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ナローゲージの足跡をたどる
秋の大遠征PartⅡ 自転車でめぐる岡山編・第5回。


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「ここからスタート」


11月11日。
今日もいい天気になりそうです(^^)
岡山はこの日で3日目、山陰路から数えると6日目。
こんなに長い遠征はほんと久しぶり。
また3日連続で自転車で走るともなれば、自転車部だったころ以来ですから約15年ぶりです!


1日目は平野を、2日目は山間の道を走ったので、今回は海!
ということで「下津井電鉄」の路線跡を使った自転車道を走ります。
この道はJR「瀬戸大橋線」「茶屋町駅」から海沿いにある「下津井」までのコース。
「下津井電鉄」は1972年(昭和47年)と1991年(平成3年)の2回に分けて路線廃止されていますが、
路線跡はいずれも倉敷市に払い下げられ、その翌年には「自転車道として」整備が始まっていました。
40年近く前から自転車道として使われていたというのはビックリですね。
当時も今みたいな自転車ブームとかがあったんですかね?


表紙の写真は、自転車道への分岐点です。
「茶屋町駅」前のロータリーを左に進み、道が線路に沿う直前に伸びる細い道がそれ。
特に看板などもないので、知らないと見過ごしてしまいそうです(^^;
この先にもちょっと迷うポイントが点在しているので、地図を事前に準備して走るのがいいかもしれません。
わたしも4か所ほど間違えてます。
地図を持っていたにも関わらず・・・・・( ̄Д ̄;
少々簡略化された地図だったとはいえ、間違えすぎですね~(苦笑)


下津井電鉄@Wiki


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この道の正式名称は「茶屋児島自転車道1号線」
道幅がやや狭いです。
自転車専用ではないので歩行者との接触には要注意ですね。
路面状況も少しデコボコしているところが多い感じがします。
まぁこの道は景色を楽しみながらのんびり走るような道だからこれでいいのかも?

途中、畑や住宅街の中を通り抜けたりするだけかと思いきや「瀬戸中央自動車道」「水島IC」のすぐ脇を通ったり、
「福林湖」(ふくばやしこ?)まではちょっと上ったりなんかして、意外と変化に富んでいて飽きません(^^)


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「茶屋町」から約10kmのところ。
気持ちよく走っていると途中で道がプッツリと途切れるところがあります。
それが「岡山県道276号線」との合流地点で、迷い道ポイントの1つ。
ここからは県道沿いに左に折れて「稗田南交差点」まで進むのですが、自転車道はその交差点から少し戻ったところにあります。


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「稗田」付近で迷走するの図(実走の跡・苦笑)。
県道沿いに南下し「稗田南」の交差点を間違って右折したのが失敗!
そのまま知らずに走っていたら、結構車どおりの多い道を走る羽目になるところでした(汗)


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で、正規ルートに戻って少し進むと「稗田駅」(ひえだ)のホームに着きます。
駅名標の下には「下津井電鉄」の由来が書かれていました。
沿道には駅舎などはさすがにありませんが、ホームは駅名標がほとんど残っていますよ。


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「稗田」を出ると桜のトンネルが続きます。
さすがに11月半ばなので花は咲いてませんが(^^;
でもこれが満開になったらさぞかしすごい眺めになるんでしょうね。
もっとも人波もものすごくなりそうですが(笑)


「稗田十字路」から「大正橋」までの約4kmの区間は「花の風あいさつロード」と名づけられています。
その途中にある「下電柳田駅」に案内マップがありました。
その中でわたしの目を引いたのが「酒呑地蔵」の文字。
自転車道から少し外れたところにありますが、それほど遠くないので行ってみることに。


「〇児島百番霊場の西国第五番弥陀庵の北隣に地蔵堂がある。
 〇堂内に石像が二体。右の石像が弘法大師の座像、左が地蔵菩薩。
  この左の地蔵は、酒呑み地蔵(別名は与平地蔵)とされ、節酒、禁酒にご利益があるとして、
  「酒断ち」を願う本人・家族らが酒を供えに訪れる。
  近年、受験シーズンには酒を携えた合格祈願の人々が絶え間なく訪れ、賑わいを見せています。」

※案内マップより引用


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こちらが「酒呑地蔵尊」。
「くらしき百景」の99番目なんだそう。

向かって右の石像には札がかけられています。
そこには
「◎封を切らずにお供え下さい。
 お地蔵様にお酒を掛けないで下さい。」

の文字が。
このおかげでてっきりこちらが「酒呑地蔵」かと!( ̄Д ̄;
この記事を書くまでぜんぜん気づきませんでした(大汗)


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続いて「旧野崎家住宅」へ。
こちらは表玄関の「長屋門」です。
なお、この周辺は「児島ジーンズストリート」にもなっています。

「野崎家は、製塩業と新田開発で財をなした野崎武左衛門がその気宇に合わせて天保から嘉永年間に次々と築いていった民家である。
 敷地面積は約三〇〇〇坪・建物延床面積は、一〇〇〇坪近くある。
  武左衛門は、文政一〇年(一八二七年)から文久三年(一八六三年)にかけて、
 野崎浜(現在の児島駅附近)、日比亀浜、東野崎浜、久々井浜、など終生一六一ヘクタールの入浜式塩田を開発した。
  その間、岡山藩の命によって、福田新田六五二ヘクタールの大干拓事業も完成させた。
 その謹功により、嘉永六年(一八五三年)に大庄屋に取り立てられた。
  武左衛門の全盛期に次々と建てられた建物は、創建当時の建築技術の粋をこらしたもので、
 独特な平面の主屋、意匠に優れた表書院など庭園と共にそのまま今日に伝えられており、
 雄大な規模を有する当時の大事業家の居宅として貴重である。」

※案内看板より引用


野崎家塩業歴史館


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入口を入ると蔵がズラッと並んでいて圧倒されます。
これらは明治時代に移築されたものだそうで、内部が資料館になっていました。


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こちらは「表書院」
貴賓の応接に使われていたんだそう。
左手には「水琴窟」があり、澄んだ音色を楽しむことができます。


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残念ながら中には入れないので庭から室内を拝見。
たくさんの部屋が並んでいて、なんだか畳敷きの迷路をのぞいているような気分になります(^^;


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「表書院」の裏手にあるのが居間にあたる「中座敷」
正面からのぞいてみるとこんな感じ。
奥行きがなが~い!!
一番奥の「向座敷」までの距離は23間、なんと約42mもあるんだとか!


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一番奥は石垣があります。
造られたのは明治後期から大正にかけてで比較的新しいんですね。
その石垣の中にはこんな奇妙な形のものが1つ。


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石垣全体はこんな感じで優美な曲面を描いているんですね。
高さは12m、長さは50mもあります!(凄)


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敷地の奥のほうへ。
ここは炊事場だったところ。
かまどにセットされた釜や鍋、そのほか食器や食品関連の道具などが展示されていました。


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一見暖炉のようにも見えますが、実はこれ風呂釜。
ここで薪かな?と燃やしてこの裏にある浴槽のお湯を沸かしていたんですね。
風呂場は暗くて写せなかったので省略(笑)


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資料館の中にある古い時計。
ちゃんと現役で、正確な時刻を示していました。
もっとも見た目はレトロですけど、中は新しいものだったりして(^^;


すべて D700+VR24-120mmF4G


次回は最終回、瀬戸大橋のたもとを目指して走ります。
by sampo_katze | 2010-12-27 20:40 | Brompton+西日本 | Comments(0)


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