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銀閣寺裏の山道へ
秋の京都出張でのオフタイム編・第3回


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「木々にうもれる銀閣」


「銀沙灘」(ぎんしゃだん)の東側に進むと、「錦鏡池」(きんきょうち)に浮かぶ「白鶴島」(はっかくとう)があります。
島の西側には「仙袖橋」(せんしゅうばし)、東側には「仙桂橋」の2つの橋が架かり、島を通り抜けることができます。
さらにその先は境内の東側にある山の方へと進むことができます。
「銀閣」と周辺の建物群だけかと思っていたんですが、境内は意外と広かったんですね。

時間もたっぷりありますし、せっかくなのでその「山道」へと入ってみることにしました。
といってもちょっとした丘のような感じなので、あまり構えなくても大丈夫。
もちろん歩きやすい靴がいいのはいうまでもありませんけどね。


表紙の写真は、「山道」から眺めた「銀閣」です。
二層目の屋根とほぼ同じくらい高さに目線が来るのですが、その周りを木々が囲みます。
右手前の木々は早くもうっすらと色づき始めていましたが、見頃を迎えるとさらに美しい光景になるんでしょうね。
このように緑の中に赤や黄色がほんのりと入る色合いも、また捨てがたいところ。
本来はベストなタイミングで見たいところですが、そうなるとものすごい人出でしょうからね~(^^;

臨済宗相国寺派 銀閣寺


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「仙桂橋」を渡ったらすぐ左へ。
スロープ~階段と進むと少し開けた場所に出ます。
その一角には小さな泉がありました。
これは「お茶の井」の跡で、現在も飲料水として利用されているんだそう。

「お茶の井 庭園
 この庭園石組(いわぐみ)は昭和6年に発掘され、竹亭漱蘚亭(そうせんてい)跡であり西芳寺(さいほうじ・苔寺)の
 竜淵水(りゅうえんすい)石組を模範に作られたとされる庭園である。
 又、井泉は義政公愛用のお茶の井跡で、水質も豊かで、現在もお茶会等の飲料水として使用されている。
 泉辺の石組みは、当時の遺構そのままであり、茶庭の蹲踞(つくばい)手水鉢前の源流とされる。」

※説明板より引用、以下同じ


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奥の山肌には岩が顔をのぞかせています。
こちらは「漱蘚亭」(そうせんてい)という庭園の跡です。
説明に発掘とあることから、これはその一部なんでしょうね。


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西側に目を向ければ「慈照寺」の境内を一望することができます。
左は「銀閣」、中央手前に「銀沙灘」が広がりその奥の木に囲まれた小さな建物が「中門」です。
右手に連なる建物は手前から「東求堂」(とうぐどう)、「方丈」「宝処関」(ほうしょかん)、「庫裡」(くり)です。


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さらに奥へと目を向けると山肌に「大」の字が見えます。
これは「金閣寺」の北方にある「五山の送り火」の1つ、「左大文字」です。
直線距離で約6.5kmあるんですが、大きいだけに結構見えるものなんですね~。
って、さすがに肉眼ではわかりませんでした(^^;
ちなみにこの写真はテレ端の110mm(297mm)のノートリミングです。

五山送り火@京都市観光協会


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「銀閣」のてっぺんに立つ「鳳凰」の銅像を上から眺めます。
といっても110mm、換算で約300mmでもこれくらいにしかなりません(^^;
翼が丸まっているんですね~。


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山道を下り、ふたたび「銀閣」の前へ。
今度は東側から「錦鏡池」越しに眺めます。
左右の松の木のうち片方は日が当たって白っぽく、もう一方は影が落ちて黒っぽくなっていいコントラストになってくれました。


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「銀閣」2層の壁の様子を南側から。
かなり傷んでいるようにも見えますね。


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そして再び「鳳凰」。
翼の裏に補強板が入っているのがわかります。


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「銀閣」の西側にある屋根の構造を再現したもの。
薄い板を多数重ねている大変手間のかかる葺き方をしているんですね。

「銀閣の屋根です。
 杮葺(こけらぶき)と言いまして、サワラの薄い割り板を3センチずつずらしながら重ね、
 竹釘でとめていく工法にて葺かれています。

 Roof of Ginkaku Pavilion
 Each wooden shingle -Japanese cypress- is about 30cm long,
 with 3cm showing at the bottom end, exposed to the weather,
 and fix with a bamboo nail.」



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売店になっている「圓通殿」(えんつうでん)。
その左手には創建当時の「銀閣」の壁に施されていた彩色を復元した展示がありました。
創建から520年以上経過しているため現在の壁は先に挙げたとおりでしたが、当時は漆黒の壁だったんですね。

「創建時の銀閣彩色復元
  この展示は、国宝銀閣の2階の一部分を復元したものです。
  現在の銀閣は建造以来約520年間の経年変化のため2階の外観全面及び堂内に描かれていた彩色や塗装は
 劣化して剥げ落ちていました。しかしその景色は、経過した時代を深く感じられる枯淡な雰囲気を現していると言えます。
  先般、銀閣は屋根葺き替えを主にした修復工事を実施しましたが、その工事中の調査によって、外観を覆うようにして
 黒塗装と建築彩色の塗装が、また室内は全面に漆黒の施されていた空間が存在していたことが分かりました。
  足利義政公は慈照寺前身の東山山荘を造営した諸建物のうち、最後の建造物として長享3年(1489)頃に観音殿(銀閣)を
 建造していましたが、その2階には黒漆塗及び建築彩色塗装を施すことにより、絢爛豪華な観音殿を現出しようとしました。
 観音殿造営の背景には、祖父義満公の造営した金閣の庭池に浮かぶ豪奢で重層を成す姿に影響を受けたことが
 最大の要因であったと言えます。
  ここに描かれた建築彩色に関しては、紋様は銀閣の部材に僅かに残る風食痕跡からおよその形が見て取れましたが、
 配色は年代的な特徴を捉えながら、銀閣の室内に残存していた建築彩色を参考にして復元を行いました。
  義政公は、日本文化史の形成に重要な役割を果たされましたが、その遺業と由来を伝える銀閣を通じて、歴史的な建造物を
 顧みることによる建築文化の発展と文化財の保護および啓発に資することを願って、この展示は製作されました。」



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「銀閣寺」を後にして、次の目的地「南禅寺」へと向かいます。
せっかくなので「哲学の道」をのんびりと歩いて行くことにします。
この橋は「琵琶湖疏水」の分線に架かる「銀閣寺」への道です。
下半分は真新しい感じですね。

「哲学の道
 明治23年、東山山麓に完成された。琵琶湖疏水(そすい)に続く、分線沿いの桜並木約1.8kmの散策路、
 これが「哲学の道」です。
  近隣には、銀閣寺をはじめ法然院・若王子神社・永観堂・南禅寺など、著名な社寺が点在し、
 京都の伝統的な歴史や文化が今も尚息づいています。
  昭和43年、地元住民の熱意あふれる環境保全整備の声に京都市がこたえ、哲学の道として整備された。
 以来、地元住民や水道局による献身的な清掃や保全整備がはかられており、春の桜、初夏のほたる、秋の紅葉と
 四季折々に、市民の散策路として、喜ばれております。」



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これは少し下ったところに架かる各種の橋。
手前の2本は何が流れるんでしょうね?


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「銀閣寺」に近いエリアは道沿いに店が点在していますが、南に進むにつれて緑が濃くなっていきます。
歩いていてとても気分がいいですよ。


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「疎水」の水面をのんびりとすすむ「カモ」のつがい、かな。


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のんびり歩いて約30分、道は行き止まりになりました。
どうやら終点のようです。
この先「疎水」は「トンネル」に入ります。
いえ、実際には流れをさかのぼる方向に進んできたのでここは出口なんですね。


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「疎水」に架かる最後の橋の上から。
流れの中にも水草があり、周りの木々と相まって緑あふれる空間になっていました。
ほんとに美しい!


5、6、8、9枚目 V2 + 1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6
ほかはすべて V2 + 1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6


次回は、南禅寺を訪ねます。
by sampo_katze | 2015-02-05 21:20 | 関西 | Comments(0)


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