生きている化石・サメの標本展示3種+α
赤い電車に乗って水族館に行こう!油壺マリンパーク編・第3回


c0081462_21233171.jpg
「原始的なサメ」


「チョウザメ」たちがいるエリアの次は、細長い通路が伸びています。
向かって左側は「相模の海から」をテーマにした水槽が並び、「アマモ場」「砂底」など
いろいろな生き物たちが環境別に展示されています。

その向かいの右側には様々な資料や標本が展示されています。
説明はやや多めですが、なかなか興味深いですよ。
今回はその展示からいくつかご紹介します。


表紙の写真は、「サメ」の仲間「ラブカ」の標本です。
体の大きさに比べると頭部の大きさがかなり小さいですね。
「サメ」という一般的にイメージされるものとはかなり異なるシルエットをしています。

「「生きている化石」 ラブカ(Frill shark)
 ラブカは相模湾で初めて発見されたサメの仲間で、ラブカ科最古の化石は
 ジュラ紀後期(約1億5000万年前)から発見されており、生きている化石といわれています。
 ラブカは他のサメとは違い、口が前端にあること、鰓孔(さいこう)が6対であることなどから
 多くの魚類学者や古生物学者が最も原始的なサメであるとしています。
 ラブカは長い間1属1種とされていましたが、2009年に南アフリカ近海からもう1種
  Chlamydoselachus africana が報告されています。
 英名のFrill(ヒダ飾り)は鰓裂(さいれつ)の後部が大きくヒダ状になる事から名付けられました。

 展示個体プロフィール
  カグラザメ目ラブカ科ラブカ属ラブカ
  学名 :Chlamydoselachus anguineus Garman,1884
  英名 :Frill shark(ヒダ飾りを持つサメ)
  採集日:1983.9.1
  採集地:走水沖 250m(水深:90m)
  採集者:横須賀市鴨居(広川 幸太郎氏) タイ刺し網漁
  体重 :11.5kg
  全長 :1530mm
  性別 :メス」

※説明板より引用、以下同じ

ラブカ@Wiki


blogram ランキング参加中!よろしければクリックをお願いします。
blogram投票ボタン









c0081462_2124227.jpg
「ラブカ」の顔のアップ。
先の説明にもあるように、「サメ」の仲間ですが口は頭部先端付近にあります。
口の中に見える歯は多く見えますがその長さは短く、噛み砕くというはたらきはほとんどなさそう。
ただ生えている向きは内側に向かっているようなので、一度つかまえたら逃がさないといった感じ。
また比較的深い海に生息するためか、目はかなり大きいですね。


c0081462_2124117.jpg
お次は「ハリイバラガニ」
それほど大きくはありませんが、鋭く伸びたトゲが目を引きます。
「カニ」と名前はありますが、脚が3対しかないことから「タラバガニ」の仲間のようです。

「ハリイバラガニ  相模湾
 生息深度:150~300m」



c0081462_21242288.jpg
正面から見ると「カブトムシ」みたい。
結構迫力があります(^^;


c0081462_21244374.jpg
やや大型の「ミツクリザメ」
顔つきも体つきも、いかにも「サメ」といった雰囲気ですね。
鼻先が長く伸びていて、まるで角のようになっているところが特徴・・・・・って、光の加減で細長いように見えますよね。
でも実際は平たくて「ヘラ」のような感じになっています。
「しながわ水族館」でも見たことがあるんですが、名前が人名に由来することは今回初めて知りました(^^;

「「生きている化石」 ミツクリザメ(Goblin shark)
 1897年春、イギリスの貿易商アラン・オーストンは相模湾で奇妙なサメを捕獲しました。
 オーストンは以前から親交のあった東京大学三崎臨海実験所の初代所長である
 箕作佳吉(みつくりかきち)のもとにこの個体を寄贈しました。
 その後アメリカの魚類学者であるデイビット・スター・ジョルダンにより新種のサメとされ、
 3人の名前から Mitsukurina owstoni Jordan,1898 と名付けられました。
 ミツクリザメは約1億5000万年前に栄え、すでに絶滅してしまった Scapanorhynchus(スカパノリンクス)という
 サメに姿が似ていることから「生きている化石」といわれています。

 展示個体プロフィール
  ネズミザメ目ミツクリザメ科ミツクリザメ属ミツクリザメ
  学名 :Mitsukurina owstoni Jordan,1898
  英名 :Goblin shark(悪魔のサメ)
  採集日:1984.3.15
  採集地:城ケ島 南西1.5km(水深:90m)
  採集船:政漁丸(村田 政男氏) ヒラメ刺し網漁
  体重 :183kg
  全長 :3130mm(吻長:420mm、胴回り:1090mm)
  性別 :オス」


ミツクリザメ@Wiki


c0081462_2125234.jpg
頭部のアップ。
獰猛そうな顔つきですが、歯は意外にも細いんですね。


c0081462_21251458.jpg
いかにもな迫力ある姿を見せる「オオワニザメ」
大きく開いた口は迫力満点です!

「「生きている化石」オオワニザメ(Smalltooth sandtiger shark)
 約1億年前の白亜紀やその後の第3紀の地層から、
オオワニザメ科(Odontaspididae)の仲間の歯の化石が発見されているため、
 現生のオオワニザメ(Odontaspis ferox)は、生きている化石といわれています。
 その他にも、オオワニザメ科には、シロワニ(Carcarias taurus)、Odontaspis noronhaiの2種が分類され、
 彼らもまた生きている化石といえます。
 山陰地方(本州西部の日本海側)では、サメのことを「ワニ」と呼び、オオワニザメは「大きくなるワニ(=サメ)」という意味で、
 シロワニは「白いサメ」という意味で名付けられたのではないかといわれています。

 オオワニザメは大陸棚や大陸斜面、サンゴ礁や岩場の深みなど、浅海(せんかい)から水深800m位に生息しています。
 熱帯や亜熱帯海域に生息しており、相模湾からの採集は稀です。

 展示個体プロフィール
  ネズミザメ目オオワニザメ科オオワニザメ属オオワニザメ
  学名 :Odontaspis ferox (Risso,1810)
  英名 :Smalltooth sandtiger shark(ギザギザの小さな歯をもつサメ)
  採集日:2000.4.25
  採集地:剱崎沖 約4km(水深:50m)
  採集船:育丸(鈴木 育夫船長) ヒラメ刺し網漁
  体重 :350kg
  全長 :3400mm(体幅:333mm)
  性別 :メス」


オオワニザメ@Wiki


c0081462_21252783.jpg
頭部を横から見たところ。
鼻先はずいぶん短い感じがします。


c0081462_21253858.jpg
正面から。
いや~これはコワイ!!(^^;


c0081462_21254943.jpg
通路を抜けると「魚のパフォーマンス」が行われるホールに出ます。
その右手にあるのが「マンボウ」の模型。
ちょっとホッとする?

全長は3m、重さはなんと2トン!
「腹びれ」は床に埋まっている(!)のですが、おそらく高さも3mちかくありそうですね。
それにしても3億個もの卵が産まれ、稚魚は数mmというサイズだというのに成長するとこれだけ大きくなるとは。
いったいどれくらいの時間が必要なんでしょうね。


c0081462_2126879.jpg
最後は特別展示「ダイオウイカ」の標本です。
今年3月に「東京湾」で捕獲されたもので、全長4m38cm、体重24.28kgもあります。
右下に一般的な「スルメイカ」(約30cm)のシルエットが描かれていて、いかに大きいかがわかるかと思います。
このときは特別展示でしたが、時期は不明なものの今後は常設展示になるそうです。

「捕獲状況
  捕獲日:2014年3月12日
  捕獲場所:東京湾走水漁港港口
  捕獲者:青木教至(のりゆき)氏(教至丸船長)
  捕獲方法:手綱と素手
  捕獲時の様子:ダイオウイカは水面を漂うように遊泳。船にあげてからも腕をくねらせる。
         しばらくは漏斗(ろうと)から水を噴出していた。

 本個体から得られた知見
  2014年8月8日、国立科学博物館の協力の下、ダイオウイカの公開学術解剖が行われた。
  多くの報道陣が見守る中、新たな知見を得ることができた。

  1.墨袋の大きさ
   これまでに日本海沿岸で捕獲された(打ち上げられた)ダイオウイカは、墨袋が空のものが多かった。
   しかし、本個体は捕獲時に2度墨を吐き出したにもかかわらず、100ml以上の墨が体内に残っていた。
   このことから、若い個体は(本個体は未成熟の♀)、墨を使って敵から身を守るのではないか、
   もっと浅い場所でも生息しているのではないかと推測できる。

  2.胃袋の大きさ
   墨袋同様、大きさに驚いたのは、胃内容物の多さである。
   日本海側で打ち上げられたダイオウイカは空胃(くうい)の個体が多く、
   おそらく衰弱して餌をとっていなかったと考えられる。
   一方、本個体は胃の中に大量の消化液と魚の小骨、口には魚の鱗が確認された。
   このことから本個体は衰弱しておらず、比較的正常な状態であったと思われる。

  3.太平洋側5例目となる貴重な標本
   日本海側では過去に何度か報告されているダイオウイカであるが、
   太平洋側で見ると、1873年に日本で初めて発見されて以来、本個体は5例目となる大変貴重な標本である。
   今回捕獲できたダイオウイカについては、比較的浅い水深にいた若い個体が、東京湾湾口付近の湧昇流によって
   走水漁港付近まで運ばれてきたと推測される。
   一方、2014年冬に日本海沿岸各地から多数のダイオウイカが発見されている。
   この原因に一つに、今冬の日本海の中層域(水深100~200m)で例年に比べ非常に低い水温の
   冷水塊(れいすいかい、0~1℃)が大陸側から張り出していたことが指摘されている。
   この冷水塊が、ダイオウイカを日本沿岸側の表層付近まで追い詰めたことが多くの発見につながった。
   太平洋側ではそのような冷水塊は存在せず、ダイオウイカが海岸付近まで上がってくることは、
   極めて稀な事象である。

 監修:窪寺恒己 博士」



「ホール」ではこのほか、体長5.7mの「メガマウス」という「サメ」の仲間も展示されています。
あまりに大きすぎて入りきらず、写真はありませんが(^^;
広角を持っていくべきでした。

メガマウス@Wiki


すべて D700+24-120mmF4G/VR


次回は、相模の海からのエリアです。
by sampo_katze | 2014-11-14 21:30 | 水族館 | Comments(0)


<< 横浜の高層ビルに茜色 チョウザメの見本市?(4種ですが) >>