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表層生物コーナー
新幹線で水族館に行こう!@魚津水族館編・第6回


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「表か?それとも裏か?」


前回紹介した「富山湾大水槽」は大型の魚たちがいました。
メインはもちろんご当地の顔ともいえる「ブリ」
外周どこからでも観察でき、また国内初の「アクリル製トンネル」で水槽の内部からも見られます。

そして国内有数の深さを誇る「富山湾」だけに、深海の生きものも展示されています。
その生きものたちは地元の漁師さんが捕獲したものだそうです。
漁場からとても近いこともあり、生きがよく元気な状態で見ることができるとのこと。
特に春は入手しやすくなるため展示数が多いそうなので、訪れるのに最適なのは春かもしれません。
「ホタルイカ」も見られますからね。

さて、「富山湾大水槽」のエリアの壁側には「表層生物コーナー」があります。
大部分が深い海とはいえ浅いエリアもありますし、そこにもいろいろな生きものたちがいますからね。
このコーナーにいるのは小型~中型の生きものなので水槽も小さめ。
ですが、7基ほど並んでいてバラエティに富んでいます。
まずはその中でも風変わりな魚からご紹介していきます。


表紙の写真は、意外と見たことが少ない「コバンザメ」です。
横からではないのでちょっとわかりづらいかもしれませんが。
名前に「サメ」とついていますが、分類は「スズキ目コバンザメ科」でまったくの無関係。
「淡水魚」にも「~シャーク」と呼ばれるのがいて、これは体形が「サメ」に似ているからつけられています。
「コバンザメ」も同じ理由からなんでしょうか。

また大きな魚のお腹などにくっついて一緒に泳いでいる(?)イメージがあります。
ですがこの水槽にはくっつく相手がいないので、このようにガラスにくっついていました。
ただでさえ見る機会が少ないのに、こんな姿を見ることができるとは!

「コバンザメの吸盤はヒレが変化したものです。
 海ではこの吸盤でサメやウミガメなどにくっついて生活していますが、
 この水槽では仕方なくガラスにくっついています。」

※説明板より引用、以下同じ










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今度は右側の壁に張りついていました。
体の真ん中を黒いラインが入り、その上下に細い白いラインが入っています。
この子は目のあたりは黒が濃いですが、それより後ろはかなり白っぽくなっていますね。
同じように白黒の「イシダイ」は老成するとしま模様が薄くなっていきますが、「コバンザメ」も同様なのかな?


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ガラスに張りついてくれると、トレードマークの吸盤がどうなっているかがよくわかります。
その名のとおり、吸盤は「小判」のようです。
後ろに引っ張るとより吸着力が増し、前に引っ張ると取れます。
つまりくっついた相手が速く泳いでも離れるどころか、よりくっついて離れないようになっているんですね。
また口は受け口になっていますが、くっついた相手のおこぼれを取りやすくするためでしょう。


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そんな「コバンザメ」ですが、いつも張りついているわけではありません。
こうして泳ぐこともあります。
考えてみれば当たり前で、同じ相手にいつまでも張りついているわけにもいきませんからね。
これがまたなかなか素早く泳ぐんですよ。


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そろそろ「コバンザメ」から離れて次に行きましょうか。
こちらは「オキフエダイ」かな?
「スズキ目フエダイ科」の仲間で、全長約60cmほどになるそう。
体色や体型は「タイ」っぽいですが、吻がとがり気味になるのがこの仲間の特徴の1つ。
これが笛を吹いているように見立てられたのが名前の由来でしょうか。


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底の方でフワフワとたたずんでいるのは「メバル」
体色からすると「アカメバル」かな?
その名の通り大きな目をしています。
泳ぎ回る姿を見ることが少なく、たいていこんな風に少し上を向くようにしていることが多いですね。


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こちらも底でじっとしていた「ニジカジカ」
白い小さな斑点が細かく入っていて、かなり派手な装いをしています。
色合いは名前の「虹」とはかけ離れていて、どちらかと言えば「星空」が合っているような感じです。

「ニジカジカ  カジカ科  Elkhorn sculpin
 ウロコがほとんどなく、全身が粘液で覆われている。
 春先によく漁獲されるが、あまり食用にされない。」



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オレンジ色の体が鮮やかなのは「イズカサゴ」
「フサカサゴ科」の仲間で、顔や体にたくさんの小さな房がついています。
この房は個体差があるようで、手前の子は目の上と口元のが大きく目立ちますが奥の子はあまり目立ちません。

「イズカサゴ  フサカサゴ科  Izu scorpionfish
 日本各地の水深100m前後に生息する。
 頭や体にたくさんのふさがある。主に魚を食べる。」



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青みがかった白っぽい体に白い斑点が入ったこの子。
体型や尾びれの形から「カワハギ」の仲間のようです。
ネームプレートがなかったんですが、「モンガラカワハギ科」の仲間の「アミモンガラ」かと。
検索して出てくる画像を見るともっと青が濃いんですけどね。
白っぽく見えるのは光の加減によるものでしょうか。


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大型の「ヤリイカ科」の仲間の「アオリイカ」
胴の長さは40~45cmほどで、大きなものになると50cmを超えるものもあるんだそう。
それほどの大きさになるにもかかわらず寿命は1年で、産卵すると死んでしまうとのこと。
表面に短い白線が入っていますが、これはオス。
メスは水玉模様とあるので雌雄の判別は容易にできそうです。

「アオリイカ  ヤリイカ科  Bigfin reef squid
 ヒレが大きく、卵円形の体つきをしている。体内に柔らかい甲がある。
 オスの胴体はシマ模様、メスは水玉模様。」



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体色を変えるのは得意。
とはいえ、実際に変わったところを見られるのはなかなかありません。
今回は運良く見ることができました。
元の色とはほぼ真逆の黒っぽい色になっています。


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最後は「イカ」の体の構造についての説明。
目の上(?)にある部分は頭と思われがちですが、実は胴体です。
そして腕の根元に口が隠れています。
これを「ニンゲン」に置き換えた図が右上に描かれているですが・・・・・。
わかりやすいとはいえ、ちょっとグロい感じも(^^;



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次回は、表層生物コーナーの続きと富山のトピックスコーナーです。
by sampo_katze | 2018-06-15 22:00 | 水族館 | Comments(0)


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