幻の金唐革紙
2009桜撮り+α編・第3回。


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「大階段の装飾」


旧岩崎邸を訪ねてみようと思ったキーワードは2つあります。
ひとつは建築家「ジョサイア・コンドル」、もうひとつは「金唐革紙」(きんからかわかみ)です。


「金唐紙」
初めてその名を目にしたのは漫画「ギャラリーフェイク」に出てきた1編です。
ヨーロッパをルーツに持つ「金唐革」を和紙で再現した、今では失われた工芸品として取り上げられていました。
(単行本15巻ART3「王様と乞食」)


その誕生から衰退までの歴史については、下記のリンクで詳しく書かれているのでここでは省きますが
幻となったその手法が現在、上田尚(うえだたかし)氏の手によって見事によみがえっています。

作成工程も紹介されていました。
1.楮・三椏(こうぞ・みつまた、いずれも和紙の原料)の合紙に
2.錫箔(すずはく)を押し
3.版木を使って意匠を打ち込みます
4.ワニスを塗って金の色を出し
5.彩色して仕上げます

紙面の都合でおそろしく簡単に書きましたが、それぞれの工程はとても繊細な作業が必要になります。
錫箔どころかアルミ箔にしわを寄せずに延ばすことだって大変だと思うわたしには絶対無理ですね(苦笑)


表紙の写真は、洋館1階から2階へと続く階段の手すり部分です。
細やかな彫刻が施されていました。
オレンジ色の照明に照らされていたところに引かれて。


金唐紙









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金唐革紙「曲線紋様」


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こちらは「花と曲線」
どちらも直接手で触れる見本があります。
錫で覆われているとはいえ、とても紙でできているとは思えませんでした。


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2階東側にある「婦人客室」です。
内部の意匠は1階にある部屋と同じくイスラム風の意匠で統一されています。
なお、コンドルは洋館完成時に「壁には日本画を飾るのがよい」とアドバイスしたそう。
和と洋の調和を重要視したコンドルならではですね。
この写真ではわかりづらい(というか、わからん!^^;)ですが、壁に上のとはちがうデザインの金唐革紙の装飾が施されています。


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2階のベランダから中庭を眺めます。
林の向こうに「湯島ハイタウン」が見えますが、以前はその向こうの春日通まで岩崎邸の敷地だったそうです。
1969年(昭和44年)に敷地の3分の2が転用され、現在の状態になりました。
まぁ、今でも十分すぎるほど広いんですけどね。


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地下室へ通じる階段の上にある窓。
明かり取りが目的のようで、すりガラスが使われています。


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洋館と和館を結ぶ渡り廊下にある階段。
洋館の2階西側は公開されていないのですが、見取り図を見るといくつかの小部屋があるのがわかります。
和館から上がれるようになっていることから、家人が使用していたエリアだった可能性もありますね。


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上の階段のすぐ左手にある玄関。
正面玄関とは別のところで、表からは見えないところにあるので通用口として使われていたのでしょう。
そんなところにもこのようにステンドグラスがあるんですね。
コンドルのこだわりが感じられます。


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和館の見取り図がないのでどのような構成になっているのかはよくわかりません。
自分で書けばわかるんでしょうけど(笑)

とある一角に建築当時から残る板絵がありました。
暗くてわかりづらいですが、枝にとまったフクロウが描かれています。
ほんとうは望遠でアップに撮りたいところですが・・・・・三脚はおろかニンゲン三脚もおいそれとできない環境ですからね(^^;

※建物自体が重要文化財になっているためです。
 柱などに身を預けて固定することはできません。
 わたしもそんなことは露知らず、2つ前の写真を撮ったときに注意されました(汗)
 以後、邸内撮影禁止になってしまったら困りますし・・・・・(大汗)
 気をつけま~す!


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和館大広間の欄間。
3つの菱を並べたような意匠が施されています。


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ふすまの引手にも!


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サンルームの前の桜を前景にして。


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1階のベランダ部分。
トスカナ式の柱が並び、床にはミントン製のサラセン風のタイルが敷き詰められています。


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最後に洋館を正面からもう一度。
落成直後に撮影、なんて雰囲気を出してみました。


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広角で見上げるようにして。
バランスが難しいですね(^^;
もろに逆光だったのでうまく色が出ず、ごまかすためにモノクロにしてしまいました(笑)


この後、もう一度不忍池に戻ったんですが・・・・・。
あまりにも人が多くなりすぎていてもう撮る気になれず(^^;
この様子では動物園とかにいっても混雑してるだろうし、何より時間が中途半端。
やっぱり行くなら朝一からたっぷり楽しみたいですからね。
というわけで、そのまま人ごみを抜けて上野駅へと直行しました(笑)


1、2、4、6~8枚目 D700+AiAF28-105mmF3.5-4.5D
3枚目 D700+AiAF35mmF2D
5、9、14、15枚目 D700+AiAF20mmF2.8D


次回は、場所を変えて岩槻公園を訪ねます。
by sampo_katze | 2009-05-01 20:30 | 散歩 | Comments(4)
Commented by xharadax at 2009-05-02 04:21
おはようございます(^_^)

旧岩崎邸内部をゆっくりと見させていただきました。
NHK教育TVを見ている気分で(*^o^*)
そそ、日曜美術館は良く見ます、
たしかこの建築家の特集もやっていましたよね。

最後から2枚目の写真がイイ感じですね、
レトロな感じがたまらないです、、、
私も以前ビネットコントロールを逆に利用して
レトロ風な写真にした事がありました(^_^)
Commented by sampo_katze at 2009-05-05 20:01
haradaさん、こんばんは♪
返信遅くなってごめんなさい!

旧岩崎邸の内部は豪華なんてすけど、どこか落ち着いた雰囲気があって
ゆったりした気分になれるんですよ。
白金にある庭園美術館もそうですが、やはり雰囲気がちがうんですね~。

J.コンドルは日本では有名な建築家ですからね。
もっともわたしは名前は知ってますが、細かいところまではよくわからなくて(^^;
なので今回の展示で結構知ることが多かったです。

レトロ風は、最近好んで使ってる20mm開放の描写を生かしてみようかと思って。
あえて周辺を補正しないで逆に利用してみようというのもありかな、と。
デジタルなら後でいろいろ遊べますからね♪
Commented by 日本画家・絵本画家 後藤 仁 at 2017-04-04 11:25 x
旧岩崎邸等の「金唐革紙(きんからかわし)」の実質的な復元製作を主導した後藤 仁です。私のホームページもご参照下さい。今後とも、金唐革紙ともども、よろしくお願い申し上げます。
 日本画家・絵本画家・金唐革紙保存会主宰 後藤 仁
Commented by sampo_katze at 2017-04-08 20:26
後藤さん、こんばんは!
そして初めまして!
返信が遅くなりまして申し訳ありません。

当方、ずいぶん前に訪問したので忘れていましたが今回で思い出すことができました。
また見に行きたいですね。

ただいま出先なので、後日ホームページにおじゃまします。
よろしくお願いします。


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