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暗黒の海ゾーン・深海ゾーン~大陸棚の生物
アクアワールド茨城県大洗水族館へ行こう!編・第6回


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「暗黒の海へといざなう通路・・・・・」


「暗黒の海ゾーン」のメインエリアとなる「深海ゾーン」へと進みます。
「深海」という定義は様々ありますが、おおむね深度200mを超える海のことを指しています。
意外と深さの値が小さい感じがしますね。
でも200mあたりまでは「プランクトン」「光合成」を行えるということが1つの理由になっているそう。
「ニンゲン」の目が色を感じることができる深さもほぼ同じらしいですね。

また「深海」は「地球」の表面の70%を占める「海」のうち、その面積の約80%を占めています。
つまり「地球」の表面積の約6割が「深海」になっているということなんですね。
それだけ広大にもかかわらず、いまだに謎が多いというのも大きな特徴。
なにしろ強力な「水圧」がまさに大きな壁となって立ちはだかっていますからね。
「地球」に残された最後の秘境といってもいいかもしれません。


表紙の写真は、「深海ゾーン」へとつながる通路の様子です。
薄暗い洞窟のようなつくりになっていて、「深海」という雰囲気はあまり感じられません(^^;
天井がほのかに青くなっているところが海らしい演出と言えるかな?


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ほぼ真っ暗な通路。
目を凝らしてみると、天井に深海の生きものたちが描かれていました。
実際にはもう少し明るく見えるんですが、写真にするとほとんど見えません(^^;
感度はISO6400、シャッタースピードは1/30秒だったんですけどね。
しかも現像時に明るさを上げてこれですから、相当撮影条件はキビシイです。
もっとも最近の機材だったら感度をさらに上げてもノイズが乗らないんでしょうね。


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さて通路を進んでいくと、洞窟のような壁の中に「深海」の生物の模型が展示されていました。
最初は実物が展示されているのかと思ってのぞいてみたら、ありゃ?模型なのかい!って感じでしたが(笑)
まずはつぶれたような体形をしている「メンダコ」
「タコ」の仲間なので8本の脚を持っていますが、それらはひだのようなものでつながっています。
また目の後ろには丸みを帯びた2つの突起がついていて、まるで耳のようです。
実物は見たことがありませんが、海中での写真や標本は見たことがあります。

「メンダコ
 体は平たくつぶれた円盤状をしています。
 寒天質で発光器や小さいひれを持つタコの仲間で、外套長(がいとうちょう)は20cmほどです。
 相模湾から九州近海の水深150~600mの深海底にすみ、海底近くをホバリングしているのではないかといわれています。」


「メンダコ」の写真や標本を見たときの記事はこちら
2015年11月26日の記事 特殊な生息環境を再現している深海Ⅰゾーン
2016年4月28日の記事 深海ギャラリーに展示されている標本類


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「ウミグモ」の仲間の「ベニオオウミグモ」
説明を見ると脚の長さは体長の約4倍もあるとのことですが、体が細いのでほとんど脚しかないように見えます。
底に映る影からもそのアンバランスさがわかりますね。

「ベニオオウミグモ
 体長8.5cm、脚の長さ35cmのウミグモ類の中では最大の種類です。
 全世界の水深数1000mの深海底に生息します。
 ウミグモ類の産卵習性は独特で、メスが卵を産むと、オスがその卵を集めて卵塊(らんかい)を作り、保育します。」



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見た目は普通の種と変わらない「ユウレイイカ」
「眼と2本の細長い「触腕」(しょくわん)に「発光器」を持つところが「深海」生息らしい特徴ですね。
まれに「定置網」などで獲れることがあるそうですが、生きた状態を確保するのが非常に難しいよう。
2015年5月に「上越市立水族博物館」で生体展示されたことがありましたが、1日で終了してしまったとのこと。
実物はやはり「深海」でしか見られないようです。

「ユウレイイカ
 眼球と細く長い触腕に発光器があります。外套長(がいとうちょう)が約20cmのイカです。
 西南日本から南シナ海・インドネシア外洋域の中・深層に生息しています。
 深海にすむユウレイイカは、全長50cmくらいで、エネルギーをあまり使わず
 寒天のようなやわらかい体で水中をただようように泳いでいます。」



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見る角度によって絵が変わる展示もありました。
1つ目は「ホウライエソ」です。
大きな目と口、半開きになった口からは大きな牙が見えていてなかなかグロテスクな外観の持ち主。
体の下側に白い点が並んで見えるのは「発光器」です。

「ホウライエソ
 体長は約30cmで、細長い体をしています。体はどす黒い銀色で、変形したうろこを持っていて、寒天状の膜に包まれています。
 歯が牙のように大きく、恐ろしい顔つきの深海魚です。
 世界の温帯~熱帯海域に分布しますが、日本海にはいません。
 水深200~1000mの外洋中・深層に住みます。魚類や甲殻類を食べます。」



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もう1種は「フクロウナギ」
口が大きくあごの部分もふくらんでいて、まるで「ペリカン」のようです。
この大きな口を使ってエサを一網打尽にしてしまうんですね。

「フクロウナギ
 世界の熱帯から温帯域の外洋に分布します。水深3000mの深海に住んでいて、全長75cmになります。
 巨大な口を持ち、とても奇妙な形の深海魚です。えさの少ない深海で、より確実に捕らえるための大きな口を持っています。
 フクロウナギの頭はとても大きいように見えますが、頭のほねの部分はとても小さく、実はほとんどが口なのです。
 大きな口で小さなエビの仲間を一度にたくさん食べることは、エネルギーの節約になります。」



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次は「リュウグウノツカイ」の標本。
体長5.5mとかなりの大きさで、頭の上と首の下からそれぞれ伸びる筋のようなものが1つのトレードマークになっています。
図鑑などで見るととてもきれいな色ですが、ここにあるのは白っぽくなっていますね。
これは標本だからではなく、死んでしまうとこうなってしまうんだそう。

「リュウグウノツカイ
 体長:5.5m  分布:インド洋から太平洋にかけての深海1000mを超える深さにも棲んでいる
 細長い銀白色の体、ウロコはありません。背びれ、胸びれは鮮やかな赤、特に頭部の背びれ、腹びれが長く美しい生物です。
 死んでしまうと、色みを失ってしまいます。体をまっすぐにして、美しい背びれを波打たせながら泳ぎます。
 その姿は、まるでキラキラと光る天女の羽衣(はごろも)のようだと伝え聞きます。
 ヨーロッパではジュゴンやアザラシが人魚のモデルとされますが、日本ではこのリュウグウノツカイが人魚のモデルだという説もあります。
 人魚伝説では、人魚が現れると地震など天変地異がやってくるという言い伝えがありますが、リュウグウノツカイは竜宮から
 どんな知らせを届けてくれるのでしょうか・・・。
 ※この標本は2009年2月、茨城県鉾田市の海岸に漂着したものです。(体長:2.8m、体重:7.2kg)」




続いて「大陸棚の生きもの」のエリアです。
やや小さな水槽が3基と大きな水槽が1基あります。
「深海」ほどではありませんが、このエリアも薄暗いので撮影はちょっと大変でした。
そのため撮れた種類は少なめです(^^;

「大陸棚の生物
 大陸棚は、陸地に続く水深150~200mの比較的海底が平坦なところです。
 河川から栄養が流れこみ、プランクトンが豊富なため、たくさんの種類の生物が生息しています。」



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「大洗」といえば名物の「アンコウ」
ということで「キアンコウ」です。
市場などでは「ホンアンコウ」と呼ばれるそう。
近縁種に「アンコウ」がいて、こちらは「クツアンコウ」と呼ばれて区別されます。

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砂地にまぎれて身を隠しています。
よく見ると目があったりするのでいることがわかりますが、それは展示施設ゆえか?
実際の海底では光の具合などでよりわかりにくくなっているんでしょうね。


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淡いオレンジ色をした「ウスメバル」
目が大きいことから「目を張る」~「メバル」とつけられました。
赤っぽい体に不規則な斑紋が入っているのが特徴とのことで、約30cmほどになります。


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水槽の隅っこでダンゴになっていた「ダイオウグソクムシ」たち。
ガラスにお腹を向けているのがいたので撮りたかったところですが、照明が背後にあるのでほとんど出ません(^^;
フラッシュを使うわけにもいきませんからね。
また上の方では「ウニ」の仲間が乗っかっていました。


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3つ目の水槽では中段につられた棚の上に小さな生き物が2種いました。
右の小さな斑点が入っている魚は「ミドリフサアンコウ」、左の白っぽいカニは「タカアシガニ」の子ども=「稚ガニ」です。

「ミドリフサアンコウ」は深い海に生息しているため、引き上げられると弱ってしまいます。
そのためこのように生きた状態で展示されるのはめずらしいんですね。
また「稚ガニ」とは、卵から生まれて間もない「幼生」から「脱皮」を繰り返した状態。
甲の長さは約5cmで生後約1~1.5年ほどと推定されるとのこと。
大型の個体になるにはどれくらいの年月が必要なんでしょうか。

「深海の珍魚!!ミドリフサアンコウ
 水深100~500mの深い海に生息し、底曳網などで混獲されますが、
 水圧の変化で弱ってしまうことが多いために生体展示が非常に難しい魚です。
 頭には背ビレの一部が変化した「エスカ」と呼ばれる器官があり、これを動かして餌になる小魚などをおびき寄せます。
 (協力:茨城県水産試験場)

 タカアシガニの子ども
 タカアシガニは世界最大のカニとして知られていますが、稚ガニが獲れることは少なく、その生態はあまり知られていません。
 このたび珍しいタカアシガニの稚ガニが仲間入りしました。現在の甲長は約5cmで、生まれて1~1年半程度経っていると考えられます。
 子どもの頃はご覧のように体に毛が密集して生えているのが特徴です。
 お隣の「大陸棚の生物4」水槽のタカアシガニと見比べてみてください。」



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最後は大きな「大陸棚の生物4」の水槽。
種類は多いですが、撮影条件はかなり厳しかったですね(^^;
中央付近は比較的明るいんですが、距離がありますし・・・・・。


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大きな「タカアシガニ」の上に小さな「タカアシガニ」、さらにその上には「ユメカサゴ」かな?が乗っています。
「タカアシガニ」の2段積みだけでもめずらしいのに、3段重ねとは豪華な組み合わせです。
「深海版・ブレーメンの音楽隊」といった感じでした。


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次回は、世界の海ゾーン・サメの海エリアです。
by sampo_katze | 2017-02-21 21:00 | 水族館 | Comments(0)


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