深海ギャラリーに展示されている標本類
名古屋訪問Ⅱ~名古屋港水族館編・第4回


c0081462_953171.jpg
「水圧の変化がわかる教材」


「南館」の2階にある「日本の海」エリアを抜けると、次の「深海ギャラリー」があります。
このエリアは1階へと続くスロープも兼ねています。

「深海の世界
 海洋生物の世界では、水深200mより深い海を深海と言います。そこは太陽光がほとんど届かず、
 植物による光合成を起点とした生物生産の営みが行われません。そのため、深海の生物は、少ない餌を
 効率よく利用するために様々な工夫をこらしています。また、深海は暗いだけでなく、太陽の熱も伝わらないため
 水温が低いことも特徴です。そして、深くなればなるほど強大な水の圧力(水圧)がのしかかってきます。
 このように深海は、浅海とはかけ離れた環境のため、生物は姿形やその生活も独特のものが多いのです。」

※説明板より引用、以下同じ


表紙の写真は、深海でかかる水圧がどれくらいのものなのかを展示したものです。
「カップラーメン」の空き容器が水深が大きくなるにしたがって、徐々に小さくなっていく様子がわかります。
それにしてもなぜ「ブタメン」の容器なんでしょう?
このサンプルはほかの水族館でも見たことがあるんですよね(^^;
安いから使われているのかな~??
今度聞いてみようかな?(笑)


blogram ランキング参加中!よろしければクリックをお願いします。
blogram投票ボタン









「深海」にすむ生きものというと奇妙な、ともすればグロテスクな外観をしているとか地味な色だとか。
そんなイメージがあると思います。
実際のところ、わたしもそんなイメージを持っていますから。
でも意外にも?深海では赤が目立ちにくい色なんだそう。
そういえば「キンメダイ」「タカアシガニ」などは赤を基調とした体色をもってますよね。
ここではそんな美しい外観の生きものたちを紹介しています。
が、撮影環境があまりに厳しいので撮れた種類は少ないんですけどね(^^;

「深海に暮らす美しい魚たち
 太陽の光が届かない深海で暮らす魚の体色も様々に進化しています。身を守るために目立ちにくくするような体色や、
 異性との出会いの機会を増すために独特な模様が現れます。しかし人間の眼は深海の暗黒の中で魚の体色を
 認識することができません。そんな暗黒の世界でも、深海探査艇のサーチライトで照らした時には、
 深海の魚が持つ本来の色を私たちが直接見ることができます。深海魚を水槽に入れて鑑賞するのもこれに似ています。
 光を当ててびっくり!熱帯魚も顔負けするような美しい深海魚もいます。」



c0081462_9541243.jpg
これは名前もどこか美しい「ヒメ」という魚。
「ヒメジ」は見たことがありますが、これは初見の上に名前を聞くのも初。
もともと流通量も少ないようですね。

「ヒメ
 日本、フィリピン、ハワイ諸島、台湾、ニューカレドニアの水深85~510mに生息します。
 干物にすると美味。一般には練り製品の原料となります。」



c0081462_9542153.jpg
オレンジ色が美しい「ケスジヤドカリ」
白い斑点が入っていて、一部はスジ状になっています。
「巻貝」の殻に入っていますが、その上には白い「イソギンチャク」を乗せていますね。
これは天敵から身を守るための手段とのこと。
また貝殻のサイズが合わなくなると引っ越しますが、その際にこの「イソギンチャク」も一緒に引っ越すんだそう。


c0081462_9543153.jpg
「カニ」の仲間の「オオホモラ」
一見すると普通の「カニ」ですが、一番後ろの脚が上に向かって伸びていて何かをつかんでいます。
これは貝殻や「海綿」などをこのように抱えて身を隠すために使っているんだそう。
とある水族館ではなんと「ナイロンタワシ」を抱えていたんだとか!
どこが気に入ったんでしょうね?(笑)


c0081462_954401.jpg
ここからは「深海」に住む生きものたちの標本を取り上げていきます。
かなりの数が展示されていたので、厳選?してですが。
まずは「ビワアンコウ」のメス。
体の前半分はかなりの大きさですが、後ろ半分は急に小さくなっています。
これは標本になったためかもしれませんが。

ちなみにオスは成熟してもメスの10分の1程度の大きさにしかならず、メスに寄生して一生を送ります。
ただし、一部の「アンコウ」の仲間はこのような生態は持たないそうですね。

「ビワアンコウ
 英名 Kroyer's deep sea angler fish  学名 Ceratias holboelli
 成熟したオスはメスに寄生して一生を送ります。オスは寄生すると生殖器以外は退化し、メスと血管がつながり、
 栄養をもらうようになります。この標本はメスで、オスは寄生していません。頭の上にあるルアーの部分が欠落しています。
 分布:世界の熱帯域~温帯域  水深:100~3400m  体長:メス120cm オス16cm」



c0081462_9545164.jpg
細長い体を持つ「シギウナギ」(右)とおなじみ「サクラエビ」
「シギウナギ」は体の割には頭の大きさが小さいですね。
また口も細長くくちばしのようになっていて、その様子が「シギ」という鳥のように見えることが名前の由来かと。
一方の「サクラエビ」はその名の通りきれいな桜色をしていますが、ここでは標本のため色が抜けてます(^^;
国内で漁獲されるのは「駿河湾」のみで、「富士川」の河川敷で天日干しされる光景は有名ですね。

「シギウナギ
 英名 Snipe eel  学名 Nemichthys scolopaceus
 シギウナギの細くて広がった口には小さな歯がたくさん生え、サクラエビなど甲殻類のヒゲをからめとって捕食します。
 分布:世界の亜熱帯~温帯域  水深:90~2000m  体長:130cm

 サクラエビ
 英名 Sergestid shrimp  学名 Sergia lucens
 分布:駿河湾や東京湾口、相模湾、台湾東方沖  水深:昼150~300m 夜20~60m  体長:5cm」



c0081462_955189.jpg
八角形のようなシルエットを持つのは「メンダコ」
「タコ」の仲間なので8本の足がありますが、足同士の間は膜のようなものでつながっているのが特徴。
頭もほとんど膜に同化しているようで、横から見るとだいぶ扁平な形になっているようです。
英名や分布をみると日本近海の暖かい地域に生息しているみたいですね。

「メンダコ
 英名 Japanese pancake devilfish  学名 Opisthoteuthis depressa
 体はぶよぶよした寒天質で、外套膜(がいとうまく)と頭腕部との境が不明確な釣鐘のようなかたちをしています。
 ヒレはオール状でたいへん小さく、全体としてユーモラスなタコです。
 分布:相模湾~鹿児島沖、東シナ海  水深:60~1500m  全幅:20cm」



c0081462_9551080.jpg
「チョウチンアンコウ」のメス。
頭の上から伸びるふさ状のもの。
これは「誘引突起」と呼ばれる器官で、これを「擬似餌」のように振ってエサをおびき寄せるとのこと。
しかもここから発光する液体を放出するそうですが、この様子は1967年(昭和42年)に世界で初めて
「江の島水族館」で観察されました。
その個体の標本は後継施設である「新江ノ島水族館」で展示されています。

「チョウチンアンコウ
 英名 Atlantic footballfish  学名 Himantolophus groenlandicus
 頭の上の長いさおの先端には発光する房状の塊があり、これをふってエサとなる魚をおびき寄せます。
 分布:大平洋、大西洋  水深:200~830m  体長:メス60cm オス4cm」



c0081462_9552073.jpg
左右のはさみの大きさが大きく異なっている「ドラゴンオサテエビ」
右側のはさみは長いですが、太さはそれほど左とはちがっていません。
エサを獲ったりするのではないような感じですね。

「ドラゴンオサテエビ
 英名 a species of Deepsea lobster   学名 Thaumastocheles dochmiodon
 片側のハサミが異様に長く、オサテ(長手)の名はこれに由来します。駿河湾には、以前から知られていたオサテエビに加えて、
 台湾の陳天任博士が新種として記載したドラゴンオサテエビも生息していることがわかりました。
 分布:西部大平洋の熱帯~温帯域  水深:250~820m  体長:12cm」



c0081462_9553461.jpg
いかにも堅そうな外観の「トゲヒラタエビ」
外殻は厚みもそうですが、いくつかある突起がより堅牢さを増しているようです。

「トゲヒラタエビ
 英名 a species of Deepsea shrimp   学名 Glyphocrangon saintlaurentae
 外骨格は非常に堅く、また腹部後方には体を曲がらないように固定するロック装置があり、
 捕食者に食べられにくくしていると考えられています。
 分布:相模湾以南、東南アジア~インド洋  水深:600~1100m  体長:9cm」



c0081462_9554472.jpg
腹びれの棘条が長く伸びている「イトヒキイワシ」の仲間。
ここを支えにして海底に立つ様子から「三脚魚」とも呼ばれているそう。
そうやってエサが流れてくるのを待っていたりするんでしょうね。

「イトヒキイワシの仲間
 英名 Spiderfish  学名 Bathypterois dubius
 この仲間は海底に腹ビレと尾ビレで立つ姿がよく知られ三脚魚(Tripodfish)とも呼ばれています。
 大きな胸ビレは潮流に乗って流れてくるエサを感知するアンテナと考えられています。
 分布:北部・東部大西洋~地中海  水深:260~2800m  体長:24cm」



c0081462_9555357.jpg
長身の「テンガイハタ」
大きな頭とその半分ほどもある大きな目が特徴的。
背びれも尾びれの近くまで延々と連なっています。

「テンガイハタ
 英名 a spices of Ribbon fish  学名 Trachipterus trachypterus
 体長は3mに達します。幼魚の頃は背ビレの前部、尾ビレ、腹ビレが長く伸びていますが成長とともに短くなります。
 クラゲや魚を捕食すると言われていますが、採集例も少なく、詳しいことはわかっていません。
 この標本は2002年11月に和歌山県の定置網で採れたものです。
 分布:西部・中央大平洋、東部大西洋、南アフリカ沖、地中海  水深:100~600m  体長:300cm」



c0081462_956313.jpg
「テンガイハタ」の図。
これを見ると結構きれいな色をしているんですね。


c0081462_9561170.jpg
驚くべきは口がこんなに長く伸びる!
普段は中にたたまれているんですが、エサをとるときに出てくるんでしょうね。
なかなか衝撃的ですが(^^;


c0081462_9562018.jpg
最後は初期の「潜水服」です。
大きな「ヘルメット」に2本のチューブがつながり、そこで呼吸するようになっています。
説明にある20フィートとは約60mで、かなり深い川での作業に用いられていたんですね。

「クリンゲーツの潜水服(1797)  KLINGERT'S DIVING SUIT(1797)
 1797年、深さ20フィートのオーデル川のしゅんせつに使用された。筒型のパーツを高密度の組み合わせ、
 水圧に耐えるように作られている。チューブを通して空気を吸い込み、口の部分についているバルブを通して
 別のチューブから吐き出すようになっている。筒型パーツの外側に付けた重りでバランス調節している。」



すべて D700+24-120mmF4G/VR


次回は、南極の海のエリアのペンギン水槽です。
by sampo_katze | 2016-04-28 21:00 | 水族館 | Comments(0)


<< 南極の海のエリアのペンギン水槽 日本の海のエリア >>