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地下を掘り進む
地下鉄博物館編・中編。


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「構造がリアルなパノラマ」



「地下鉄の電車はどこから入れたの? それを考えてると一晩中寝られないの。」

1978年(昭和53年)、夫婦漫才コンビの「春日三球・照代」が世に送り出した「地下鉄漫才」の一節です。
地下鉄にまつわる「最大の謎」といえばこれですよね~(^^;

もっとも、現在の地下鉄は(東京に限って話を進めますが)特殊な運行形態の銀座線・丸の内線・大江戸線をのぞくと
どこかでJRや私鉄と線路がつながっていて、そこから車両を回送・搬入しています(細かい説明は省きます・汗)
また銀座線・丸の内線はそれぞれ地上に車両基地がありますし、大江戸線も浅草線との連絡線があり
西馬込の先にある車両基地から搬入、電気機関車を使って(!)回送することが可能なようです。

ただ地下鉄は文字通り「地下」を走ってますから、どのように線路がつながっているのかがわかりませんね。
窓の外を見ていてもほぼ真っ暗なので、途中で線路が分岐していても気づきませんし。
地上を走っている路線も結構「謎」が多いだけに、地下鉄にはもっと多くの謎があるのかも?
あ、これも追求するとそれこそ本1冊分くらいになるので省きます(笑)


表紙の写真は、館内にある「メトロパノラマ」
銀座線と丸の内線の赤坂見附付近の構造を再現している部分なんですが、
2層構造でそれぞれ進行方向が同じ列車が同じホームで乗り換えられるようになっていたり
両線の間に渡り線があって乗り入れるができるようになっていたりと、実際の状態に合わせて造られているようでした。
ちなみに、現在の丸の内線の車両は銀座線の規格より大きいので乗り入れは不可だそうです。


春日三球・照代@Wiki
地下鉄はどうやって入れるの?@Excite bit コネタ









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従来は地面を掘り返して路線を建設し、完成後に埋め戻す「開削工法」が用いられていました。
でも現在のように地上に多くの建物が建ったり、地下鉄やライフラインが縦横無尽に張り巡らされていると
事前の調査などに時間がかかり工事が進みません。
そこで写真のような「シールドマシン」を使って掘り進む「シールド工法」が採用されました。

こちら側は地盤を削りとるカッターが並んでいます。
となりに比較のため(?)人形が置いてありますが、これでその大きさがわかるでしょうか。
ちなみにこの工法は地下鉄だけでなく地下道路や地下水路などにも使われているそうです(知らなかった・^^;)


シールドトンネル@Wiki


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後はこんな感じ。
「セグメント」と呼ばれるコンクリートブロックでトンネルの内壁を組み上げていきます。



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「駅の形を見ると工法がわかる」。

駅によって形がちがうのはデザインの問題だけと思ってたんですけど・・・・・(^^;


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壁画のように掲示されていたシールドマシンの写真。
まるで油絵か何かのように見えてしまいました。


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館内には「本物の」シールドマシンのカッティングディスク(一部)が展示されています。
あまりの大きさに圧倒されます!
フレームに収まりきらないー!!

このディスクは東京メトロ副都心線の新宿三丁目~東新宿間の工事で実際に使用されたもので、
1分間に4分の3回転の速さで掘削をしていたそうです。
1分間あたりの進行距離はわかりません(^^;


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ディスクについている刃(ビット?)には土くれがついたままになっています。
リアルだ。


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メンテナンス用の「軌道モーターカー」もありました。
終電後の保守作業のための要員や機材を運んだり、レールに流れるATC信号電流の測定などに使用されています。
この車両は1975年(昭和50年)から10年間、船橋信号区で活躍していたもので
自重は1,600kg、エンジン出力は1,138ccだそう。



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営団地下鉄コラージュ?
最近はどの鉄道でも駅構内の案内を図案化したり大きな文字を採用したりと、見やすさの向上を図っていますが
東京メトロでは、前身の「営団地下鉄」のころからわかりやすさを重視した案内図などを採用していたんですね。
でも地下の構造は結構複雑なので、やたら長い距離を歩かないとならないことが多いのが難点でしょうか。
案内があってもときどき迷いそうになることがありますし(^^;


帝都高速度交通営団@Wiki


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最後は「副都心線レール締結式記念」のプレート。
レールの継ぎ目板をカットした形状をしています。
って、もしかして本物の継ぎ目板をカットしたものかな?(^^;


軌条@Wiki
※「2.継ぎ目」に使用状態の写真が掲載されています。


すべて D700+AiAF28-105mmF3.5-4.5D


次回は後編、戦後初めて登場した赤い地下鉄です。
by sampo_katze | 2009-10-04 21:00 | 博物館・美術館 | Comments(0)


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