいます。
なので、ポイントを絞って歩きます。

表紙は、国宝の三重塔をもつ安楽寺の参道です。
うっそうとした杉木立の中に伸びる石段の奥に山門が見えますね。
体力があまってるのか、TETSUたちは石段を駆け上がっていきました(凄)
わたしはというと、S上とT尾とともにのんびり上がっていきます。
境内はとても静かで、心が落ち着きますね~・・・・・。


別所温泉旅館組合公式HP
曹洞宗 安楽寺
北向観世音本坊 常楽寺


※都合により、いつもより半日早い更新です(^^ゞ






山門をくぐり抜けると、正面に本堂が見えます。
思ったよりもこじんまりとしていて、どこか質素な感じがしますね。
元々は茅葺きだったようですが、現在は形にその面影を残した屋根に葺き替えられています。

本堂への入口は中央ではなく、やや左寄りになっていました。
なんででしょう??
それにしても日当たりがいい場所ですね(^^)


本堂の左手から先は拝観料(300円)が必要です。
日当たりのよかった本堂とは打って変わって、木立の中でやや薄暗い感じです。
池には分厚い氷が張っているようで、子どもが石を投げ込んでも割れる気配はおろか
氷にぶつかって伝わるやや鈍い音が周囲に響いていました。
その音からして、見た目以上に厚く張ってるのかなと。
これなら人が乗っても大丈夫だったかも??(^^;


三重塔へはまた石段を上がります。
その途中にならんだお地蔵さま。
一体だけ、やたら背が高いお地蔵さまがいらっしゃったのが印象的でした。
それがなかったら、横目で見るだけで通り過ぎていたでしょう。


三重塔への石段の中間点、傳芳堂(でんぽうどう)のあたりから見上げます。
杉木立の合間から見えたその姿に畏敬の念を込めて。


でも・・・・・こうして見ると屋根が4つあるから、これって四重塔じゃないの?
そう思いますよね(^^;

実は、昭和27年(1952年)に一番下(初重)の屋根は「ひさし」であると判断されたんです。
厳密には「裳階」(もこし)と言うんだそうですが。
このため、この塔は「裳階付き八角三重塔」として国宝に指定されました。


屋根下に施された装飾の美しさに魅せられて。
横に規則正しく並ぶ木を「垂木」、屋根の付け根から縦方向に並ぶ部分を「詰組」というんだそうです。

古都奈良の名刹寺院の紹介・仏教文化財の解説など



この塔が建立されたのは鎌倉時代末期~室町時代初期の間とされてきましたが
平成16年(2004年)の調査の結果によると、その時期は「1290年代」(鎌倉時代末期)と確定。
日本最古の禅宗様建築であることが証明されました。

このような八角の形をした塔は、過去には京都や奈良にも数多く存在していたようです。
しかし建造時期を考えれば、その後の幾多の戦乱や天災などで消失してしまったことが考えられますね。
そんな時代背景を思えば、この塔の存在がいかに貴重かということがわかります。

っても、このときはそんなことは考えもしなかったんですけど(^^;


足下はこんな感じ。
降り積もった雪が参拝した人によって削られて、石が浮かび上がってきたようです。
石自体がとてもきれいな色をしているので、つい撮ってしまいました。


安楽寺を後にして、まだ時間がありそうなので「北向観音」(きたむきかんのん)に向かいます。

参道の売店脇にいた招き猫。
左手を上げ、大黒様のように右手に大きな打出の小槌を持っていました。
大黒様のご利益と人を招くご利益が合わさって「商売繁盛」!
でも注連縄の端っこが目の前にあるので「ちょっと見通しがわるいニャ~」。
この不景気の象徴なのか?(^^;


北向観音の本堂です。
創建は825年(天長2年)のこと。
外湯の一つ「大師湯」の由来ともなった「慈覚大師」(円仁・えんにん)によるものだそうです。
「大師」と言えば、真っ先に思い浮かぶのは「空海」(弘法大師)なんですが、
この称号を日本で一番最初に頂いたのは「最澄」の「伝教大師」と、この慈覚大師とのこと。

「北向」の名前の由来は、本堂が北を向いていることからきています。
曰く
「観音様が『北斗星が世界の、よりどころとなるよう
我も又一切民衆のよりどころとなって済度をなさん』という、お告げによるもの」

当時から北極星(北斗星)が常に同じ場所にいるということは周知の事実だったようですね。

でも大部分の寺社が南あるいは東を向いているのに、なぜここは北を向いているんでしょうか?
南向きの信州善光寺と方角的に対になっているので、片方だけでは「片参り」になるとは言われていますが・・・・・。
どうも釈然としないところがあるんですよね~(^^;

大師(僧)@Wiki



本堂の入口の柱の根元に注目。
鞠(?)に戯れる狛犬が刻まれています。
湯島天神の南にある鳥居にも、同様に狛犬がいるんですよ。

湯天@過去記事


北向観音の鐘楼のとなりにそびえ立つ1本の大木。
「愛染桂」(あいぜんかつら)と呼ばれる、樹齢1200年以上とも言われる巨木です。
由来はわかりませんが「縁結びの霊木」として親しまれているとのこと。

それにしても、この元気な枝振りを見ていると
とても1200年もの歴史を刻んでいるとは思えないほどの樹勢を感じます(^^;


そうこうしているうちに、電車の時間が近づいてきました。
ほんのちょっぴり急いで、別所温泉まで歩きます。
帰りは下り坂なのでずいぶん楽なんですけどね(笑)

行きに撮りはぐった別所温泉駅の駅舎。
正月飾りが入口にされていますね。


待合室はこんな感じ。
ちょっとモダンな雰囲気がしますね。

ほんとはもっとゆっくりと観察&撮影したかったところですが、
今回は単独行ではないのでそうも言っていられません。
ささっと撮って終わりです(汗)


終点の上田駅に到着後。
改札の先に進んだところで、床に描かれた略地図が目に留まりました。
なんのことかわからなかったんですが、このときはなんとなく気になって撮影。

後でよく見ると、これは上田交通のかつての路線図(略)を表しているようです。
添えられている4桁の数字は廃線になったときの年号。
そして別所線は「∞」

いつまでも走り続けてほしいものですね(^^)


すべて D700+AiAF28-105mm


次回は最終回、上田城跡を歩きます。
by sampo_katze | 2009-01-09 09:15 | 温泉 | Comments(4)
Commented by OM1ユーザー at 2009-01-11 21:57 x
国宝八角三重塔はさすがに見事ですね。

八角の三重塔は他に何処かにあるのでしょうか。
ネットで検索してみるとここ安楽寺のものしか出て来ないようですね。

そして全く対照的な別所温泉駅のモダンな駅舎、やはり旅に出ると色々なものが見れますね。
Commented by sampo_katze at 2009-01-12 22:28
OM1ユーザーさん、こんばんは♪

訪ねたきっかけは「国宝」というキーワードだけだったんですが
やはりそれだけの重厚さがありましたね。

四角がほとんど、六角もあるとは思うんですが
八角というのはめずらしいようです。
現存しているのはここだけみたいですね。

別所温泉の駅舎は最近建て替えられたようです。
電車もオールステンレスの新車(旧池上線だったかな?)が入ってきていて
どんどん近代化が進んでいます。
旅情はちょっと足りない感じもしますが、そこを補うべくいろいろなアイデアを出してきてますね。
あとは、別所温泉の魅力がもっと広まってくれたら!

やっぱり旅はいいですね♪
Commented by 信州ぺこ at 2009-01-14 01:20 x
ウーーム、よーく考えたら八角三重塔は見たことがあるのは
たったの一回、そして撮影はまったくしたことが無い!
なんてこった!
ちょっと自分で唖然としてしまいました(汗)
それにしても改めて、重厚な建物ですねーーー。
いやぁ、ホレボレしてしまいました^^;

別所温泉の魅力、何なのでしょうかねー。
東京から近い、電車で行ける、ということのほかになんだろう。
お寺が近くになるところ?それとも別の何か??
昨日たまたま、そんなお話をしていたもので
改めて考えているところです。
Commented by sampo_katze at 2009-01-14 21:51
ぺこさん、こんばんは♪

地元に近いのに行ったことがない、というのはよくある話しですよ~。
わたしだって、東京タワーには1度しか行ったことがないし・・・・・。
下から撮ったことは1度ありますが、上がって撮ったことは1度もなし!(笑)
ということで、あまり気にすることはないかと(^^;

こちらは国宝ということもあって、趣がある建物でしたね。
山の間から日が差し込むので撮るのは結構大変ですが
このあたりはS5proが大活躍してくれるのでは、と思いました。

別所温泉は、今まで行った湯田中や渋とはちがって
スキーに行った帰りに立ち寄るという場所ではないだけに、
意外と注目度が低いのかもしれません。
「別所温泉に行ってきた」と言っても「どこにあるの?」という返事が定番ですし( ̄_ ̄;

変に観光地化されていないというのは魅力ですけどね。
駅からまっすぐ歩いていくと、ほんとに温泉があるの?というくらい普通の道でしたし。
週末にちょこっと癒しに行くというにも手ごろな距離ですからね。

・・・・・といって、人々を強烈にひきつけるという魅力というのには力不足かも??(汗)
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