東京都庭園美術館探訪編・第3回
![]() 今回は「庭園美術館」の2階です。 1階が「大広間」、「大客室」、「大食堂」などお客様をお迎えするパブリックスペースであるのに対し 2階は「居間」や「寝室」などの私室が並びます。 比較的小さな部屋が多いですが、部屋ごとに異なる趣を楽しむことができます。 表紙の写真は、この建物の航空写真です。 1941年ごろに撮影されたものなんだそう。 広大な敷地が広がっているのがわかりますね。 blogram ランキング参加中!よろしければクリックをお願いします。 ![]() デザイン重視のためか手すりがないので、上るのにはちょっと注意が必要です。 2階には次のような説明がありました。 つい「アンリ・ラパン」や「ルネ・ラリック」ばかりに気が行ってしまいますが、 実は多くの日本人も携わっていたんですね。 「朝香宮邸建設に携わった人々 宮内省内匠寮工務課 朝香宮邸の設計・監理は宮内省内匠寮工務課建築科が行いました。 内匠寮とは、宮廷建築は庭園・土木に関する事務を遂行したところで、伝統的に優秀な人材を有していました。 内匠領が手がけた主な建築物は、現存するもので赤坂離宮(現迎賓館)、東京国立博物館などが挙げられます。 朝香宮邸の全体計画、配置、平面、立体など基本設計を担当したのは建築科技師、権藤要吉でした。 権藤要吉(明治28年~昭和45年)は、大正5年、名古屋高等工業学校建築科卒業、住友総本店工作部を経て大正10年宮内省内匠寮に移りました。 大正14年から15年まで貴族住宅の視察のため欧米諸国を周り、近代建築、デザインの数々を熱心に研究しました。 アール・デコ博覧会へ幾度も足をはこびこんだことが日記に記されています。 帰国後、朝香宮邸の他、李王邸(現赤坂プリンスホテル)、高松宮御殿(光輪閣)などを手がけました。 一階の主要部分の室内装飾はフランス人デザイナー、アンリ・ラパンの手によるものですが、 二階の室内装飾は内匠寮技師と朝香宮家の方々によって作り出された、日本のアール・デコ様式です。 照明や家具デザインは内匠寮技手の水谷正雄が、ラジエーター・カバーのデザインは同じく義手の大賀隆が担当しました。 妃殿下も自室のラジエーター・カバーをデザインするなど積極的に関わりました。 また、壁紙やカーテンは、妃殿下を中心に各々が好きな柄を選ばれたということです。」 ※説明板より引用 以下「」内の説明も同様 ![]() これは「若宮」の合の間。 照明の吊り金具はリングをつなげたような意匠になっています。 「若宮寝室・合の間・若宮居間 建物2階東側の約3分の2を占めるのが若宮寝室・合の間・若宮居間の3室です。 北東の角に位置し2面採光の開放的空間を持つ若宮寝室、 白漆喰のヴォールト天井と渋い漆喰壁のコントラストが和洋混合の面白さを持つ合の間、 正面玄関の屋根をベランダとし、大理石の暖炉を持つ若宮居間。 各部屋とも天井の白と木部の茶の対比が印象的です。 1階の照明はラリックなどの製作によるフランスからの輸入品、2階の各部屋の照明は宮内省内匠寮のデザインによる国産品です。 各部屋ごとに意匠が凝らされた照明器具も朝香宮邸の見所のひとつといえましょう。 (設計、宮内省内匠寮)」 ![]() ステンドグラスを使用していますね。 ![]() 「殿下寝室・浴室・ベランダ 日当たりの良い2階南側に位置するベランダは、殿下寝室、殿下居間、浴室、妃殿下寝室、妃殿下居間と面しています。 イタリア産の黒と白の大理石と鋭角的な照明によりシンプルでモダンな空間となっています。 殿下寝室は居間や書斎と比べると装飾は控えられ、寝室にふさわしい落ち着いた雰囲気をもっています。 浴室は殿下寝室と妃殿下寝室の間に位置しています。 朝香宮邸にはこの他に家族用に2つの浴室があります。 (設計、宮内省内匠寮)」 ![]() 窓の向こうはベランダになっています。 中には入れないので扉の外から。 ![]() 内装は妃殿下自身が考えられたデザインも取り入れられています。 「妃殿下寝室 妃殿下自身がデザインされたラジエーター・カバー、楕円形の鏡の付いた白いドア、 布シェード付きの上下に移動のできる照明等、女性の部屋らしい雰囲気に溢れています。 妃殿下は芸術に対して造詣が深く、自らラジエーター・カバーのスケッチを描いたり、 壁紙の選択を行うなど、この建築の設計に積極的に参加されました。 (設計、宮内省内匠寮)」 ![]() ここを開けると廊下でその先の左手が「妃殿下居間」、右手は階下への階段となっています。 寝室を出られる前に身だしなみをチェックされていたのでしょうか。 ![]() ここの照明は丸い球体が並んでいますが、これはゴルフボールをデザインされたものなんだとか。 この写真ではわかりませんが、確かに表面にはディンプルのようなくぼみがつけられていましたね。 「妃殿下居間 やや浅めのヴォールト天井に取り付けられた5つのボール状の照明は、 各部屋ごとの意匠を凝らした照明デザインの中でも特に際立っています。 南と西側に開口部をもち、庭を望む南面には半円形のバルコニーを備え持っています。 美しい色調の大理石や一枚ものの大きな鏡、実用的な作り付けの棚や開き戸など、 すみずみに妃殿下の趣味趣向がうかがえます。 (設計、宮内省内匠寮)」 ![]() 残念ながら外に出ることはできません。 ![]() 金庫のようなものが柵の向こうに置かれていました。 これが何かは説明がないのでよくわかりません(^^; ![]() ガラス張りの温室なので、日差しが強いと室内はかなり暑くなります。 この日も壁に設置されているクーラーから冷風が送られていました。 そうでなければ蒸し風呂になっちゃいますからね!(笑) 「ウィンターガーデン 木材を多用した他の室内とは異なり、「ウィンターガーデン」には、漆喰(しっくい)と石材、そして金属とガラスが用いられています。 設計は宮内省内匠寮(たくみりょう)が行いました。 天井と壁は、2003(平成15)年に行われた修復により、塗り直しを行い、白さを蘇らせました。 大理石と、窓枠、蛇口、排水蓋などの金属部は、研磨を行った結果、竣工当時の微妙なフォルムを取りもどしています。 照明器具は、『朝香宮邸新築工事録』(宮内庁書陵部蔵)の図面に基づき、正確な復元を行いました。 部屋に入ってすぐ右側にある箱状のものは、植物を入れるためのものです。 「ウィンターガーデン(冬園)」とは、冬でも植物を管理できる庭のことで、この部屋は2階の「北の間」に対する「温室」として設計されたものでした。 天井高のある宮廷は冬にとても寒かったといわれますが、「ウィンターガーデン」にも、竣工後に改めてヒーターが取り付けられています。 この部屋は、鳩彦(やすひこ)殿下が購入したマルセル・ブロイヤー(1902-81)による鋼管製の家具が置かれていました。 現在は当時使用されていたものが所在不明なため、マルト・スタム(1899-1986)のデザインを含む、現行品による展示を行っています。」 すべて D700+24-120mmF4G/VR 次回は最終回、1階の大食堂です。
by sampo_katze
| 2011-11-13 21:00
| 博物館・美術館
|
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