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恐竜の謎を探る~地球環境の変動と生物の進化・その2
国立科学博物館・地球館を訪ねよう!編・第8回


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「カモハシ竜の奥歯」


前回の後半では、胴体部分の構造に特徴のある「恐竜」を紹介しました。
彼らは「捕食者」から身を守るために巧みに体、というより「骨格」の形を変化させています。
そうなった理由というのが明確でわかりやすいですね。

で、今回の前半では頭部に特徴を持つ「恐竜」を取り上げます。
こちらはどうしてこうなったんだろう?という疑問が出るものが結構います(^^;
まぁそれは現在生息する「生き物」にもたくさんいるんですけどね。

「頭に装飾をもつ恐竜の登場
 白亜紀になると、鳥脚類(ちょうきゃくるい)ではカモハシ竜のように頭にとさか状の突起をもったもの、
 堅頭竜(けんとうりゅう)のようにヘルメットのような頭をもったもの、
 角竜(つのりゅう)のように角やフリルをもったものなどが登場する。
 このように、複数の系統で「おかしな形の頭」をもった恐竜たちが登場する。」

※説明文より引用、以下同じ


表紙の写真は、「カモハシ竜」の1種である「パラサウロロフス」「デンタルバッテリー」(左下顎)です。
「ひまわり」の種が並んでいるようにも見えますが、これは「歯」のかたまりだそう。
飲み込む前にこの「歯」をつかって十分に咀嚼(そしゃく)をしていたんでしょうかね。

「カモハシ竜のデンタルバッテリー
 カモハシ竜(カモノハシ竜ともいう)とは、白亜紀後期にアジアと北アメリカを中心に繁栄した
 ハドロサウルス科の植物食恐竜の総称である。
 カモのくちばしのような吻部(ふんぶ)をもつことから、その名がつけられたが、
 くちばしの奥には、デンタルバッテリーと呼ばれる歯の塊をもっていた。
 効率よく多量の植物を食べることができる歯の塊と顎がくちばしの奥に備わっていた。」


「カモハシ竜のデンタルバッテリーは、菱形をした歯が何十本もびっしりと並んでいる。
 一個体で200から600本の歯をものもいた。」

※説明板より引用、以下同じ

WEB恐竜図鑑

詳しい解説は下記リンクの左下にある「コンテンツ検索」に種名を入れることで見ることができます。
pepper 展示解説システム


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「カモハシ竜」の1種「ニッポノサウルス」
先端が「くちばし」のように長く伸びているのが特徴です。
また鼻と思しき上の先端にあいた穴(?)が目の上あたりまでずっと続いているのも面白いですね。

「ニッポノサウルス
 ニッポノサウルスは、1934年にサハリンで発見されたカモハシ竜で、化石の産出地が当時日本領だったことから
 「ニッポノサウルス」つまり「日本の恐竜」という意味の学名がつけられた。
 それまでに報告されていたカモハシ竜に比べ、小柄なことなどから新種とされた。
 しかし、この展示室のヒパクロサウルスやランベオサウルスに見られるように、
 カモハシ竜は成長につれて大きくなるだけでなく、とさかが発達するなど形も変わっていくことがわかっている。
 アジアでは多数のカモハシ竜が発見されているので、ニッポノサウルスはそれらの幼体かもしれないと
 考えられている。」



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高く大きく伸びた突起を頭に持つ「ランベオサウルス」のオスの頭骨。
メスや子どもの頭骨も並べてありましたが、ずば抜けて大きくなっていました。
これはよくある雌雄差なんでしょうね。


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「ヘルメット」のような頭を持つ「堅頭竜」「パキケファロサウルス」
その堅い頭同士をぶつけたりすると想像されています。
また骨にはそれほどの強度がなく、頭同士を突き合わせて押し合っていたという説も。
ここでは後者のイメージで展示を行っているとのことでした。
いずれにしても骨だけは決定力に欠けるようです。
もし外側の皮膚や筋肉などの構造がわかれば確実なんでしょうけど、それは無理ですからね。

「頭を観察してみよう
 堅頭竜はその名のとおり、頭の上部の骨が一般的な恐竜の何倍にも厚くなっていて、
 まるでヘルメットをかぶっているかのようである。
 この頭から、頭突きしていたことが想像される。
 頭の断片の標本を触ってみよう。」



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頭骨のアップ。
外観では厚みはわかりませんが、ほかの「恐竜」よりも厚くなっているとすれば強度は高そうですね。
その外周を取り囲むように並ぶトゲのような形をした部分も気になります。


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「角竜」からは「トリケラトプス」
「白亜紀」を代表する「恐竜」の1種でもありますね。
「サイ」を思わせる大きく先端がとがった「角」が特徴。
極太の「肋骨」や強靭そうな脚の骨など、まさに「重戦車」といった感じですね。


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そして、ここの目玉。
史上最大級の「肉食恐竜」にして、もっともよく知られている「ティラノサウルス」の全身骨格です。
その大きさと迫力には圧倒されます。

また、「ティラノ~」の比較対象として「カルカロドントサウルス」が展示されています。
こちらは「頭骨」のみの展示ですが。


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まずは両者の歯を比較。
横からのシルエットはどちらもほぼ同じ。
でもその断面は「カルカロ~」が薄い円盤状なのに対し、「ティラノ~」は厚みのある楕円状になっています。
これは顎および噛む力の向上による変化・進化なんでしょうね。

またここには写っていませんが、上あごの先端の歯はこれとは形が異なっています。
はたらきの違う2種類の歯が備わっていたんですね。

「カルカロドントサウルスの歯
 カルカロドントサウルスとは、「カルカロドン(ホウジロザメ ※)のような歯をもった恐竜」という意味で、
 薄い歯の縁には細かなギザギザがあり、それに沿って溝が走っている。
 ギガノトサウルスも、同じような歯をもっている。

ティラノサウルスの歯
 ティラノサウルスは、楕円形の断面をした太い歯をもつ。
 しかし、上顎の先端の歯は、弾丸のような断面をしている。
 これは、ティラノサウルス科だけに進化した特徴である。」

「ホホジロザメ」


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続いて頭骨を側面で比較。
上の「カルカロ~」は全体的に線が細いといった感じがしますね。
これに対して下の「ティラノ~」はがっちりとしていて、特に下あごの後方はグッと太くなっています。


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今度は正面から。
「カルカロ~」は細面、「ティラノ~」はえら張顔といったところでしょうか。
「ニンゲン」の話ですが、かたいものを食べると顎が発達して角ばった顔つきになるといわれています。
それと同じ原理なんでしょうね。

それにしてもこれだけ大きくて頑丈そうなあご。
噛む力は一体どれくらいあったんでしょうね。
捕らえた獲物の骨ごと噛み砕いてしまいそうな勢いです(^^;


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最後は「足」。
左から「ニンゲン」、「デイノニクス」、「ストゥルティオミムス」の順です。
大きさや指の数はともかく、おおまかな構造はほとんど同じですね。

「足に注目してみよう!
 ティラノサウルスは、白亜紀の北アメリカを代表する大型肉食恐竜である。
 他の大型肉食恐竜に比べひざから下が長く、特に足の甲が長いのが特徴である。
 足の甲は三本の骨でできているが、ティラノサウルスやストゥルティオミムスなどは、デイノニクスなど
 他の肉食恐竜とは異なった骨の配置をしている。
 比べてみよう!」


「ストゥルティオミムスの左足
 ストゥルティオミムスのようなダチョウ恐竜では、中央の中足骨(ちゅうそくこつ・青色の部分)が
 指のつけ根から上に向かって細くなる。
 ダチョウ恐竜やティラノサウルス類など一部の肉食恐竜にしか見られない特徴である。」


「デイノニクスの左足
 一般的な肉食恐竜では三本の中足骨が平行に並んでいる。」


「ヒトの左足
 ヒトの足を恐竜と同じポーズにした。
 恐竜はいつもつま先立ちをしている。」



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次回は、地下2階へ移動します。
by sampo_katze | 2014-02-15 19:50 | 博物館・美術館 | Comments(0)


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