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和時計と鉱物・化石
サンシャイン水族館&国立科学博物館編・第7回


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「明治時代の天体望遠鏡」


「国立科学博物館」には大きく分けて「日本館」「地球館」の2つの建物があります。
今回の訪問では入館したのが15時過ぎと遅かったため、「日本館」しか見ることができませんでした。
「地球館」は地上3階、地下3階とスペースがかなり広いようでしたし(^^;

ちなみに「日本館」は地上3階。
中央に吹き抜けのあるホールがあり、その左右(南北)に展示室が分かれていて全部で6エリアあります。
前回は「企画展」からの動物つながりで2階の展示を先に載せましたが、今回はまた1階に戻ります。


表紙の写真は、1階南翼側にある展示室「自然をみる技」の入口に鎮座する天体望遠鏡です。
使われている素材のおかげか、ものすごい重厚感があります。
明治に導入されて「長年の間用いられた」とありますが、いつ頃まで使われていたんでしょうね。

「トロートン天体望遠鏡
 トロートン・アンド・シムス社製 口径20cm 重要文化財
 1880(明治13)年、明治新政府によって当時の内務省地理局に、新たな観測用望遠鏡がイギリスから輸入・導入された。
 それが、このトロートン社製口径20cmの屈折赤道儀である。
 天体観測および暦の編さんが文部省の所管に移ったことに伴いこの赤道儀も東京天文台(後の国立天文台)に移され、
 長年の間、天体観測と天文教育に用いられた。
 鏡筒(きょうとう)と架台は鋳鉄(ちゅうてつ)製で、稼動部分は真鍮を用いている。」

※説明板より引用、以下同じ


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写真はありませんが、このフロアには江戸時代に作られた様々な「地球儀」「天球儀」が展示されています。
当時からそのようなものがあったんですね。


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様々な「和時計」も。
これは大きなサイズの「太鼓時計」で、「鳩時計」の太鼓版といったところでしょうか。
本体に「ニワトリ」が乗っているのは日本らしいですね。

製作者の「田中久重」「東洋のエジソン」「からくり儀右衛門」とも呼ばれた発明家。
「東芝」の前身となる「田中製造所」を立ち上げた人でもあります。

「太鼓時計
 中央円盤に画かれた竜の持つ剣が指針で、各時刻に太鼓が打ち鳴らされる。
 太鼓は1793(寛政5)年京都で製作されたもので、それを利用して田中久重(ひさしげ)が時計機械を組み込み太鼓時計としたが、
 機械は失われている。

 下は内蔵されている二挺(にちょう)てんぷ時計機械。
 機械の裏に津田助左衛門の銘がある。」



田中久重@Wiki


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たくさん並んでいるのは「印籠時計」
ここの時計には説明がついていましたが、全般的な説明はありませんでした(あるいは見落とし?)。
「懐中時計」「印籠」に組み込んだという感じでしょうか。

よく見てなかったんですが、ひもの先には「根付」(ねつけ)がつけられているようですね。
「根付」は現代の「ケータイ」などに使われる「ストラップ」に通じるとも言われています。
となるとこの「印籠時計」は当時の最新携帯機器といったところでしょうか。


根付@Wiki


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3階に上がります。
小部屋に入ると、膨大な数の鉱物が陳列されていました。
見た目からしてそのまんま岩石といったものから、宝石の原石のような美しいものまで様々。
時間がないのでざっと見ただけですが、こんなにたくさんあるとそれだけで圧倒されてしまいます。
しかもこれが個人でのコレクションなんですから!

「櫻井コレクション
 この部屋は、日本の主な鉱物を櫻井鉱物コレクションを中心に展示している。
 櫻井金一博士は1912(明治45)年に生まれ、家業の料亭『ぼたん』の経営のかたわら、ほとんど独学で鉱物学を修めながら
 標本と情報の収集に努力した。
 その一部は1947(昭和22)年に『日本鉱物誌第三版(上)』として東京大学鉱物学教室伊藤貞一(いとうていいち)教授との共著として公表された。
 国立科学博物館の前身である東京科学博物館の嘱託となったこともあり、新鉱物「湯河原沸石」(ゆがわらふっせき)などの記載に貢献した。
 1964(昭和39)年、紫綬褒章(しじゅほうしょう)を授与された。
 櫻井鉱物コレクションは、櫻井欽一博士が収集した日本最大の個人コレクションで、博士が亡くなられた翌年の1994(平成6)年、
 国立科学博物館に寄贈された。」



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北翼の展示エリアに入ると大きな「首長竜」の化石(模型かな?)が出迎えてくれます。
これは日本で発見された「フタバスズキリュウ」の骨格です。
でも「首長竜」と「恐竜」が別物とは知らなかった・・・・・。
なんせ昔見た「恐竜図鑑」の記憶がそのまま残ってるものですからね(^^;

「フタバスズキリュウとは?
 1968年、高校生(当時)の鈴木直(ただし)氏が福島県いわき市の大久川(おおひさがわ)で
 海生爬虫類(かいせいはちゅうるい)である首長竜(くびながりゅう)の化石を発見した。
 標本のクリーニングなどに長い時間を要したが、その後の研究で
 頭骨(とうこつ)、胸部、ひれに既存の種には見られない特徴があることが確認された。
 そこで、首長竜の新属新種 Futabasaurus suzukii という学名を提唱する記載論文が
 2006年5月19日発行の英国古生物学会誌に発表された。」


「首長竜は恐竜ではない
 首長竜(長頸竜類(ちょうけいりゅうるい)、プレシオサウルス類などとも呼ばれる)は、約2億年前から6500万年前の
 ジュラ紀と白亜紀(はくあき)に棲息した、主に海生の爬虫類である。
 同時代に生息した恐竜とよく間違えられるが、頭骨や手足の構造などが違っており、恐竜ではない。
 現在の爬虫類には、トカゲ・ヘビなどの有鱗類(ゆうりんるい)と、鳥・ワニなどを含む主竜類の二大系統があるが、
 首長竜はトカゲなどの有鱗類に近いのではないかと考えられている。」



フタバスズキリュウ@Wiki


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その下にあるのは「フタバスズキリュウ産状」
要するに発見されたときの様子を復元したものですね。

「フタバスズキリュウ産状
 展示されているフタバスズキリュウは、環太平洋地域でも有数の、良好な首長竜化石である。
 ほぼ1体分の化石が仰向けになった状態で発見されたが、化石が発見されたときには川の流れによって、
 尾と後頭部などが侵食されて失われていた。
 また、長い首が付け根付近で切断され、首の大部分も侵食などによって失われたのではないかと考えられる。」



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奥には「アンモナイトの海」のコーナーがあります。
「恐竜図鑑」などにも載っていて、現存しないものの結構なじみ深い生物ですね。
でもここにはちょっと変わった形の「アンモナイト」が展示されていました。

「アンモナイトの海
 北海道の中央部には、砂岩(さがん)や泥岩(でいがん)を主体とする白亜紀の地層(蝦夷層群・えぞそうぐん)が分布する。
 これは大陸と海溝の間の盆地状になった部分で形成されたもので、アンモナイトを多産する。
 1mを超える巨大なものやニッポニテスを含む異常巻きアンモナイトなど、これまでに500種以上が見つかっている。
 白亜紀、大陸の近海はアンモナイトの格好の生息域であった。」



アンモナイト@Wiki


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こちらはらせんを描くような形。
縦長の「巻貝」の殻を引き伸ばしたような感じですね。


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そして1m近い巨大なものまで!
発見者の「川下由太郎」(かわしたよしたろう)氏による発掘時の様子が紹介されてましたが、
相当大変だったようですね(^^;

「パキデスモセラス
 大夕張産出の大物 一九七六(昭和五十一)年十月(晴)
 大夕張鹿島支流で、直径約八十センチメートルの大型アンモナイトが、小沢(こざわ)の水の流れを止めていた。
 見たところ、プゾシア類である。
 何とか割らないで運び出そうと考え、仲間に頼んで、タイヤを転がすように、三人で少しずつ移動させ、
 ようやく五日目で本流まで転がしてきた。
 本流は水が多く、なかなか思うようにいかず、アンモナイトと一緒に何度も転んだ。
 ライトバンに積んで運ぶ途中でも、パンクするなど最後のさいごまで苦労した。」



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最後は同じく巨大な「アンモナイト」。
でもこちらは表面が白っぽくてとてもきれいです☆
「川下氏」の記述では「虹色の最大級アンモナイト」とあり、重さはなんと250kg以上はあるとのこと!
直径も約1mとのことですから相当な大物です。
全部が全部この大きさにだったとは思えませんが、その頃はかなり豊かな海だったんでしょうね。


すべて D700+24-120mmF4G/VR


次回は最終回、博物館の内装を中心に見ていきます。
by sampo_katze | 2012-03-27 21:00 | 博物館・美術館 | Comments(0)


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