渋沢栄一とレンガのまち深谷編・第4回
「渋沢栄一」が生まれたのは「深谷市血洗島」(ちあらいじま)というところです。 ここには生まれ育った家「中の家」(なかんち)があります。 それにしてもなんともすごい地名ですよね。 由来は次の通りで、諸説あるようです。 「血洗島の由来 「血洗島」、誰もがこの地名には驚くことと思います。 江戸時代の文献には「血洗島村」という村の名前とて見ることができますが、 何時からこの場所がこう呼ばれるようになったのかについては、はっきりしていません。 「〇〇島」という地名は深谷市内でも多く見られ、利根川の氾濫(はんらん)によって形成された自然堤防の上や、 島のようにわずかに高まった土地の名前に付けられていることがわかっています。 肝心の「血洗」の由来ですが、荒地を表す「地荒れ」や、常に川の水に洗われる土地を表す「地洗れ」(ちあれ)が変化したとも アイヌ語で「下」、「終」、「端」を意味する「ケシ」が「下の外れの島」を意味する「ケセン」に変化したとも言われ、 これに「血洗」の文字が当てられたとされる説があるようです。 「血洗」の文字の由来としては、昔、日光の神と赤城の神が戦ったとき、腕を切られた赤城の神がその傷を洗った場所であるとか、 八幡太郎義家(はちまんたろうよしいえ・源義家)、或いはその家来が戦場で腕を切り落とされ、その傷を洗った場所であるとか といった伝承が残されています。 いまのところこれといった定説が無く、その由来についてははっきりしたことはわかっていません。」 ※説明板より引用、以下同じ 平らなところなのに地名に島とあるのは何でだろう?と思ってたんですが、小高いところをそう呼んでいたんですね。 平地部分を海に見立てると確かに島が浮かんでいるように見えますし。 表紙の写真は、「深谷市大寄公民館」(おおより)の敷地にある「誠之堂」(せいしどう・左)と「清風亭」(せいふうてい)です。 「誠之堂」は「渋沢栄一」の喜寿の記念で1916年(大正5年)に、 「清風亭」は「第一銀行頭取」の「佐々木勇之助」の古希の記念で1926年(大正15年)に、 いずれも「第一銀行」の行員たちが出資して建てられたものだそう。 ちなみに「渋沢栄一」は初代の頭取です。 誠之堂@Weblio辞書 清風亭@さいたまなび blogram ランキング参加中!よろしければクリックをお願いします。 その建物の右手にはレンガでできた神輿がありました。 でも等身がなんだか変な感じがしませんか?(^^; このほとりには大きな「青淵由来之跡」の碑が立っていました。 「青淵池 青々とした深い淵があったことから名づけられ、渋沢栄一翁の雅号「青淵」の由来となった池です」 ただ、今あるのは復元されたもののようです。 隅のほうでポンプをつかって水を出しているようなのがあって、なんだか不自然だなと思ったんですが(^^; でも、かつてはこんこんと水が湧き出していたのかもしれませんね。 「青淵(せいえん)の由来 「青淵」とは、渋沢栄一が用いた雅号(がごう:本名以外で、書画、俳諧(はいかい)、茶道などの 場において用いる名前)です。 栄一が筆をとった書などにその名が記されているのを見ることができます。 「中の家」(なかんち)の裏にあった「上の淵」(かみのふち)と呼ばれる池の美しさにちなんで 「青淵」の名が生まれたと言われています。 現在、池の水は枯れてしまい、当時の姿は失われてしまいましたが、そのほとりには 「青淵由来之址」の記念碑が建立され、そのことを語り伝えています。」 でもそのおかげで道端にたたずむ「恵比寿」と「大黒天」の石像に出会えました。 傍らにはそれぞれ 「大正元年十二月 大黒天 小林栄次郎建」 「大正十三年十二月 庚申 小林徳三郎建之」 と刻まれた石碑があります。 大正元年は1912年なので、今年でちょうど100年。 なのに屋外にずっと置かれていたものとしてはちょっと美しすぎるような気がするんですが・・・・・(^^; さて、あらためて地図を見直すと裏手を通り過ぎていたようです。。 「青淵池」の南辺りに目的の「渋沢栄一生家」はあるんですね。 こちらは塀の外に建つ「副屋」(ふくや)という建物。 「旧渋沢邸 「中の家」 旧渋沢邸「中の家」に残る現在の建物は、主屋、副屋、4つの土蔵、門、塀から構成されます。 明治時代の埼玉県北部の豪農の屋敷として貴重な歴史遺産です。 渋沢栄一翁も天保11年(1840)にこの地で誕生しました。」 「副屋 上棟:明治44年 構造:寄棟造平屋建 桟瓦葺 規模:19.8坪 特徴:藍玉の取引の「お店」として使われた。 また、八基村農業協同組合が設立された折には、当初の事務所として使用された。」 屋根の部分がかなり大きく見えますね。 門の近くだけ下半分が木塀ですが、ほとんどがレンガ積みになっています。 いかにも豪農の家といった感じの建物ですね。 「若き日の栄一 Eiichi in Paris 1867」とあります。 これは1867年の「パリ万国博覧会」に派遣された使節団の一員だったときのものですね。 屋根が高くなっていて2階の上に屋根裏部屋があったようですね。 「主屋(おもや) 上棟:明治28年 渋沢栄一翁の妹夫妻による 構造:切妻造二階建 桟瓦葺 規模:85.0坪 特徴:養蚕農家特有の天窓(テンソウ、ケブダシ)を持つ。」 ※ケブダシ=煙出し、か 上棟は江戸末期から明治初期(1853~1870)の間で、中の構造などから「米蔵」として 建てられたものと推定されるとのこと。 木に隠れた左側は後年に増築されたもののようですが、いつできたのかはわかりません。 2階の窓の部分もガラスとサッシに造りかえられてますね。 でも先の「東日本大震災」の影響で建物の一部に損害が発生したため、常時営業が困難になったとのこと。 こちらも立派な建物なのですが、復旧は難しいのかな・・・・・。 1枚目 D700+VR70-300mmF4.5-5.6G ほかはすべて D700+24-120mmF4G/VR 次回は最終回、市の南部を走ります。
by sampo_katze
| 2012-04-06 23:15
| with Brompton
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