地球の多様な生き物たち~Ⅱ:陸上生物の多様性
国立科学博物館・地球館を訪ねよう!編・第2回


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「特殊環境に適応した根」


1階の「地球の多様な生き物たち」のフロア、2つ目のエリアは「陸上生物の多様性」です。
「地球」の表面積で比較すると「海洋」と「陸上」は7:3、最深・最高地点を比べるとそれぞれ約

単純に考えると、生き物が存在するエリアは「海洋」のほうが広大といえるでしょう。

ですが「陸上」は高温湿潤の「熱帯雨林」、高温超乾燥の「砂漠」、低温で空気も薄い「高山」
氷の閉ざされる「北極」「南極」などなど、実に様々な環境が存在します。
もちろんそんな極限の環境ばかりではありませんが。
でも生き物たちは生息環境に合わせて体のしくみなどを変えてきました。
このエリアではその一端について触れることができます。


表紙の写真は、「マングローブ林」を構成する樹木の一種「オヒルギ」の根の断面です。
「マングローブ林」は淡水と海水が混ざり合う「汽水域」に形成されます。
塩分を含んだ水ですと通常の植物は枯れてしまいますが、これらの種はそこで生育できるような進化を遂げました。
ほかの種との生存競争を避けた結果なのかもしれません。

「夢の島熱帯植物園」でも「食虫植物」が同様な進化をしてきたという説明がありました。
これらの植物は栄養の少ない不毛の地を生息地としています。

「汽水域での生活を可能にしたのは、塩分を濾過する特殊な根のしくみ。

 マングローブ林のヒルギ類の根は、その内部に発達したコルク層をもっている。
 コルク層はスポンジ状で空気を蓄える機能を果たしているが、すきまが多いため崩れやすい。
 海水から塩分を濾過するのはこのコルク層であるといわれている。」

※説明文より引用、以下同じ


「夢の島熱帯植物園」で見た「食虫植物」はこちら
2008年5月26日の記事 生き抜くための進化


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続いて「熱帯雨林」のエリア。
世界最大の花を咲かせる「ラフレシア」(模型)です。
そのあまりの大きさゆえか、開花期間はとても短いんだそう。
強烈な悪臭を放つことでも知られますが、これは短期間のうちに受粉させるための戦略なんですね。
「寄生植物」で葉も茎も持たないというのは意外でしたが。

「熱帯に咲く地上最大の花、ラフレシア。
 その特異なメカニズムは、昆虫と共に生きるための戦略。

 ラフレシアは、ミツバカズラ属(ブドウ科)のつるや根に寄生するラフレシア科植物の総称で、
 東南アジアに十数種知られている。
 花が大きいだけでなく、茎も葉もないという特異な形態をもつ。」


ラフレシア@Wiki


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「アカエリトリバネアゲハ」のオスの集団。
首元の赤い部分が名前の由来で、鮮やかな緑色を持つのがオスです。
これは集団で吸水しているところを再現したもののよう。
この行動は体温調整のためかと思っていたんですが、オスだけに見られるそうなのでちょっとちがうみたい?

アカエリトリバネアゲハ@gooきっず図鑑
吸水行動@ぷてろんワールド


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「ベンガルヤマネコ」
詳細はありません(^^;
ちなみに「日本固有種」「イリオモテヤマネコ」はこの亜種なんだそうです。

ベンガルヤマネコ@TokyoZooNet


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「温帯林」のエリアから「ウンピョウ」
体は結構大きいですが、顔が小さいですね!
模様の形もちょっと変わっていて、大きなうろこのような感じです。


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「イタチ」の仲間の「テン」
季節によってご覧のように見た目が大きく変わります。
右の「夏毛」は全体的に毛足が短くて耳も薄く、黒っぽい色をしています。
これが左の「冬毛」になると着ぶくれしたかのように厚い毛皮で覆われます。
むき出しだった耳のまわりもしっかりガードし、色も明るいものに変わります。


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高山に生息する「ユキヒョウ」
先の「ユンピョウ」に少し似ていますが、寒冷な場所になるため毛足が長くなっています。

「厳寒、乾燥、強風にみまわれる高山。生き物たちは、この極限の環境下で生きている。

 8000mを超える山々が連なる巨大な山塊(さんかい)、北極や南極に次ぐ「第三の極地」とも呼ばれるヒマラヤ山脈。
 岩と氷河に覆われた山々の短い夏、強い紫外線、そして乾いた強風は生き物の営みを許さないかのようにみえる。
 しかし、こうした状況下でも、生き物たちはしたたかに生き抜いている。」



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「ケーパー」という植物と「サケイ」という鳥。
展示では「ケーパー」ですが、「ケッパー」のほうがピンとくる方が多いでしょうか(わたしがそうでした)。
また「サケイ」は一見すると「ハト」のようで、かつては「ハト目」に属していました。
ですが、現在は「サケイ目サケイ科」と独立したグループになっています。
水場で腹部の羽毛に水を含ませ、巣に持ち帰ってヒナに飲ませるという行動をとるんだそう。

「砂丘や塩の多い塩生地(えんせいち)に生きる植物。
 タクラマカン砂漠の中心部には、砂山が連なる。
 砂山は、村や緑の土地を「不毛の砂漠」に変えて広がることがある。
 砂漠には、一時的にたまる雪解け水が干上がってできる塩生地もある。
 塩生地には、塩分に耐えることのできる植物が生育する。」


フウチョウソウ科@Wiki
サケイ@Yahoo!百科事典




ここからは「自然を生き抜く工夫」のエリアです。

「砂漠、高山、極地など、過酷な環境にすむ生き物たちがいる。
 彼らのからだには、極端な水不足や高温・低音下でも生きることができる特殊なしくみが備わっている。
 そういうしくみがあるからこそ、生き物たちは地球上の環境をくまなく利用して、多様な姿に進化してきた。」



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長い角が特徴の「シロオリックス」
「サハラ砂漠」周辺に生息していましたが、野生の個体は絶滅したと考えられているそう。
ですが飼育下での繁殖が試みられており、その繁殖個体を野生に再導入しているとのこと。
1968年に国内で初めて繁殖に成功した「多摩動物公園」では、昨年5月にも子ども(メス)が生まれています。

「白い毛が日射(ひざし)を和らげる」

また体温を常に外気温より高く保つことで体内の水分消費を抑え、水を一滴も飲まずに生きられるんだそう。
そして夜に空気中の水分を吸った草などを食べてわずかながら水分を得ています。
ただ体温が上がりすぎてしまうと「脳」へのダメージが心配になってきますね。
これは大きな鼻がクーラーの役割をしていて「脳」へ送られる温度を下げているんだそう。
「草思社」刊の「ツルはなぜ一本足で眠るのか」より

シロオリックス@Wiki


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鼻の大きさでは負けてない?「サイガ」

「大きな鼻で高温の空気を冷却」

と説明にありましたが、寒いときには加湿しつつ温めるというはたらきもしているらしい。


絶滅危惧種の「サイガ」が気になる@NAVERまとめ



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その大きな鼻に寄ってみます。
入口の穴も大きいですが、それに続く「鼻腔」(びくう)もかなりの広さを持っているようです。
「頭部骨格」はほかの「ウシ」の仲間とほぼ同じようですが(^^;

SAIGA (Saiga tatarica)@Volodins  Bioacoustic Group Homepage


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「アフリカ大陸」の北部に分布する「オオミユビトビネズミ」

「地中で暑さをしのぐ」

夜行性で気温の低い夜間に活動し、暑い日中は地中にもぐって休息を取ります。
後脚はかなり発達していて「カンガルー」のようですね。
実際名前が示す通り、かなりのジャンプ力を持っているようです。

オオミユビトビネズミ@TokyoZooNet


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正面から。
耳はかなり大きく、体温調整に役立っているようです。


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このコーナー唯一の「両生類」「ソバージュネコメガエル」
「南アメリカ大陸」の中央部に分布。
乾燥した地域に生息するちょっと変わった「カエル」です。
というのも・・・・・。

「皮膚をワックスで覆い乾燥を防ぐ」

ソバージュネコメガエル@AllAbout


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一転して寒冷地に住む「シロイワヤギ」
もはや説明不要!(笑)

「長い毛で体温を逃がさない」


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でも足元はご覧のとおり。
これは彼らの生息環境に関係があるのかも。
何しろ「断崖絶壁」を住処としているんですから!


崖登り!木登り!ヤギの脅威の身体能力@NAVERまとめ



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最後は「魚類」から。
氷の海に生息する「スイショウウオ」とおなじみ「マサバ」の比較です。
外からでは普通の魚にしか見えない「スイショウウオ」ですが、「エラ」「心臓」は赤ではなく白っぽい色をしています。
これは後の説明にある通り「ヘモグロビン」を持たない体であるため。
また見た目での単純な比較では「エラ」も「心臓」も大きくなっていますが、
酸素運搬の担い手である「ヘモグロビン」がないことを補うための進化なんでしょうね。

「スイショウウオは、氷の成長を抑えるタンパク質(不凍糖タンパク)をもつもので、血が凍らない。
 低温環境下では、十分に機能を発揮できないヘモグロビンは進化の過程で失われ、血液は透明になった。
 大きな鰓(えら)や心臓は、ヘモグロビンなしで酸素を獲得するために欠かせない。」



すべて D700+24-120mmF4G/VR


次回は、多様性の由来エリアに展示されている蝶類です。
by sampo_katze | 2014-01-18 20:35 | 博物館・美術館 | Comments(0)


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