夏の函館~青森訪問2017編・第2回
「函館駅」構内を一通りめぐったので外に出ます。 夕方には「北海道新幹線」に乗ることからあまり遠出するわけにはいかないので、「朝市」の方へと足を向けます。 この時点で11時なので少し早目の昼ごはんにしてもいいところ。 ですが「函館空港」で遅い朝ごはんを食べてしまったので、さすがに早すぎかと(^^; そこで港に浮かぶ博物館船の「摩周丸」を訪ねることにしました。 正確には「函館市青函連絡船記念館摩周丸」といいます。 「摩周丸」は1965年(昭和40年)に「津軽丸型」と呼ばれるタイプの第5船として就航。 1988年(同63年)3月13日の運航を最後に退役し、同年に開催された「青函トンネル開通記念博覧会」で展示されました。 その後、改装を受けて1991年(平成3年)から「メモリアルシップ摩周丸」として一般公開。 2002年(同14年)11月に一時展示が休止となりますが、翌年4月から「函館市青函連絡船記念館摩周丸」としてリニューアルオープン。 2009年(同21年)2月に「近代化産業遺産」に、2011年(同23年)7月に「機械遺産44番」に指定されています。 表紙の写真は、「函館朝市」の西側から眺めた「摩周丸」です。 かつては「連絡船待合室」や「乗り場」の建物、「函館駅」へと通じる連絡通路や「貨車」などが通る線路がありました。 「メモリアルシップ」として公開されたころは建物がショッピングモール「ピアマーケット」としてオープンしていたそう。 ですが、2002年に「ピアマーケット」が商業施設としての営業を終了。 2013年11月から翌年春にかけて建物の解体が行われて、訪問当時はご覧のように跡形もなくなっていました。 しかたがないとはいえ、なんだかさみしい風景ですね。 blogram ランキング参加中!よろしければクリックをお願いします。 その入口の看板に描かれていたのは「イカール星人」。 「朝市」の中で「イカ釣り」もできる店があるほどの名物「イカ」をモチーフにしているのはいうまでもありません。 「函館空港」で見かけた「ハコダケくん」とならぶご当地不思議キャラと言っていいかも? 調べてみると「公式サイト」もありました。 相当練った設定になっていて、「DVD」や「ブルーレイ」までリリースされているそう! 興味がある方はぜひ検索して見に行ってください(^^) 「煙突」には「国鉄」のシンボルマーク「JNR」が描かれています。 これは「ファンネルマーク」と呼ばれるもので、かつてはペイントではなく切り抜き文字が飾られていました。 また「民営化」されてからは「JR北海道」のマークが掲出されていました。 船体は白と青のツートーン。 青は船名にちなんだ「摩周湖」のイメージかと思いきや、就航の前年に開業した「東海道新幹線」がモチーフなんだそう。 これは意外でしたね! 手前に置かれている「錨」は、周辺に説明がなかったと思うのですが(^^; 後で調べてみると「改造型」と呼ばれる貴重なものだとわかりました。 「洞爺丸事故」を受け「国鉄」は独自の「錨」の開発に着手し、「国鉄型」と呼ばれる「錨」が登場。 この「改造型」はその試作段階で造られたものだそうです。 しかも現存しているものがこれ1つとのこと。 運行時はここから「貨車」が出入りしていました。 長年の風雨と潮風の影響でしょうか、サビが目立ちます。 側面には「MASHUMARU」のロゴとともに「イルカ」のイラストが描かれています。 そして真ん中に描かれているのはいうまでもなく「摩周湖」の風景。 周囲のロゴと「イルカ」は各船共通ですが、中央はそれぞれの船にちなんだものが入ります。 「補助汽船」は「青函連絡船」特有の呼び方で、一般には「タグボート」と呼ばれる小さな船のことです。 ここに飾られているのは「JIS錨」と呼ばれるもの。 説明を見てなかったので詳細は不明です(汗) その奥にあるのが煙突につけられていた「ファンネルマーク」。 左の「JR北海道」の方は縦横比がロゴと同じですが、右の「JNR」は横幅が縮んでいます。 これは煙突の幅が計画当初より狭くなり、オリジナルの縦横比では収まりきらないためとのこと。 ちょっと不恰好な感じがしますね(^^; 上は1965年3月に「三菱重工業神戸造船所」で製造されたことを、下は1991年4月に「函館どつく」にて改装されたことを表しています。 3階の入り口の壁に飾られていたのは「ひもむすび」のいろいろ。 体験もできるとのことで、日常生活に役立つ結び方を学ぶこともできるようですね。 「すぐに役立つ荷物の結び、美しい飾り結びなどが楽しみながら覚えることができます。 ひもむすび体験を希望の方は、お気軽にスタッフにお申し付けください。」 ※説明板より引用、以下同じ こちらは「普通椅子席」で、列車でいえば「普通車」にあたる座席です。 「国鉄」では定番の「青モケット」と呼ばれる紺色のシートになっていて、「リクライニング」機能はまったくありません。 また「飛行機」と同じく進行方向が一定なので、シートの向きが変わる機構もありません。 「アームレスト」はついていて、中央は出し入れ可能になっていますね。 これをはね上げるときっちりと座席に収納されて、背もたれがフラットになるのが後ろの席を見るとわかります。 「普通椅子席 連絡船では列車でいう座席を椅子席と呼んでいます。 列車と同じような青のモケット貼りですが、船は後ろ向きに走ることはないので、背もたれは片方向の固定式となっています。 航空機のように、前の席の背もたれに折りたたみ式のテーブルがあるのは便利です。」 「リクライニング」と「レッグレスト」、「読書灯」を備えています。 特に「リクライニング」は強力で、なんと65度も傾斜するとのこと! この写真は「レッグレスト」を上げ、背もたれを最大に傾けた状態のものです。 座面が前にせり出し、高さも上がっているのがわかります。 「飛行機」でいうところの「ライフラットシート」(Lie Flat Seat)のようですね。 ただ座席の間隔が当時はどうだったかはわかりませんが、これだとちょっと狭いように思います。 後席に座る人の膝上までシートが倒れているような感じですからね(^^; 「グリーン指定椅子席 前部グリーン船室は指定椅子席です。全部で96席あります。 1人掛けのゆったりとしたリクライニングシートで、背もたれは65度傾斜するため、ほとんど寝た感じになります。 また椅子ごとに読書灯がついており、他人に迷惑をかけないで読書ができます。」 もっとも低料金で利用でき、それほど混んでいなければ足を伸ばしてくつろげるところが魅力的。 現在もここに上がって、当時の雰囲気を味わうことができますよ。 船内にはほかにも「寝台室」の設備があったようですね。 残念ながら一般公開にあたり撤去されていて、先の座席とはちがい展示されていません。 1セットでも展示されていたらよかったと思うのですが、難しかったんでしょうね。 こちらは「飾り毛布」と呼ばれるもの。 「寝台室」のベッドの上に飾られたもので、「大輪」というタイトルがついていました。 左には「松竹梅」の写真も飾られています。 これが置かれているのは当時使われていたベッドのようですが、ガラスケースの中にあったので棚かと(^^; 下の方に「6下」と書かれていることから2段だったのかな? 「船員の知識と体験 飾り毛布 青函連絡船の寝台室では、毛布を季節に合わせた題材できれいに折りあげて乗客を迎えていました。 毛布はボーイが代々折り続けてきたもので数10種類ありましたが、1964年(昭和39)の津軽丸型(2代目)連絡船の就航で 折り返し時間が短縮されたため、作業時間がとれず取り止めとなりました。」 「大輪 この飾り毛布は、青函連絡船 元船客長・菊地清一氏(81歳)の手による、当時のベッドメイキングの再現です。 毛布や、「カウンターペン」と呼ばれるベッドカバーは、運航当時、実際に使われていたもので、 毛布の中央にはJNR(日本国有鉄道)のマークが入っています。」 左から「船長(冬期)【戦前】」、「船客掛(ボーイ)【昭和30~40年代】、「マリンガール【昭和55年~終航】」、 「甲板諸機係【昭和50年代】」、「船長【x】」です。 最後の「船長」だけ年代がわかりません(記録ミス!) 中央にある「マリンガール」は1980年(昭和55年)から1987年(同62年)の夏に限り乗務していた臨時女性職員のこと。 乗客の案内や観光案内放送などを担当していたそうです。 2011年(平成23年)夏に開催された企画展では、8月13日から15日まで限定で元「マリンガール」3人が乗務。 当時の様子を再現したこともあるそうです。 左手に「函館市場」(「朝市」とはちがいます)、向かいに「函館山」、右手には「緑の島」が見えます。 もう少し天気がよかったら、と思ってしまいます。 ここには「船長」や「マリンガール」の制服も置かれているので、記念撮影にももってこいですね。 ここは館内で見学できる施設の中では数少ない原形をとどめている設備です。 実際に操作できるところもあるので、船員になった気分を味わえますよ。 「船橋(操舵室) 操舵輪、可変ピッチプロペラ、ハウスラスターなどの操船装置、レーダー、船内各機器の状態表示、 連絡装置が集中していて、船の目と頭脳といえます。 出入港時は、船長の指示にしたがって航海士、航海係らが操船・各種作業を行います。 航海中は自動操舵装置が働き、当直の航海士と航海掛(操舵手)、甲板諸機掛(見張り)の3人が配置についています。」 中央左にある「受話器」を使って「ブリッジ」と通話することや、「モールス信号」発信の操作もできます。 左上には「ブラタモリ」の取材で訪れた「タモリ」さんと「桑子アナ」の写真も飾られていました。 「無線通信室 船橋が目と頭脳であれば、こちらは耳と口です。 通信士が無線送受信機を操作して、気象をはじめ、各種情報の収集や連絡・報告を行います。 VHF無線電話もありましたが、通常の連絡・報告は中波帯のモールス信号で行っていました。 乗客の電報の取り扱いもしていました。 また、レーダーやファクシミリ、その他船内弱電機器の修理、調整も通信士の仕事でした。」 本当は海側からも見てみたいところなんですが、あいにく対岸にあたる場所は遠く離れています。 「津軽丸型」は左右側面が非対称となっているのが特徴の1つとなっているそうなので、比べてみたかったところですが。 すべて D700+24-120mmF4G/VR 次回は、函館朝市でのランチと市内プチ散策です。
by sampo_katze
| 2018-02-11 21:00
| 北海道
|
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