新幹線で水族館に行こう!@魚津水族館~番外編・その1
![]() 「魚津水族館」を出たのは15時前。 このまま「富山」に戻ってもよかったんですが、もう1か所行ってみたいところがあったので。 その場所は「魚津埋没林博物館」です。 約3000年前に「片貝川」の氾濫による土砂流出で埋まった「杉原生林」の跡を見ることができます。 とある番組で紹介されていて、なんとも神秘的な雰囲気に旅心をくすぐられましたので。 合わせて「蜃気楼」についての展示も行なわれているようでした。 「水族館」からは「魚津市民バス」を利用して15分ほど、「魚津駅」からは8分ほどのところにあります。 最寄りのバス停は「海の駅蜃気楼」または「魚津港(埋没林博物館口)」の2か所。 なお「海の駅」側にある入口は冬期閉鎖となるので注意が必要です。 表紙の写真は、「魚津水族館」前にあった「滑川市コミュニティバス」のバス停です。 「埋没林博物館」への移動に利用したのとは異なります。 愛称は「のる my car」で、「乗ろうよ」を意味する「富山弁」の「乗るまいか」が語源。 これに加えて「マイカーのように利用してほしい」という願いがこめられているんだそう。 下には2匹の「イカ」のイラストが添えられていましたが、こちらは「マイカ」かな? 特別天然記念物 魚津埋没林博物館 ![]() 海の方を見ると、雲間からもれる光が対岸を照らしているのが見えました。 雨も降っているようで光がにじんでいます。 「蜃気楼」とまではいきませんが、なかなか幻想的な風景を見ることができました。 これが晴れていたら、夕日を見るにも最高の場所なんでしょうけど。 ![]() 右の丸い屋根は「ドーム館」で、「埋没林」の出土した現場が展示されています。 左の円錐は「テーマ館」で、各種展示や「ハイビジョンホール」での映像上映などを行なっています。 入館して間もなく映像上映が始まるとのことだったので、急いで撮って館内へと入りました(^^; 「魚津埋没林とは 魚津埋没林は、今から約2000~1300年前頃に現在の魚津港がある一帯に広がっていたスギ原生林跡です。 1930年の魚津港建設工事で海岸の砂浜を1m程度掘り下げた土中から、200株以上の樹根が発見されました。 樹根の多くは現在の海水面よりも低い位置から出土することから、約2000年前の気候が冷涼な時期に 海面が低下して広がった海岸部に形成された森林跡と考えられています。 また、埋没林やその周辺の地層から発見された植物や昆虫などから、生育していた当時の森林の様子が明らかにされています。 このように過去からの環境の変化を現在に伝える貴重な証拠として、魚津埋没林は国の特別天然記念物に指定されています。」 ※説明板より引用、以下同じ ![]() 最初に発見されたのは1930年代の「魚津港」建設に伴う工事で、学術調査後に「埋没林」は撤去処分されました。 ですが、そのうちの一部はこのようにきれいにされて置物とされたそう。 説明には「シカ」みたいとありますが、この角度だと奇妙な姿のモンスターですね(^^; 「ねっこプロフィール 高さ:1m20cmぐらい 幅:1mぐらい 置物になったねっこ 1930年に発見されたねっこのうち、いくつかはきれいに磨かれていて、家などに飾られていたよ。 このねっこも置物になっていたんだ。 ところで、このねっこの形、シカみたいと言われることがあるけど、何の形に見える?」 ※原文はひらがな表記 ![]() ここは1950年代に行われた発掘で見つかった「埋没林」を「片貝川」の伏流水で満たして保存、展示している場所。 水の中に沈んでいる根っこは当館最大のもので、その奇妙な形からは禍々しさが感じられます。 そして、とても静かで落ち着いた雰囲気からはどこか神々しさも感じられます。 ちょっとした癒しの空間でした。 「水中展示館は1952~53年に行われた発掘現場に水を満たして保存展示をしています。 魚津埋没林が約2000年を経てもほぼ元の木材の質を保っている要因の一つに 冷たくきれいな地下水の存在があると考えられたことから選ばれた保存方法です。 この水槽は、1954年に開催された富山産業大博覧会の魚津会場の一部として建設・公開されました。」 「水中保存の秘密 (1)この水槽には、地下120mからポンプアップされた片貝川(かたがいがわ)の伏流水を流し込み、 常に水が入れ替わるようになっています。また、水槽は底張りされていないため、自然の湧水もあります。 時々上がる気泡は、湧水に伴うものと思われます。 (2)魚津埋没林は海岸に埋まっていますが、地中への海水の浸透はほとんどなく、 逆に海底から真水が湧くほど一帯は地下水が豊富です。 これによって、木材を腐食する成分を含む海水から埋没林が守られたとも考えられています。」 「ねっこプロフィール 幹の根元の直径:2mぐらい ねっこの端から端まで:10mぐらい 1900年前ごろ生きていたねっこ 一番大きな親分ねっこ 博物館の親分ねっこ。500年ぐらい生きたスギの木だったと考えられているよ。 上から見ても迫力あるけど、地下の窓から見るともっと迫力あるよ。」 ![]() 水上から見ると水面の反射が映りこみますが、こちらからですと結構クリアに見えます。 2000年以上も経過している根っことは思えないほどしっかりとしていました。 ![]() 館内最大の根っこでこれが見られるので、迫力も倍増といったところでしょうか。 「埋没林の蜃気楼?逆さの根っこのナゾ この窓からは、大きな埋没林の根が逆さになった不思議な光景が観察できます。これは、光の"全反射"という現象です。 水中から水面の上へ光が出ようとするとき、光は一定の割合で屈折します。光が水面に射す角度(入射角)が 一定以上(水と空気との間の場合は48.6度)になると屈折角の方が大きくなるため光は外へ出られなくなり、 すべて水中へ反射します。蜃気楼で逆さの像が現れるときもこの全反射が起きています。」 ![]() ここには1930年代に発掘された根っこ3種が展示されています。 うち2つは全体の直径が約5mもある大型のもの。 「かつて大量に出土した埋没林 乾燥展示館は、1930年代の魚津港工事で出土した埋没林を展示しています。 魚津港工事では、掘り下げられた砂浜から200株を超える埋没林が発見されました。 学術調査後、港の建設のため埋没林は撤去され、第二次大戦中や戦後には薪(たきぎ)として燃やされたともいわれます。 ここに展示されているのは残された数少ない当時の出土資料です。」 ![]() 発掘された「埋没林」は大部分が土に埋まっている根っこなので、幹が出るのはめずらしいんだそう。 土に埋まらず空気中にあれば、腐ったり風化してしまってなくなってしまうからのようです。 それにしても、約10mもある幹が倒れてしまった原因が気になるところです。 「ねっこプロフィール 幹の直径:1mぐらい 長さ:10mぐらい 珍しい幹の埋没林 魚津埋没林のほとんどが根っこ。土の中に埋まらなかった木の幹は残らなかった。 この幹は土に埋まる前に倒れてしまったもの。そのため幹の半分はなくなってしまってるけど、 立ててみると、大きな杉の木だったことがわかるよ。」 ![]() 1930年代に発掘されたときは手で切断していたそうで、これはその跡。 ノコギリは使わなかったんでしょうか・・・・・。 「ねっこプロフィール 幹の元の直径:2m50cmぐらい 全体の直径:5m50cmぐらい 1500年前ぐらいのねっこ 昔の人は大変だった! ここ見て!ねっこの断面を見てみよう! 250年ぐらい生きた大きな杉の木のねっこ。1930年に魚津の港を造るときに見つかった。 ねっこの断面にはたくさんの削った跡。昔は手で少しずつねっこを切っていたことがわかるよ。」 ![]() その中に表面がささくれ立った根っこがありました。 よく見ると小さな穴がたくさんあいています。 これは「二枚貝」の仲間の「フナクイムシ」によるものだそう。 「貝」なのに木を食べるなんてなんだか不思議ですね。 また「フナクイムシ」が木に穴をあける生態を研究し、そこから「トンネル」の工法である「シールド工法」が考案されたんだそう。 「ねっこプロフィール 幹の元の直径:1m30cmぐらい ねっこの端から端まで:4mぐらい 今から1550~1350年前頃に生きていたスギの木 フナクイムシにかじられちゃった ここ見て!ねっこの上の方にある穴 ねっこの上の方にあるたくさんの穴。これは海に住む貝の仲間のフナクイムシがかじった跡。 このねっこ、見つかったときは土の中だったけど、フナクイムシのかじった跡から、 しばらくの間海に顔を出していたと考えられているよ。」 ![]() 1989年(平成元年)の発掘現場をそのまま利用したものとのこと。 最近では2016年に新たな根っこが発見され、それまでは2000年前のものとされていたものが3000年前までさかのぼることが判明したんだそう。 ただすべての範囲を発掘したわけではないので、もしかするとさらに古い年代のものが埋まっているかもしれませんね。 「ここは発掘現場! ドーム館は、1989年に行われた発掘現場を利用し、出土した埋没林をそのままの位置で保存展示しています。 半地下となった床面は現在の海面より低く、埋没林が生育していた地盤が過去2000年以内に 海面下に没したことを物語っています。」 すべて D700+24-120mmF4G/VR 次回は、滑川のほたるいかミュージアムを訪ねます。
by sampo_katze
| 2018-07-07 21:00
| 博物館・美術館
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