暖流の旅・対馬海峡を越えてのエリア
新幹線で水族館に行こう!@マリンピア日本海編・第8回


c0081462_21274502.jpg
「海底洞窟の中の皇帝魚」


「暖流の旅」エリアはまだ続きます。
「東シナ海」を北上してきた「黒潮」「鹿児島県」南方に浮かぶ「トカラ列島」付近で「太平洋」へと抜けます。
そのとき生じた分流が「対馬海峡」から「日本海」側へと流入し、「対馬海流」となります。
今回は「トカラ列島」付近から「日本海」西部にかけての海域の水槽をご紹介します。
まずは地域は限定されていませんが「海底洞窟」の水槽から。
見られる魚を見ると「トカラ列島」近海などの海域のようですね。

「海底洞窟
 海中には、岩などが浸食されてできた洞窟があります。
 洞窟内には、夜に活動するエビ類やウツボ類などが身をひそめています。」

※説明板より引用、以下同じ


表紙の写真は、「ベラ科モチノウオ属」の仲間で最大種の「メガネモチノウオ」です。
別名「ナポレオンフィッシュ」とも呼ばれ、南方の海の水槽では比較的よく見られます。
記録では最大全長は2mを超え、体重も200kg近くに達した個体もいたそう。
体色は成長したオスは青みがかった緑色がとても鮮やかで、とても見栄えがします。
また額のコブが年を経るごとに大きくふくらみ、「ナポレオン」がかぶる帽子のようになっていきます。
この子は体は比較的大きいですが、成長したオスでは薄れていく目の後ろにラインがくっきりと入っています。
体色も白っぽいベースに褐色のラインが入っているのでメスのようですね。
でも「モチノウオ属」という分類があったとは知りませんでした。


blogram ランキング参加中!よろしければクリックをお願いします。
blogram投票ボタン










c0081462_21274867.jpg
岩の上にたたずんでいるのは「コブセミエビ」です。
国内に生息する2種の「セミエビ科」の仲間の1種で、体長は最大で30cmを超えるものも。
背中にその名の通りコブのような突起があることから、もう1種の「セミエビ」と区別されています。
一般的な「エビ」とは異なるシルエットを持ち、体は厚みがあるもののやや扁平です。
外骨格は非常に硬く、表面には小さな粒状の突起が並んでいて防御力は相当高そうですね。

※参考 コブセミエビの親子について
https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=371


c0081462_21275135.jpg
こちらは「カノコイセエビ」
もちろん「イセエビ」の仲間で、体に白っぽい斑点がちりばめられているところが特徴の1つ。
「カノコ」とは「鹿の子」のことで、「シカ」の幼少時に白い斑点が出ていることが由来です。
また長く伸びる第2触角は無地ですが、この写真では右側に写っているやや短くて細い第1触角には白のしま模様が入ります。
同じ水槽には「シマイセエビ」がいますが、第1触角にしま模様がないかどうかが見分けのポイントのようです。


c0081462_21275497.jpg
「ウツボ」の仲間の「ハワイウツボ」
白っぽい地に褐色の不規則な横じまが、頭部の周辺を中心に小さな斑点が入っています。
「ハワイ」と名前についてますが固有種ではなく、国内でも「駿河湾」以南の「太平洋」側で見られるなど生息範囲はかなり広いようです。

先の「カノコイセエビ」はこの「ハワイウツボ」と同じ水槽にいます。
イメージ的には「ウツボ」が「エビ」を食べてしまいそうですよね。
でも両者は「相利共生」(そうりきょうせい)の関係にあります。
「エビ」たちは「ウツボ」が天敵である「タコ」から身を守ってもらえ、「ウツボ」は大好物の「タコ」をおびき寄せてもらえるんです。



続いては「トカラ列島の海」の水槽です。
「黒潮」と「対馬海流」が分岐する海域ですね。

「トカラ列島の海
 南西諸島を沿うように東シナ海を北上した黒潮は、九州南部のトカラ列島を横断して太平洋へと進路を変えます。
 この時、東シナ海で分流が生じます。この分流が対馬暖流となり、北上を続けて日本海へと流入します。」



c0081462_21275715.jpg
先にも登場した「ネンブツダイ」
ここまで大きく撮れたのは初めてかも?
背中側がオレンジ色で、目の上と目を通る2本の褐色のラインが特徴です。


c0081462_21275909.jpg
そして「ネンブツダイ」のそっくりさんの「クロホシイシモチ」
偶然?同じ水槽で見つけたので比較のため、並べてみました。
「クロホシ~」は目の上にラインはなく、代わりに目の上後方に斑点が1つ入ります。
また目を通るラインはありますが、目の後ろの方にはほとんど伸びていません。
パッと見にはよく似ている2種ですが、実はそれほど見分けは難しくないんですね。


c0081462_21280261.jpg
「メガネモチノウオ」と同じ「モチノウオ属」の仲間の「ヤシャベラ」です。
全長は35cmほどになりますが、この仲間では中型だそう。
ボスが最大で2mを超しますからね(^^;
えら付近から前は赤みがかった色で、それ以降は褐色地に白っぽいやや不規則な輪郭を持つ横じまが入ります。
「ヤシャ」とは「夜叉」「鬼子母神」(きしもじん)のことですが名前との関連はよくわかりません。


c0081462_21280531.jpg
斜めに入るラインが目を引いた「フタスジタマガシラ」
「イトヨリダイ科」の仲間で体長は20cmほど。
目の上にも細い2本のラインが入り、目の下から背びれへと流れる白いラインは褐色で細く縁どられています。
背びれの前半分は黄色で、広げると体に入るラインと相まって見栄えがします。
ここではたたまれてしまっているのがちょっと残念ですけどね。


c0081462_21280952.jpg
体中にトゲトゲを持つのは「イガグリフグ」
いうまでもなく?「ハリセンボン科」の仲間ですが、この種はトゲをたたむことができません。
近縁種の「メイタイシガキフグ」とよく似ていますが、お腹側のトゲの根元に黒い斑点があるので区別ができるとのこと。
確かに背中や体側は黄色い斑点ですが、お腹側は黒い斑点ですね。


c0081462_21281185.jpg
底の方に目を向けると色鮮やかな「ニシキハゼ」がいました。
「アマモ場」の水槽などでよく見かける「キヌバリ」と同じ仲間です。
やや濃いめのオレンジ色をベースに、薄い青の縦じまが入っています。
背びれにも縦じまと同じ青いラインが太く入っているのでより目立ちますね。



ここから「対馬海流」の本流へと入ります。
といっても最初の「東シナ海北部」の水槽はまだ「対馬海流」のスタート地点。
そのため「黒潮」とはそれほど大きなちがいはないようです。

「東シナ海北部
 対馬暖流は、九州沿岸を沿うように北上して日本海へと流入します。
 北上する過程で、大陸由来の塩分濃度の濃い海水と混ざり、性質が大きく変化します。
 黒潮との性質変化が、黒潮水系の生物の日本海への進入を妨げる要因となっています。」



c0081462_21281463.jpg
全体がオレンジ色をしている「アカオビハナダイ」
「ハタ科ナガハナダイ属」の仲間で、「雌性先熟」「性転換」を行います。
こちらはメスで、体色は鮮やかなもののひれがやや赤みを帯びる程度で派手さはありません。


c0081462_21281707.jpg
こちらはオス。
群れの中でもっとも大きいメスが「性転換」してオスになります。
体色はやや鮮やかさを増し、腹びれと尻びれはやや黄色みを帯びています。
そして目の下から後方にピンク色の細いラインが入り、さらに体の中央には赤い帯がくっきりと浮かび上がります。
全体的に華やかな雰囲気ですね。
オスはこの帯の色がほかの仲間と異なるので容易に見分けられますが、メスはかなり難しいようですね。



「日本海西部海域」の水槽です。
それまで見られていた「サンゴ礁」に生息する魚たちはこのエリアではほとんどみられなくなるんだそう。
水質のほか、水温も関係していそうですね。

「日本海西部海域
 日本海で見られる海水魚は約1,200種で、日本近海に生息する魚種の3割まで減少します。
 暖流に乗って東シナ海まで北上してきたサンゴ礁魚類も、この海域ではほとんど見られなくなり
 魚類分布の中心は、温帯性や冷水性種へと移り変わります。」



c0081462_21281908.jpg
「ベラ科イラ属」の仲間の「イラ」
体高が高く、額はかなり前に出ているのでかなり独特のシルエットを持っています。
体色は全体的に薄い赤で背びれは黄色、胸びれから背中に向かって斜めに黒ラインが入ります。
口元からはけっこう鋭い歯も見えますね。
漢字では「苛魚」と書きますが、釣り上げられると噛みついてくるのでイライラするというのが由来だそう。
名前といい独特のシルエットや体色といい、1度見たら忘れない魚の1つです。


c0081462_21282389.jpg
最後は見た目の華やかさでは1、2を争うといっても過言ではない?「ミノカサゴ」です。
「イラ」の写真にもチラッと写りこんでましたね。
褐色のしま模様を全身にまとい、長い胸びれを広げて泳ぐ姿は優雅の一言。
ですが、ひれの棘条には毒があるため刺されると猛烈に痛みます。
しかも性格は意外と強気で、水中撮影などでしつこく追いかけていると逆に向かってくることもあるんだとか。
色こそ地味なものの全体的に派手な装いになっているのは、毒を持っていることをアピールするためのものなのかもしれません。



すべて D700+24-120mmF4G/VR


次回は、飼育下のノドグロも見られる新潟沿岸+日本海固有水のエリアです。
by sampo_katze | 2018-02-01 22:00 | 水族館 | Comments(0)


<< 飼育下のノドグロも見られる新潟... 暖流の旅・サンゴ礁の海の水槽 >>