唐津くんち編・第4回。
唐津くんちの象徴たる曳山は14基あります。 本来は15基あったのですが、残念ながら明治中期に「黒獅子」が損滅しました。 理由は定かではありません。 願わくば復活をとも思うのですが・・・。 さて、今回は前編として8基の曳山をご紹介します。 刀町・1819年(文政2年) この曳山の来歴は過去の記事 「曳山」 で触れていますので省きます(^^; しかし、秋の日差しを受けて鮮やかに浮かび上がるその姿を目の当たりにしたときは感動でした! この日(11/3・くんち2日目)は角の部分に白いものをつけて巡行していました。 これは「御幣」(ごへい)というもので、曳山行事の無事を祈願しつけられているものだそうです。 なお、ほかの日にはつきません。 中町・1824年(文政7年) 1番の曳山が「雄」に対しこちらは「雌」、1番と2番で雌雄一組という位置づけのようです。 2つの曳山は当然よく似ているのですが、写真を見ているうちに ・角の形が異なる・・・赤が1本に対し、青は二又になっている。 ・耳の向きが異なる・・・赤が垂れているのに対し、青はピンと立っている。 ・口の形が異なる・・・赤に対して、青はやや開き気味で牙のむき出しも大きい。 と、かなり特徴にちがいがあることがわかりました。 これは狛犬の「阿・吽」でも似たようなちがいがあります。 やはり「雌」(吽)のほうが強いイメージのようですね(^_^; 材木町・1841年(天保12年) 高さも長さも比較的大きい部類に入る曳山です。 亀はどちらかというと龍に近い形をしていますね。 甲羅のついた龍・・・「玄武」のほうが近いのかな~。 後述の参考HPによれば、製作当初は浦島太郎ではなく「宝珠」が乗っていたそうです。 ということは、曳山の名前も当時はちがったものがついていたのかもしれませんね。 浦島太郎に変わったのは、長寿の象徴としての亀よりも 寓話での亀のほうがイメージしやすかったからではないかな?って思います(^^) 長く延びた尻尾と力強い後ろ足、さらに翼のようなものもあります。 海を泳ぐというより、空を飛んでいくような感じですね! ってガメラか!! 呉服町・1844年(天保15年) 前3作が縁起物だったのに対し、こちらは武将の兜という新しいジャンルで登場といった感じですね。 ただ、兜の成り立ちについてはよくわかりませんでした(-_-; 初対面で一番間近どころか目の前で見られた曳山なので、思い入れも他のとはちょっと違ってきます。 雨がかかってちょっと心配だったのですが、こうやって元気な姿を見たら ちょっと安心しちゃいました(^∇^) 魚屋町(うおやまち)・1845年(弘化2年) いうまでもなく「めでたい」という語呂から生まれたものでしょう。 はじめてみたとき「金魚?」なんて思ってしまいましたが・・・(大汗) その愛らしい姿からとても人気があるようです。 これまでに紹介した4基は曳山自体の動きはありませんが、 こちらは本体が上下したり胸ビレを開閉したりします。 まるで本物の鯛が泳いでいるような感じなんですよ~! そのあたりも人気の秘密なのかもしれませんね! 大石町・1846年(弘化3年) 大きさと重さでは1、2を争う大型の曳山です。重さは実に3トン! 見た目にも重厚感が漂っています。 頭の形から鶏をイメージしてしまいますが、鳳凰のモデルとなったのは雉のようです。 確かに首から下は雉のほうが近いですね。 船尾にいるのは獅子頭でしょうか。 宵山も同じルートを通るのですけど、左側の家の方たちはスーパーアリーナ席で観賞してますね~。 うらやましいです!(笑) 新町・1846年(弘化3年) 頭は龍、体は魚・・・いや、尾びれの向きからしてイルカとか鯨なのかな~? 天空を駆け巡る龍の動きを表すがごとく、とてもダイナミックな動きを見せてくれる曳山です。 本町・1847年(弘化4年) 先の2つに続く3体目の獅子です。 3体の中では一番大きく、一説によれば世界でも1、2を争う頭の大きさなのだとか! 名前の通り、顔全体の塗装には金箔が使われているのだそうです。 角と口元の形から、こちらは雌のようですね。 この曳山と対にあたるのが消失してしまった「黒獅子」とのこと。 黒獅子の図を見ると、角は1本で耳は垂れています。 ※参考HP 唐津くんちに来んね! すべてD70+DX18-70mm 次回は曳山紹介の後編です。
by sampo_katze
| 2006-11-27 20:30
| 九州
|
Comments(12)
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森の子
at 2006-11-27 23:02
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猫さんこんばんは。
たまに伺っていますがコメントは久しぶりです。 珍しいお祭り見せていただきありがとうございます。 私は余り人の多いところは苦手(疲れますので(^_^;))なのですが 地元の祭りには駆り出されます。参加するとそれなりに盛り上がるんですね。 人は祭りを通して一つになれます。そこが祭りのすばらしさだと思っております。 私の好みの曳山は赤い獅子です。
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at 2006-11-27 23:23
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
ちゃぁ~
何をどう間違ったか、唐津くんち、と見ると、 なぜだか「唐沢君ち(家)」と読んでしまいます。 誰??? しっかし曳山、すごいですねぇ。 何十年どころでない昔からあるんですねぇ。 写真的には前回とかの夜の方が迫力が増す気はしますが、 どちらにしろ、すごいっす。 なんだか猫さんのおかげで日本に詳しくなりそうです。l
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liu-yue at 2006-11-28 00:36
以前、某おーな~が本気で「唐津君」って誰?って聞いてました・・・。
いやぁ、私も勉強になるブログですねぇ(´I `*)(w 太陽を浴びた曳山もまたいいもんでしょ^^ DX18-70mmってので撮るとこうなるのか・・・よくわからんけど、かっこいい!
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dapon2005 at 2006-11-28 10:53
アカン、油断してたらもう4回目やないか・・・ 出遅れご免なさいm(_ _)m
なんとなく唐津くんちというと夜のイメージなので、第3回の写真たちのほうが 僕にはしっくりくるのですが、昼の曳山も見応えありますね。 細部までじっくりみたのはこれが初めてかも。 う~ん、どれもこれも良い仕事してますねぇ~。 旅写真家、かなり板についてきましたね♪
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sampo_katze at 2006-11-28 21:03
森の子さん、こんばんは♪
わたしも人込みは好きじゃないんですよ~。 でも、この素敵な曳山に会えるとなったらそんなこと気にならなかったです(^∇^*) すごくワクワクしてくるんですよね~♪ どこかに忘れていたものを見つけたような、素敵な時間を過ごせました。 それが「祭りのすばらしさ」なのでしょう(^^)v 赤獅子は唐津の駅前で、1年中出迎えてくれるんです。 由緒ただしい1番曳山ですからね!
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sampo_katze at 2006-11-28 21:06
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sampo_katze at 2006-11-28 21:10
Opさん、こんばんは♪
「唐沢君ち」って・・・σ(-_-; まぁ、確かに「○○君のお家」って意味に聞こえますけどね~・・・。 って誰だよ、それっ!?(爆) この曳山、江戸時代から脈々と受け継がれているんですよ。 びっくりですよね~。 しかも現役で動いているんですから、さらに驚き!! 迫力は宵ですが、鮮やかさでは昼といったところでしょうか。 輝きがちがいますからね~!
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sampo_katze at 2006-11-28 21:13
る~さん、こんばんは♪
「唐津君」って・・・・・・・・・・・(。xx)。 でも、誤変換で出てきそうなネタですね~(笑) この曳山について調べていくと、歴史の勉強になる気がしちゃうのは気のせいかな? それぞれ謂れがあって、なかなか面白いです(^^) 青空と曳山の組み合わせも最高♪ DX18-70がいいんではなくって、モデルがいいから・・・でしょ!?(笑)
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sampo_katze at 2006-11-28 21:18
ダポンさん、こんばんは♪
出遅れなんて気にしないでくださいね。 更新が早くなったり滞ったり・・・と、気まぐれなんですから~(^∇^; そうですね~。 くんちが中継されるのは、初日の宵山が多いでしょうから そのイメージが強くなると思います。 でも、曳山の美しさはやっぱり太陽の下が一番かな~! 普段は正面からしか見えないのが、全周から見られるのもこの3日間だけですしね♪ 旅写真家、ですか? でも「写真家」はわたしには使えないので「トラベル・フォトグラファー」でしょう。 実際には「トラブル・フォトグラファー」だったりして!?(自爆)
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sampo_katze at 2006-12-01 21:10
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