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「ふじ」の地下1階へ
名古屋訪問Ⅳ~名古屋港ガーデンふ頭編・第2回


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「船内の急な階段」


「南極観測船ふじ」の見学の続きです。
館内は4層ありビルに例えると地上3階、地下1階に分かれています。
前回は1階を見ましたが、今回は地下1階へと進みます。


表紙の写真は、1階から地下1階へと続く階段です。
意外と幅は広く、傾斜もそれほどきつくはありません。
あまり窮屈なつくりだといざという時に不便だからでしょうね。


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階段を下りて左に折れると狭い通路があります。
地下ということもあってか、天井も1階と比べると低くなっていますね。
この短い通路の両側にはいくつかの共用施設があります。


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まずは「医務室」
航海は約5か月間と長い上に、乗船員は200人以上という大所帯。
となれば常に全員が健康というわけにはいきませんからね。
手術も行える施設もあり、「盲腸」の手術も行われたんだそう。

「医務室
 ふじの航海の約5か月間、乗船者約230人の健康をあずかっていたのがこの医務室です。
 手術のできる設備もあり、専門医が衛生教育、健康診断、診療にあたっていました。
 奥にはベッド数3床の病室もあります。実際に盲腸の手術が行われました。」



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そして「歯科治療室」
こちらはパネル展示のみです。

「歯科治療室
 医務室とは別に専門医つきの歯科治療室が独立して設けられています。
 虫歯をはじめ、歯に関する病気の治療はなんでも行った、動く歯科医院です。」



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一番奥にあるのが「理髪室」
さすがに5か月ともなると伸び放題になっちゃいますからね。
でもカットしてくれるのは本職の「理髪師」ではないとのこと。
なので腕は確かでも無料なんでしょうか(^^;

「理髪室
 ふじの乗組員で手先の器用な人が理髪師をしていました。
 出港前に特別訓練を受けての"にわか床屋さん"ですが、腕は確か。予約制、洗髪なし、料金は無料でした。
 当時の乗組員たちは「タイガーショップ(虎刈り)」などと呼んでいました。」



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船体を横切る通路を右に曲がると船尾方向へと伸びる長い通路に出ます。
そこには「庶務室」がありました。
机と書類棚が4つ並んでいて、文書の作成には「タイプライター」が使われていたようです。

「庶務室
 南極への航海を円滑に成し遂げるために、乗組員はいろいろな専門分野にわかれて仕事を分担していました。
 ここは庶務関係の仕事(通知文書の作成、保管など)に使っていた部屋です。」



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続いては「先任海曹寝室」(せんにんかいそう)。
部屋の広さは書かれていませんが、10~12畳くらいはあるんでしょうか。
先の「庶務室」と同じような机と書棚も備えつけられています。

「先任海曹寝室
 先任海曹(いわゆる下士官のうち主だった者)約10人の居室です。
 3段ベッドが5台、机2つ、ほかに棚、ロッカー、テーブルがあります。
 奥には専用のトイレ、浴室もあります。」



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テーブルの上に置かれているのは「キャロム」というゲーム台。
なんでも「南極観測隊」に代々伝わっているもので、ルールも独自のものを採用しているんだそう。

「当時は「キャロム」というゲームが流行っていました。」


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通路を抜けると広いエリアに出ます。
ここは船尾側にある「第2居住区」で、一般乗組員の居室だったところ。
吊り下げられた3段ベッドが並ぶ、かなり殺風景な場所ですね(^^;

「第2居住区
 幹部乗組員と先任海曹をのぞく一般乗組員約105人分の居室です。
 約150平方メートルの空間に3段ベッド27台、2段ベッド14台がおかれています。
 船首部にも第1居住区として同じように60人分の居室があります。
 消灯時間は午後10時でした。」



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ベッドに吊り下げられていたプレート。
最大45度傾くというのもすごいですが、それが左右に繰り返されるだけに寝るのも大変どころじゃないですね(^^;


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「居住区」の奥の床の一部はシースルーになっていました。
そこをのぞきこむと、船底にある「エンジン」「発電機」を見ることができました。

「エンジン・発電機の紹介
 ふじは、氷に体当りして砕氷航行(さいひょうこうこう)するため、前後進や増減速を急速に行う必要があり、
 これに最も適した推進方式として直流ディーゼル電気推進方式を採用しています。
 推進装置の主な要目は次のとおりです。
  主機 ディーゼル機関:出力3,500Hp 600回転 4台
  推進発電機:出力2,420kW  4台
  推進電動機:出力2,250kW  4台」



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「第2居住区」から次の通路へと入ると、そこには「観測隊員寝室」があります。
1階にある「士官寝室」と似たような構成になっています。

「第12観測隊員寝室
 ふじの乗客である観測隊員の居室です。
 観測隊員寝室は同じフロアーに18室並んでおり、2人部屋と4人部屋があります。
 ベッド、机、ソファー、洗面台などの設備はありますが、バス、トイレは室外です。」



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こちらは4人部屋。
天井に配管が通っていて、ちょっと窮屈な感じですね。


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館内に置かれていた「くず入れ」
ふたには「ふじ」とヘリコプター、それに「ペンギン」のイラストが描かれています。


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地下1階の次は2階へと一気に階段を上がりますが、その途中にもいくつか展示がありました。
これは「オーロラ」の写真。
1度は見てみたいものですが、難しいでしょうね。


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最後は「救命艇の備品類」の1つ、「非常糧食」です。
オレンジ色の箱1つの中に3日9食分の非常食とともに、下記のメッセージが書かれたメモが入っています。

「海からも空からも救助の手はさしのべられている
 望みを捨てずにがんばろう!!」



すべて D700+24-120mmF4G/VR


次回は、ふじ船内にある南極と南極観測についての資料を見学します。
by sampo_katze | 2016-05-16 21:00 | 博物館・美術館 | Comments(0)


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