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海響館でフグ三昧(ただし見学に限る)
2019年フライト初め~下関・門司遠征編・第4回


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「フグの王様」


「海響館」の正式名称は「下関市立しものせき水族館」
その名の通り、「山口県下関市」にある湾岸地区「あるかぽーと」にあります。
そして「下関」といえば、真っ先に頭に浮かぶのはやっぱり「フグ」でしょう。
「下関」や、海峡を挟んだ対岸の「北九州」などでは「フク」と呼びますね。
「フグ」は「不遇」「不具」(合)に通じることから、縁起を担いでにごらない「福」としたとのこと。

そんな場所にある「海響館」ですから、「フグ」の仲間の展示数も多い。
なんと常時100種以上の「フグ目」の魚たちが見られるようになっています。
世界中では440種類ほどが知られているので、なんとその約25%がここで見られる!
これだけ「フグ目」の仲間が見られるのは世界でもここだけだそう。
ということで「海響館」名物?「フグ三昧」(ただし見学に限る)と行きましょう。


表紙の写真は、「フグ」の王様ともいうべき「トラフグ」です。
体長は70cmほどで、胸びれの後ろに白い縁取りのある大きな黒い斑点があるのが特徴。
単に「フグ」といえばこれを思い浮かべることが多いですね。
れっきとした「マフグ」という種もいるんですが、こちらはあまり有名でないような?
わたし自身も今回調べて初めて知りました(^^;

「トラフグ
 トラフグは、日本海・東シナ海・太平洋沿岸・瀬戸内海などの水深5から150mにすんでおり、
 エビ・カニの仲間や魚などを食べています。
 トラフグは胸ビレの近くに白く縁どられた大きな黒色紋があること、
 臀ビレが白いことで、すぐに他の種と見分けることが出来ます。
 カラスという種はトラフグによく似ますが、臀ビレが黒いことで見分けることが出来ます。
 3から5月頃になると、潮の流れが速い、水深20から50mの砂地に集まり産卵します。
 食用フグとしては最も有名で、筋肉や皮や精巣は無毒で食べられますが、
 肝臓や卵巣などは強毒で食べることが出来ません。」

※説明板より引用、以下同じ










「フグの仲間たち
 フグの仲間はフグ目と呼ばれるグループに属する魚類で、世界中に440種(※)が知られています。
 フグ目魚類はそれぞれ異なる特徴をもつ10科に分類され、様々な形態・生態をもちます。
 フグ毒で外敵から身を守るトラフグ、水を吸い込み体中のトゲを立たせるハリセンボン、
 ウロコが組み合わさり箱形になっているハコフグ、全長が3m近くになるマンボウなど、
 一部の種をみてもその生き様は多様です。
 フグの仲間は淡水域から外洋、浅海域(せんかいいき)から深海まで様々なところにすんでいます。
 (※2018年3月25日 Fishbaseより)」



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「トラフグ」の顔をアップに。
口の中に立派な歯が見えます。
この歯が実はかなり鋭く、細い針金程度なら噛み切ってしまうほどのものだそう。
これはちょっと意外ですね。


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「フグのふしぎ」を紹介したパネル。
全部で10枚あり、公式サイトからも見られます。
こちらは「フグ」の特徴の1つ、「膨らむ」についてを取り上げています。
胃の中に水を吸い込み、出入口を括約筋(かつやくきん)で閉めて水が漏れないようにしているんですね。
吸い込む量は体重の約2倍!
さすがに膨らんだ状態を見たことはないですが、1度見てみたいですね。

「膨らむ
 フグは身の危険を感じると、胃に水を貯めて大きく膨らみます。
 体重2kgのトラフグだと、1秒間に100ml以上の水を吸い込みます。
 体が大きければ大きいほどたくさんの水を吸い込むことができ、
 トラフグでは自らの体重の約2倍の量の水を吸い込めます。
 フグは胃に水を吸い込むと、水が漏れないように胃の入口と出口を筋肉で閉じて水が漏れないようにします。
 膨らんでいるときはエラに水が通っておらず、息を止めているような状態になります。」


「トラフグが膨らむと・・・
 トラフグは最大全長約80cm、その体重は10kgにもなり、フグ科の中では最大級です。
 フグが膨らむときには、自身の体重の2倍の量の水を吸い込み膨らみます。
 つまり、10kgの体重のトラフグだと・・・約20kg
 ペットボトル(500ml)だと・・・40本分
 5秒でペットボトル(500ml)1本分の海水を吸い込んで膨らんでいることになります。」



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「フグ」は目を閉じることもできる!
といっても、他の動物とちがって素早く開け閉めすることはできないようですが。
そういえばこれも見たことがなく、こんなことができるということも知りませんでした。

「眼を閉じる
 フグ科の仲間の多くは、物があたる、寄生虫がつくなど眼に刺激を受けると、
 周囲の皮フを眼の中央に集めるようにして目を閉じます。
 他の魚類ではこのように目を閉じるものは知られておらず、脊椎動物ではフグ独特と言えます。
 しかし、なぜたくさんの魚の中でフグだけがこのように目を閉じるのかはまだはっきりわかっていません。」



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砂に潜った子もいました。
こんな感じで外敵から身を隠したり、寄生虫から身を守ったりするようです。
水槽の中は砂が少ないのか、あまり体が隠れていませんが。



ここからは「オーストラリア」南部の「フグ」の仲間たちを取り上げます。
南部と聞くと暖かそうですが、南半球なのでそちらの方が寒いです。
何しろ3~4000km行けば「南極大陸」ですからね(^^;

「ようこそ日本へ!
 この水槽にいるフグたちは、オーストラリア南部からやってきました。
 オーストラリア南部は、南極還流(なんきょくかんりゅう)等の影響で、水温が12~18℃比較的低いのが特徴です。
 カラフルな魚が多いので、熱帯域の魚だと思われがちですが、この水槽の水温も18℃いかと、低くしています。」



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まずは「イトマキフグ科」「ウェスタンスムースボックスフィッシュ」
「ハコフグ科」にとても近い仲間で、見た目もよく似ています。
「イトマキフグ科」のほとんどの種が「オーストラリア」南部の固有種とのこと。


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同じく「イトマキフグ科」の「ホワイトバードボックスフィッシュ」
オスとメスで色が異なり、こちらはオス。
全体がオレンジ色で、ところどころに白いラインが入り鮮やかな見た目です。
これに対しメスは色は地味ながら、上半分に濃い目のラインが入ってこちらもなかなか目立ちます。
撮れなかったのは残念ですが。


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こちらも「イトマキフグ科」の「ジョーズカウフィッシュ」
先の2種より少し大きめで、全体にしま模様が入ります。
目の上に短いトゲが伸びているところも特徴です。


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「カワハギ科」「ホースシューレザージャケット」
体の横に大きなCの字のような模様が入っています。
この模様が「ウマ」「蹄鉄」(ていてつ、Horseshoe)に見えることから、その名がついています。
「カワハギ」の仲間としてはなかなか鮮やかな色の持ち主でもあります。


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「ラフレザージャケット」かな?
白地に褐色の小さな斑点が散りばめられています。
目の上のトゲのようなものは第1背びれです。


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と、後ろから「ホワイトバードボックスフィッシュ」から近づいてきました。
それに反応して、背びれを立てて威嚇しているようです。
たたまれているところはよく見るんですが、こうして立てているところは初めてかな?


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ここからは「あたたかい海のフグ」の仲間たちです。
まずは「フグ科」の仲間の「シマキンチャクフグ」
全長10cmほどの小型種で、吻が前方にやや長く伸びています。


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「ハリセンボン科」「ネズミフグ」
全長90cmを超える大型種です。
白っぽい体で全体に小さな黒点が入り、トゲも持ちます。


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同じく「ハリセンボン科」の「イシガキフグ」
こちらも体長60cmほどとやや大型種です。
体表にトゲをもちますが、それを立てることはできません。


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最後は「クイーントリガーフィッシュ」
派手な見た目の「モンガラカワハギ」の仲間で、こちらも特徴ある模様をもっています。
尾びれの上下先端が長く伸びているのは大きな特徴か。
ここでは底の砂を口に含み、それをエラから吹き出している様子が見られました。
こうして砂の中のエサを取っているんですね。



すべて D700+24-120mmF4G/VR


次回は、カワハギの仲間を取り上げます。

by sampo_katze | 2020-02-02 21:00 | 山陰・山陽 | Comments(0)


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