表層生物と富山のトピックスコーナー
新幹線で水族館に行こう!@魚津水族館編・第7回


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「泳ぐパイナップル!」


前回に引き続き「表層生物コーナー」の水槽、そして「富山のトピックスコーナー」の水槽を取り上げます。
「富山湾」は国内でも有数の深度をもち、かつ豊かな環境であることから非常に多くの生きものが生息しています。
その中にはちょっと変わった姿や生態を持つものも。
今回は魚以外の生きものたちも登場します。


表紙の写真は、ほぼどこの水族館でも見られる「マツカサウオ」です。
黄色みを帯びた白っぽい体に、黒っぽいラインがウロコの縁?に沿って入っています。
その見た目が「松ぼっくり」のように見えることからその名がつきました。
また、このウロコはとても頑丈でヨロイ(鎧)のように身を守っているそう。
そのため英名では「Knight fish」(騎士魚)や「Armor fish」(鎧魚)と呼ばれることも。
そして説明にもあるとおり、下あごに「発光器」を持っています。
そのことがわかったのは約100年前のここ「魚津水族館」でのこと。
入口に「マツカサウオ」を模したマスコットがいたのはそのためだったんですね。
説明がなくてわかりませんでしたけど(^^;

「マツカサウオ  マツカサウオ科  Pinecorn fish
 沿岸の岩場に生息する。丈夫なウロコが体を覆う。
 松ぼっくりに似ていることが名前の由来。下あごに発光器をもつ。」

※説明板より引用、以下同じ









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「マツカサウオ」は発光する魚として知られますが、それが初めて発見されたのがここ「魚津水族館」なんです。
これは発光に関する報告文書の写し。
1914年(大正3年)8月13日の夜、大荒れの天気のため館内が停電してしまったことがきっかけで発見されました。
それからずいぶんと時間が経過していますが、発光する理由などはよくわかっていないんだそうです。


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小さいながらも銀色に光るきれいな体の持ち主は「ヒイラギ」です。
体長は10cmほどで、体形は平たく葉っぱのようです。
背中側には不規則な縦じまが入っていますね。
また背びれ、腹びれ、尻びれにある棘条(きょくじょう)はかなり鋭くとがっていて、まさにトゲ。
名前の由来は植物の「ヒイラギ」で、この葉っぱがトゲを持っていて共通することからのようです。
「食道」「発光バクテリア」を共生させることで、暗いところで発光をします。
さらに音を出すこともできるようで、なかなかの芸達者な魚なんですね。

「君の名は?
 ヒイラギという名は、植物のヒイラギの葉のようにトゲがあることからついたそうです。
 ちなみに富山県の氷見市では「ギンダイ」と呼ばれています。
 展示しているヒイラギは飼育員が釣ってきたものです。釣りのときはトゲに注意しましょう。
 背ビレと尻ビレにトゲがあるよ!」



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こちらも小柄な「ハオコゼ」
先の「ヒイラギ」と同じく体長は約10cmほどにしかなりません。
体色はさまざまですが、この子は白をベースにして赤と褐色のまだら模様が入っていてなかなかきれいです。
頭の上あたりから背びれが並んでいて、トサカのように逆立っていて目立ちますね。
この棘条は鋭く、しかも強い毒を持っています。
小さいながらも「オコゼ」の仲間ですから危険な魚の1つなんですね。

「ハオコゼ  ハオコゼ科  Tiny stinger
 本州中部以南に分布。浅海のアマモ場や岩礁域に生息する。
 背ビレのトゲに毒があり、刺されると痛い。」



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こちらは「ベラ科」の仲間の「キュウセン」です。
細長い体形で、黄色を帯びた体の中央に黒の太い縦じまが1本入っています。
この色合いからするとメスのようですね。
それとは別に赤い斑点が規則正しく並んで入っていて、これを9本の縦じまに見立てたことが名前の由来。
9本の線~九線~キュウセンとなったようです。


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メスの一部が性転換してオスになるのも特徴の1つ。
オスとメスではまったく異なった色合いを持っていて、オスは鮮やかな黄緑色になります。
そのためオスを「アオベラ」、メスを「アカベラ」と呼ぶこともあるほど。
体色がやや青みがかっているので、もしかすると性転換の途中なのかもしれません。
ちなみに生まれながらのオスもいて、そちらの見た目はメスと全く同じだそう。
なんとも複雑です(^^;


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ここからは「富山のトピックスコーナー」かな?
まずは「ノドグロ」の愛称で知られている「アカムツ」です。
高級魚の1つとして知られていますが、人工ふ化や養殖の研究が進んでいます。
2013年(平成25年)に世界で初めて人工ふ化に成功。
ここに展示されているのは2015年(同27年)に「天皇・皇后両陛下」が視察されたものと同じ稚魚だそう。
このまま安定的に養殖がされるようになると、ぐっと身近な食材になるので楽しみです。

「天皇・皇后両陛下にご覧いただいた稚魚と同群のアカムツ
 この水槽で展示しているアカムツ稚魚は、平成27年10月26日に両陛下が
 「富山県農林水産公社 滑川栽培漁業センター」をご視察された際に、ご覧いただいた稚魚と同群の2歳魚です。
 富山県水産研究所で平成26年9月に種苗生産されました。」



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「富山湾の深海和すいーつ」の水槽。
国内有数の深度を誇る「富山湾」に生息する生きものを「和スイーツ」に見立てた展示です。
このときは品薄だったようで、おしながきは2つしかありませんでしたが(^^;


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1つ目は「涼しげな水まんじゅう」こと「サラサベッコウタマガイ」です。
「巻貝」の仲間ですが、殻は体の中に隠れていて見えません。
深海に生息するので殻は必要なくなり退化してしまったのでしょうか。
また体は「寒天質」でできていているので、確かに見た目は「水まんじゅう」のようです。

「サラサベッコウタマガイ  ハナヅトガイ科  Sarasabekkoutamagai
 富山湾~北海道の深海で生息が確認されている。
 寒天質の体の中に、長卵形で半透明な殻がある。」



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もう1つはその名も「コンペイトウ」
小さくて丸っこい姿がとても愛らしい「ダンゴウオ科」の仲間です。
腹びれが変化して吸盤状になっているので、このようにガラスに張りつくことができます。
全身が突起で覆われていることが名前の由来ですが、ここではあまり目立ちません。
感度を6400まで上げているので、ノイズに埋もれてしまっているのかも・・・・・(^^;

「コンペイトウ  ダンゴウオ科  Round lumpfish
 全身が突起で覆われていて、お菓子の金平糖に似ていることが名前の由来。
 富山湾では底曳網で稀に漁獲される。」



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海の小さな生きものたちが集う、円柱の形をした水槽をのぞいてみます。
でも、ガラス面に小さな白い球がたくさんついていてちょっと見づらくなっていました。
実はこれ、「マユツクリガイ」という「巻貝」が産んだ卵なんです。
しかもこれ1つの中に5~10個の卵が入っているんだそう。
なので正確には説明にあるように「卵のう」といいます。

「マユツクリガイの「卵のう」
 半透明のドーム型のものがマユツクリガイの「卵のう」です。
 その中に卵が5~10個位入っています。」



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こちらが産卵中の「マユツクリガイ」。
見ている間に次々と「卵のう」を作っていきました。
ガラス越しに産卵シーンを見るというのは初めてでしたね。


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「卵のう」の上に覆いかぶさっているのは「ニッポンウミシダ」
細長い腕にたくさんの小さな枝のようなものがついていて、「植物」「シダ」によく似ています。
ですが「ウミシダ」は「動物」で、ゆっくりではあるものの自由に動き回ることができます。
また枝のようなものはその見た目からか「羽枝」と呼ばれ、腕とともに関節を持っているので自由に動かせるそう。
最初ガラスに張りついている「卵のう」はこの「ニッポンウミシダ」のものかと思ってました(^^;


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半透明の細長い触手を伸ばしているのは「スナイソギンチャク」
もちろん「イソギンチャク」の仲間です。
体は砂の中に隠れていて、外に見えているのは「触手」です。
全体が乳白色で先端付近はピンク色と、なんともかわいらしい色合いの持ち主。
でもその触手には毒があり、刺されると非常に痛みます!
「バラ」に例えて「美しいものにはトゲがある」なんて言いますが、こちらも同じ。
でもこの「イソギンチャク」は見た目からはその危険性がわかりませんね(^^;


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最後は「ツノガニ」です。
「クモガニ科」の仲間で小さな三角形のシルエットを持っています。
体に「海藻」「海綿」などをくっつけてカモフラージュをするのも特徴。
この水槽では効果がなさそうですが、彼らの生息する30~100mほどの海底では偽装効果が高そうです。
毛糸やスポンジなんかもあればくっつけてしまうようですね!
「海藻」に似ていると思ってしまうのかな?



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次回は、ジャングルコーナーの魚たちです。
by sampo_katze | 2018-06-17 21:00 | 水族館 | Comments(0)


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