鉄道博物館編・第2回。
![]() 江戸末期、黒船来航にあたって詠まれる。 「泰平の眠りをさます上喜撰 たった四はいで夜も寝られず」 江戸時代の間続いていた鎖国は、ペリー率いる艦隊4隻(うち「蒸気船」は2隻だった)によってその幕を下ろします。 「上喜撰」とは緑茶の銘柄のことで、上等なお茶を4杯飲んだら(カフェインの効果で?)眠れなくなったというのと 突然4杯の蒸気船がやってきて対応に追われて夜も眠れないというのをかけています。 それから約20年後の1872年(明治5年)。 日本の鉄道も「蒸気」によってその幕を開けました。 旧暦(天保暦)の9月12日(グレゴリオ暦の10月14日)、新橋(後の汐留・現在は廃止)~横浜間で正式開業したのが始まりです。 実際にはそれより前の5月17日(グ暦6月12日)に品川~横浜(現在の桜木町)間が仮開業していたそうですが。 新橋~横浜間の所要時間は53分で、表定速度32.8km/h。 当時の感覚からするとそれこそ「あっという間」だったんでしょうね。 何しろ交通機関といえば「かご」や人力車だったんですから。 余談ですが、現在の新橋~桜木町間を京浜東北線だけで移動すると37分かかります。 もっとも途中の停車駅の数が多いですから、単純比較はできませんけどね(^^; 表紙の写真は、日本に最初にやってきた通称「1号蒸気機関車」。 鉄道開業にあたっては5形式10両の機関車がイギリスに発注されましたが、 この車両は日本に到着したのが一番早かったのでトップナンバーの「1」が付記されたんだそう。 動輪が2軸のこじんまりとした車体です(^^) 日本の鉄道開業 国鉄150形蒸気機関車 いずれも@Wiki ![]() 製造番号は「614号」ですが、特定の機種名のようなものはないようですね。 ![]() リンク(鎖)とフックがついていて、まず機関車側のねじ付きリンクを客車のフックにかけてねじで調節。 その後客車側のリンクを機関車のフックにかけて完了です。 この機構だけではフック同士が衝突してしまうので、両側にバッファーがついています。 現在の日本では自動連結器がほとんどで、このタイプはまず見られませんね。 ![]() 左から上等(一等)用、中等(二等)、下等(三等)の順で、当然ですが下に並んでいるのが実物大です(^^; イギリスのトーマス・エドモンソンが考案した硬券(ボール紙のように厚みのある切符)で 印刷機や紙もイギリスから輸入したもの。 自動券売機が主流となった今では、硬券は普段はほとんど見かけなくなりましたが 記念切符などでたまに登場することがありますね。 ![]() 1882年(明治14年)に、1号機関車と同じくイギリスから輸入されました。 製造は1881年「マニング・ワードル社」で、製造番号は「815」。 日本鉄道の上野~熊谷間の建設工事に使用するため、埼玉県川口市の荒川河川敷から陸揚げされましたが その際、輸送に使った「はしけ」が重さに耐え切れずに沈没!(えぇーーーっ!?? ) 現場近くには善光寺があり、そこの檀家たちが総出で機関車を川から引き揚げたんだとか。 場所は(移転などがなければ)現在の宇都宮線・京浜東北線の荒川橋梁の東にあたります。 そんな由縁から「善光号」と呼ばれるようになったんだそうです。 ボイラー(円筒部分)の上に乗っている四角い箱は水タンクです。 1号機関車はボイラーの両サイドについていますが、1290形ではボイラーをまたぐような形でついているんですね。 国鉄1290形蒸気機関車 ![]() 給水管なのか蒸気管なのかはわかりませんが、結構大胆な通り方をしていますね~(^^; ![]() というのも、動力を伝えるシリンダー機構が外側ではなく台枠の内側につけられているから。 「インサイドシリンダー」という機構で、構造がやや複雑でメンテナンスも場所が場所だけに大変ですが 小型化しやすく振動も少ないというメリットがあります。 蒸気機関車@Wiki ※シリンダーと動輪の動きをアニメーションで紹介してあります。 ![]() 先の2両がイギリス製だったのに対し、こちらはアメリカはピッツバーグのH・K・ポーター社製。 1880年(明治12年)に最初の2両が輸入され、義経・弁慶と命名されました。 その後1889年(明治21年)までに6両を輸入し、合計8両の布陣になっています。 石炭と水を別の車両(炭水車)に積み込む「テンダー式」になったことで長距離運行が可能に。 大きな煙突とヘッドライト、先端のカウキャッチャー、ボイラーの上にあるベルなど 西部劇に出てきてもおかしくない姿ですね(^^) 国鉄7100形蒸気機関車@Wiki ![]() 展示品の中にはこんなものもありました(^^ゞ ![]() 1912年(大正元年)、ドイツのヘンシェル&ゾーン社の製造。 正面から見た写真しかないので特徴が伝わりませんが、シリンダーが2組というちょっと変わった構造をしています。 側面がカットされていて内部の構造が見られたり、動輪やピストンの動きを観察することができるようになっています。 高価な上に構造が複雑だったこともあってか、合計54両が輸入されましたが1933年(昭和8年)には全廃と非常に短命。 国産蒸気機関車の9600形(貨物用・1913年~)や8620形(旅客用・1914年~)が書力となっていきます。 国鉄9750型蒸気機関車@Wiki ![]() その先陣を切ったのがこの「C51形蒸気機関車」です。 この形になると、ようやく「日本の蒸気機関車」というイメージにあってきますね(^^) 1919年(大正8年)に初登場、常用最高速度を100km/hに設定して開発されています。 動輪の直径は1,750mmで当時は世界最大、のちの大型旅客用蒸気機関車の基準ともなりました。 超特急「燕」の牽引機として東京~名古屋間をノンストップ(!)で駆け抜けていたこともあります。 これは1930年(昭和5年)10月の運転開始から1932年(同7年)3月まで続けられました。 当然、途中の乗務員(機関士・機関助士)交代も走行中に行うことになるわけですが 先頭車両の交代要員が客車側から給水用水槽車・炭水車に走行中によじ登り 機関車まで移動するという離れ業をやっていたんだそう。 よくもまぁ事故がおきなかったものですね(汗) 国鉄C51形蒸気機関車 つばめ(列車) いずれも@Wiki ![]() 速度の高さもさることながら信頼性も抜群に高かったようです。 柵があるのでやや見づらいんですけどね(^^; ![]() そんなイメージにしてみました。 ![]() ヒストリーゾーンのど真ん中にある転車台に乗っています。 当然自前の蒸気ではありませんが、模擬的に汽笛を鳴らすこともできるようになっています。 国鉄C57形蒸気機関車@Wiki ![]() このイベントのときに汽笛が鳴らされるんですが、館外まで聞こえるほどの大きな音が出るんですよ! 蒸気機関車の魅力は停止しているときも蒸気を吹き出し、あたかも呼吸をしているように感じられるところ。 黒い鉄の塊なんだけど、どこか人間くさい感じがいいんですよね☆ てっぱくの次は、ぜひ本物の「動いている」蒸気機関車も体験してほしいものです。 5、8枚目 D700+AiAF20mmF2.8D 14、15枚目 D700+AiAF35mmF2D ほかはすべて D700+AiAF28-105mmF3.5-4.5D
by sampo_katze
| 2009-09-16 19:20
| 博物館・美術館
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