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2階の収蔵展示室~1階の「鉄道のしくみ」
名古屋のリニア・鉄道館を訪ねよう!編・第3回


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「新旧車両がズラリ!」


実車の展示は後回しにして2階に上がります。
訪問時、2階に上がったのが後なんですけどね(^^;

メインの「車両展示エリア」は吹き抜けになっていて、2階からも展示車両群を見ることができます。
また館内は飲食ができませんが、2階の入口寄り(北西側)にある休憩スペースや屋外展示の「117系」車内ではOK。
「デリカステーション」では「駅弁」などの販売も行っているので、「新幹線」を眺めながらのランチも乙かも。
また車両展示エリアに向かって左手にはかつて「グリーン車」に使用されていた座席も置かれています。
そして反対の右手には「キッズコーナー」「飲食コーナー」「体験学習室」など様々なコーナーが。
今回はそのうちの1つの「収蔵展示室」の様子を紹介します。


表紙の写真は、2階から眺めた「車両展示エリア」の様子です。
奥の「新幹線エリア」と手前の「在来線エリア」、大きく2つに分かれています。
ここからですと新旧両極端の車両しか見えませんが、結構バランスよく(?)展示されているんですよ。
この写真の左上には「グリーン車」の座席が置かれたエリア、左外に休憩スペースがあります。


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では、展示室に入ってみましょう。
全部紹介するわけにはいきませんが(^^;

こちらは「鉄道開通前の時刻表」(1872年、明治5年)。
「品川駅」「横浜駅」間の時刻と運賃が掲載されていて、所要時間は40分。
午前と午後にそれぞれ3往復ずつ運転されています。
この写真では小さくてわかりづらいですが、発車時刻が「~時」ではなく「~字」になってました。

ちょっとわからないのは、これが「京都府布令書」となっているところ。
右の表紙らしきものになにやら書かれていて、これが読めれば意味がわかりそうなんですがさっぱり読めません(苦笑)
また「新橋駅」が起点だと思っていたんですが、この時刻表はそれに先駆けて仮開業をしたときのもののよう。
なので途中の「鶴見駅」も空白になっているんですね。

日本の鉄道開業@Wiki


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「東海道線」を舞台にした「東海道線路汽車旅行双六」(すごろく、1891年)。
路線は「神戸駅」までですが、街道としての「東海道」に合わせたのか「西京」(京都駅?)がゴールになっています。
各マスに前駅との距離と運賃が併記されているのも面白いですね。


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上は「鉄道作業局」が作成した「名所案内」
下は「内国勧業博覧会」のパンフレットの表紙。
表紙の左端に「博覧會観覧各位御携帯用時刻表」の文字も見えます。



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「旅行案内」の冊子。
上は「富士山」が描かれた表紙、下は本文です。
沿線を「鳥瞰図」のようなイラストで紹介しているんですね。
このページでは「浜名湖」の西端の「鷲津駅」から「岐阜駅」までが描かれていて、点線で「名鉄」も描き加えられています。
右ページの「豊橋駅」から北へと伸びる「飯田線」もこの当時はまだ点線で、「豊川鉄道」という「私鉄」でした。
ほかの3鉄道と買収され「国有化」~「飯田線」となるのは1943年(昭和18年)のことです。


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「連結器」の一斉交換作業を知らせるポスター。
一般向けではなく作業員向けのものと思われ。
交換日には「貨物列車」は終日運休にしてまで作業を行ったんだそう。
「機関車」「客車」と比べるとその数は膨大でしたからね。

「自動連結器と空気ブレーキ
 列車の高速化と長大化にあたっては、より安全性を高めるため、連結両数が制限されない強力な連結器と、
 従来の真空ブレーキに替わる圧縮空気による空気ブレーキの採用が不可欠となっていた。
 これらの問題を解決するため、自動連結器と空気ブレーキの採用が決定し、
 綿密な準備期間を経て1925(大正14)年7月に実施された。」

※説明板より引用、以下同じ

連結器@Wiki


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「鉄道」を使った小荷物配送の案内チラシ。

「東海道線が運んだもの(大正~戦前)
 第一次世界大戦の影響で海上運賃が高騰すると、内航海運から鉄道貨物へ転移が進んだ。
 東海道線でも機関車出力の増強や牽引定数の増加など輸送力の改善が進められた。
 沿線に大消費地の東京や大阪をかかえていることもあり、米や木材など生活を支える多種多様な物資が運ばれた。
 一方、昭和初期には、自動車との競争もあり、特別小口扱(こぐちあつかい)貨物や現在の宅配便のもととなる
 宅扱(たくあつかい)貨物列車を新設するなど、サービスの改善が進んだ。」



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「大阪」から「パリ」までの乗車券をまとめた冊子。
わたしとしたことが、ピンボケに気づかなかった1枚。
それゆえ表紙に書かれた文字が全く読めません・・・・・(--;

また右側の写真や説明文に「林芙美子」の記載がありますが、本人が使用したものかどうかはわかりません。

「当時日本と西欧は一枚の切符(冊子状)で結ばれ、林芙美子は下関から釜山に渡り、
 シベリア鉄道に乗換えパリへ向かった。」



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戦時中に売られていた「駅弁」の包み紙。
いずれも戦時下らしいコピーやイラストが添えられています。

右上から時計回りに
「京都駅・萩乃屋」 「熱だ!!力だ!!協力だ!! 総力戦 一人一人が みな戦士」
「浜松駅・自笑亭」 「輸送戦にも勝ち抜かん」
「名古屋駅・松浦彌兵衛」(現・松浦商店) 「戦地偲んで感謝の節米 水筒を成るべく御携帯ください」 
「米原駅・井筒屋商店」(現・井筒屋)


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「東海道新幹線建設記念碑」のレプリカ。
実物は「東京駅」の「東海道新幹線」改札内にあります。
といいつつ、わたしは実物を見たことがありません(^^;


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「IEEE」(アメリカ電気電子学会)から贈られた賞を記念するプレート。

「世界に認められた新幹線
 第二次世界大戦後、世界の交通機関の主役が鉄道から自動車・航空機に代わると世間ではいわれていた。
 1964(昭和39)年の東海道新幹線開業で、多くの人々を安全に速く運べるという鉄道の長所が
 世界的に見直される契機となった。
 世界最高速である時速210kmで営業運転を開始して以来、その卓越した安全性、長年にわたり
 年間1億人以上の旅客を運んできた偉業に対して2000(平成12)年にIEEE(アメリカ電気電子学会)賞、
 ASME(米国機械学会)賞が贈られるなど数々の賞を受賞した。
 現在も世界各国から高速鉄道に熱い期待の目が注がれている。」



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「シンボル展示」の上に置かれている日本最古の「路線バス」の実物。
一般的な「ボンネットバス」ですが、客室の前部分が「ボンネット」に合わせて幅を絞っているのが特徴かな?

「国鉄バス第1号車  国内最古の路線バス
 1930(昭和5)年に、鉄道省が初めて直営による路線バス輸送を開始した際に使用された車両。
 岡崎~多治見(たじみ)間、高蔵寺(こうぞうじ)~瀬戸記念橋間で運転された。
 当時、国内を走るバスは外国製であったが、国鉄は自動車産業育成のため、国産車を採用した。
 現存する最古のバスとして、1969(昭和44)年に鉄道記念物に指定された。

 全長  6.27m  定員  20名
 幅   1.93m  製造年 1930(昭和5)年
 排気量 4730cc  製造所 東京瓦斯電気工業
 馬力42馬力 ※1300回転の場合 

 1.現存する国内最古のバス
   製造されたのは1930(昭和5)年。現在も残る日本最古のバス
 2.国産エンジン搭載
   当時は数が少なかった国産エンジン。技術の発展もうながした
 3.国産部品を多用
   同じく技術発展を目的として、シャーシ、タイヤなども国産に
 4.ボンネットスタイルを継承
   この時代の標準だったエンジンルームが飛び出したボンネットスタイル」



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併せて展示されている「エンジン」
ものすごくきれいなので思わず複製?と思ってしまいます。
でもよく見ると使い込まれた部分もありそうなので、きちんと整備したんでしょうね。
ってことは・・・・・「こいつ、動くのか?」


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窓にはカーテンがかけられています。
チラッと見える座席は革張りのよう。


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バックビュー。
丸っこくてかわいらしいですね。
大きな扉とデッキもついています。


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ここからは1階に戻って、「鉄道のしくみ」エリアの展示を。
「乗車券」などを自動発券する「印刷発行機」
手前のファイルのページをめくると指定される路線が変わり、ボタンを押すことで駅を指定するという仕組みですね。

「印刷発行機
 昭和44年、静岡駅で実用化試験を行い、豊橋駅、尾張一宮駅などに導入された。
 行き先押しボタンを押すことにより、乗車券、自由席特急券、定期券を発売できる。」



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こちらは「マルス発券機(M形端末)」
押しボタンの代わりに該当箇所にピンを差す方式に変わっています。

現行機では「タッチパネル」を採用していたような?
最近は「みどりの窓口」ではなく「自動券売機」を利用して自分で買ってしまうので(^^;
なお、ここでは「新幹線」各駅に設置されている「自動券売機」が置かれていて発券を体験できます。
といっても館内のみ有効(?)の模擬キップですけどね。

「マルス発券機(M形端末)
 1983(昭和58)年に開発された端末で、開発当時発券スピードも速く、操作性に優れていた。
 定期券を除くJR券全券種の発売ができたほか、発売データの集計作業もシステム化されていた。」


マルス(システム)@Wiki


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「東海道新幹線」から絶滅してしまった「反転フラップ式発車標」


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そして、驚きの「レール交換機」
旧レールの取り外しと新レールの設置を一気に行えるんですね。

「レール交換
 古くなったレールを新しいレールに交換する際、レール交換器を使用する方法がある。
 この方法は、現在あるレールの外側に新しいレールを事前に配置し、交換器の本体に取り付けられたローラに
 新旧レールを通し、徐々に交換器を進ませていくことで左右両側のレールを同時に置き換え、
 レールの交換をスムーズに行うことができる。」


「レールと継ぎ目
 高速で走行する新幹線では、列車の乗り心地をよくするとともに、車輪の衝撃によるレールの継ぎ目の
 損傷などを防止するため、レールとレールを溶接した200m以上のロングレールが主に使われる。
 鉄でできたレールは温度の変化によって伸縮するため、ロングレールの両端部には、
 伸縮を吸収するための継ぎ目を設けている。
 この伸縮継ぎ目は、レールとレールの継ぎ目が斜めになっているため、車輪がスムーズに乗り移ることができる。」



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保線関係ということで「オイラン車」こと「オヤ31」を。

「オヤ31形式建築限界測定車  線路付近の支障物の有無を走行しながら確認できる測定車
 「建築限界測定車」は、車体の周囲に接触式のセンサーを搭載し、走行しながら建築物の支障確認ができる
 構造となっている。新たに線路を敷設したとき等に使用した。
 この車両は、1959(昭和34)年にスハ32形式客車からの改造によって誕生した。 

 車号  オヤ31 12         定員 -
 製造年 1937(昭和12)年       全長 20060mm
 製造所 田中車輛工場(現 近畿車輛) 自重 31.9t」


国鉄オヤ31形客車@Wiki


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車体の側面に並んだこの羽に柱や壁などが当たると倒れるようになっています。
言うまでもありませんが、これが1つとして少しでも動かないことに越したことはありません(^^;


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真正面からの様子。
威嚇している「ヤマアラシ」みたいですね(^^;


すべて D700+24-120mmF4G/VR


次回は、機関車たちを紹介します。
by sampo_katze | 2013-10-29 20:20 | 博物館・美術館 | Comments(2)
Commented by kazamidori at 2013-10-29 21:15 x
個人的には1枚目の右下の車両が好きです。
Commented by sampo_katze at 2013-10-31 20:26
とりさん、毎度です☆

その機関車は次回登場予定。
イベント用とはいえ、比較的最近まで現役で動いていたんだよ!


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