トロピカルエイビアリーのサイチョウとオオハシ
マイル修行で松江訪問編・第5回


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「神を乗せて飛ぶ鳥」


前回は「ケープペンギン」たちのかわいい散歩を見て癒されました。
ですが、「トロピカルエイビアリー」エリアの鳥たちはまだまだたくさんいます。
今回はクチバシが大きくて長~い「サイチョウ」「オオハシ」の仲間たちを紹介していきます。


表紙の写真は、「トロピカルエイビアリー」の入口すぐのところにある大きな像です。
ギョロッとした大きな目、長い牙をもった大きな口がちょっと怖い印象。
背中には色鮮やかな翼が大きく広げられ、こちらを威嚇しているようにも見えます。
これは「ガルーダ」で、「ヒンドゥー教神話」に出てくる「神の鳥」とのこと。
「タイ」「インドネシア」「国章」(こくしょう、「国旗」とは異なります)のモチーフとなっています。
わたしは「ガルーダ・インドネシア航空」の名が頭に浮かびましたね。
今年は「飛行機」づいているのでなおさらかも?

「ガルーダ  Garuda
 ヒンドゥー教神話で、主神格のひとつビシュヌ神(Vishunu)の乗り物とされる神鳥。
 大乗仏教では迦楼羅(かるら)と音写されて八部衆のひとつとなり、
 インド文化の影響を受けた東南アジア諸地域の神話や美術にもしばしば登場する。
 東南アジアでは、生命や天界、秩序などを象徴する存在として崇拝され、
 インドネシアの国際空港の名称にもなっている。」

※説明板より引用、以下同じ










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はじめは「サイチョウ」の仲間の「ナキサイチョウ」です。
「サイチョウ」は大きなくちばしと、その上にのったカブトのようなふくらみが特徴。
その様子が「サイ」の角のように見えることから「サイチョウ」と名前がつきました。
このふくらみは「サイ」の角と同じく、「ケラチン」でできているところも意外な共通点でしょうか。

また、「ナキサイチョウ」の名は鳴き声の特徴があることからついたと思われ。
英名でも「Trumpeter」(トランぺッター)とつけられていますからね。
動画を検索すると鳴き声を聞くことができます。
でも、その声は「トランペット」というよりは「赤ちゃん」が泣いているような感じでした(^^;
羽毛は黒でお腹と翼の一部に白が入り、目のまわりの皮膚は淡い赤をしています。

「ナキサイチョウ  英名 Trumpeter Hornbill  学名 Bycanistes bucinator
 目の周辺の皮ふが赤色をしているのが特徴。
 鳴き声がトランペットの様に聞こえるため「トランペットホーンビル」と呼ばれている。
 様々なフルーツを主食とし、昆虫や小鳥も食べる。
 生息地:南アフリカ東部の川沿いにある森や、小高い森林地帯」


「クチバシとカブトについて
 サイチョウの姿で一番印象的なのは、大きなクチバシとその上についているカブトです。
 この大きなクチバシは特殊な中空構造になっていて、軽さと強度を兼ね備えています。
 クチバシが大きい理由は、木の中にいる昆虫を捕まえるのに有利だという説と、
 食性に関係するばかりでなく、ディスプレーなどの行動面にも関係しているのではないか、という説もあります。
 クチバシの上についているカブトはクチバシとは全く由来が異なり、毛と同じ成分=ケラチンという
 たんぱく質からできており、内部は細かい気室に分れています。」



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「ナキサイチョウ」は、「松江フォーゲルパーク」のキャラ「パッくん」のモデルになった種です。
黒い体と目のまわりの赤い部分はそっくり。
でも、くちばしが黄色になっているので「オニオオハシ」っぽくなっています(^^;

「パッくん自己紹介
 フォーゲルパークのマスコットキャラクターをつとめる『パッくん』
 誕生日:平成13年7月23日
 モデルの鳥:ナキサイチョウ(カラーはオオハシっぽいかな)
 名前の由来:大きな口を開けて食べ物をパックンと飲み込むからかな?
       (オープンに先駆け一般公募により選ばれました。)
 好きな食べ物:メロン・リンゴ・バナナ・ブドウ」



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続いては「ギンガオサイチョウ」です。
全体的な色合いは先の「ナキサイチョウ」と同じですが、頭から頬にかけての羽毛は白。
この2羽はつがいで右がオスの「ロイ」、左の一回り小さいのがメスの「メイ」です。
体の大きさもさることながら、クチバシ上のカブトの大きさも段違いですね!

「ギンガオサイチョウ  英名 Silvery-cheeked Hornbill  学名 Bycanistes brevis
 全身が黒く、腰から尻にかけて白い羽根を持つ。頬の白い羽毛が名前の由来です。
 主に森林に生息し、つがいから数羽程度の群れで行動する。
 様々なフルーツや、時には昆虫・小動物も食べる。
 生息地:エチオピア西部、ケニア東部から南アフリカ東部の森林」


「ロイ&メイ 当園一の仲良し夫婦
 オスのロイとメスのメイは仲良し夫婦です。いつ見てもずっととなり同士で寄りそっているほどの仲良さです。
 ロイはメイのためによくエサ箱から果物を取ってきてはプレゼントしています。
 メイの方もそんなロイのために、よく羽づくろいしてあげています。
 この仲良し夫婦のために巣箱を用意しました。姿の見えないときには仲良く巣箱に入っています。
 2011年には待望のヒナが誕生しました。日本では繁殖例がほとんどないギンガオサイチョウのヒナの誕生は、
 この夫婦が互いに支えあった結果だと思います。これからもずっとアツアツでいてもらいたいですね。」



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オスの「ロイ」をアップに。
「ナキサイチョウ」とは異なり、目のまわりの皮膚は裸出していません。
カブトの部分は非常に大きく立派です。
クチバシよりも長くて、先端が飛び出していますからね。
見れば見るほど奇妙なその姿からか、「サイチョウ」の仲間は「神様の失敗作」なんて呼ばれることもあるそう。


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こちらはメスの「メイ」。
「ロイ」の比べるとカブトの大きさや形がずいぶんおとなしくなっています。
また、目のまわりやクチバシの根元が白っぽくなっていますね。


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翼を広げた「メイ」の後ろ姿。
背中は真っ白な羽毛になっています。
森の中で飛ぶと、この部分がかなり目立ちそうですね。


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「ギンガオサイチョウ」の巣作りについて。
彼らは木の穴を利用して巣を作りますが、ここに入るのはメスだけ。
メスは穴の入口を土やフン、食べ物などを使って塗り固めていき、くちばしの先が出る程度の小さな穴だけ残します。
また、メスはこの間に羽毛がすべて生え代わる「換羽」(かんう)を行います。
古い羽毛はそのまま巣材として使われるんですね。
そしてオスはというと、メスとヒナのためにエサを取って穴の隙間から中に届ける役割を果たします。
つがいとは別の個体がエサ運びに参加する種もあるようです。

「特有の繁殖行動
 サイチョウは一夫一妻制で、一生同じ相手とつがいです。産卵の時期になると、巣は天然の樹洞に作られます。
 産卵が終わるとメスが巣に残り、入口を泥や糞でほとんど塗り固めてしまいます。
 メスは巣ごもりの間に換羽(かんう、羽の抜け変わり)し、その羽毛は巣材となります。
 オスはメスとヒナのために木の実や昆虫、小動物などの餌を一日中運び、巣の隙間から餌を落とします。
 この閉じこもりはヒナがある程度大きくなるまで続きます。
 ある種のサイチョウは、つがいとは関係ない別のサイチョウが餌を運び、子育てを手助けすることが知られており、
 こういった個体はヘルパーと呼ばれています。」


「換羽って?鳥の換羽のうんちく
 一般的に換羽は8月頃が多く、4週間ほど、繁殖期が終わって繁殖に必要な性ホルモンが低下すると、
 甲状腺ホルモンの分泌が盛んになり、卵(精)巣機能の低下との相互作用で換羽が始まります。
  季節や成長に応じて羽が生え変わるんだよ。
   ツバメ、ワシタカ類 → 1枚ずつ換羽
   多くの鳥 → 数枚ずつ
   カモ、フラミンゴ、ツル、ペンギン類 → まとめてどっさり
 ○完全換羽に要する期間は1ヶ月~100日以上かかる種もいます。
 ○渡り鳥では30~40日ほど。
 ○カモは1ヶ月(3~4週間飛べなくなります。)
 ○スズメは3枚くらいずつ換羽、2ヶ月ほどかかります。
 ○サイチョウのメスは樹幹の巣穴に閉じこもっている間に全身の換羽を行い、巣穴から出るときは新しい羽毛がはえそろいます。」



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「サイチョウ」の仲間たちのお食事。
やはり「フルーツ」がほとんどですが、なんと「肉」もありました。
これは「昆虫」などの代わりになるんでしょうかね。


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「サイチョウ」の仲間たちの紹介を続けます。
こちらは「セグロコサイチョウ」です。
先の2種とは逆に、全体が白をベースにした体色になっています。
お腹側からしか見られませんでしたが、背中から尾羽にかけて黒い部分が入っています。
クチバシ全体が黒いのはメスの特徴だそうで、オスは付け根が赤で先端がクリーム色とのこと。
メスということもありますが、クチバシ上のふくらみはかなり小さめですね。

「セグロコサイチョウ  英名 Von der Decken's Hornbill  学名 Tockus deckeni
 顔から腹部にかけては白い色で、後頭部から尾羽にかけて黒い色をしています。
 当園にはメスしかいませんが、オスのクチバシは根元が赤く先端はクリーム色をしており、メスは黒い色をしています。
 生息地:東アフリカ北部のサバンナと森林地帯」



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全体が地味な灰色をしている、その名も「ハイイロコサイチョウ」
その体色からヒナのようにも見えますが、れっきとした成鳥です。
頭の後ろに白い羽毛があり、白髪の人のようにも見えます。
ここにいるのはオスで、メスとはクチバシの差し色が異なります。
オスのクチバシの上の根元には白い部分が、下には白のストライプが入りますが細いのでここではわかりづらいです。
ここにはいませんが、メスは先端が赤くなるそう。
それってもしかして「口紅」??

「ハイイロコサイチョウ  英名 African Grey Hornbill  学名 Lophoceros nasutus
 フルーツと昆虫などを食べる。体は灰色がかった茶色をしています。
 クチバシは黒く、上は根元が白、下は白いストライプが入ります。ちなみにメスのクチバシは先端が赤いです。
 主に樹上で生活するサイチョウで、地上にはめったに降りてきません。
 生息地:エチオピア、サハラ以南全域とアラビア半島までの疎林やサバンナ」



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ここからは「オオハシ」の仲間たちです。
「サイチョウ」の仲間と比べると、カラフルな体色を持っていて目を引きますよ。

まずは「キムネチュウハシ」から。
「チュウハシ」の中では最も小柄な種で、胸からお腹にかけて黄色いのが特徴。
クチバシは上から黄色、赤、黒の3色で、上クチバシの縁にはのこぎりの刃のようなギザギザが見えます。
目のまわりは青く縁どられ、その上に赤い小さな斑点があります。
オスとメスでは頭から首にかけての色が異なり、ここにいるオスは黒でメスは茶色をしています。

「キムネチュウハシ  英名 Green Aracari  学名 Pteroglossus viridus
 オスは頭が黒く、メスは頭が栗色をしています。
 チュウハシの仲間の中ではもっとも小型で体長が約22cm、体重は約125g、クチバシの長さは約5.5cmほどです。
 生息地:コロンビア、ベネズエラ、ガイアナ、スリナム」



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続いては大型種の「クリハシオオハシ」です。
「オニオオハシ」に次いで2番目に大きい種で、大きさは・・・・・不明(^^;
クチバシの先端と頬から胸にかけて鮮やかな黄色をしています。
目のまわりはほんのりと緑が入っていますね。
胸のあたりには赤いライン、足の色は青となかなか凝った色使いです。

「クリハシオオハシ  英名 Chestnut-mandibled Toucan  学名 Ramphastos ambiguus swainsonii
 オオハシの仲間では2番目に大きい。野生でもよく見かけることができる。
 コスタリカでは、人間が住んでいる地区でもよく見かけることができ、
 ジャングルと人家の境目のようなところに巣をかけることもある。
 生息地:コスタリカ、コロンビア、ホンジュラス南部」



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3種目は「シロムネオオハシ」です。
クチバシは先端が赤で上の端は黄色、付け根は黄色から青へのグラデーション。
目のまわりは青で、頬から胸にかけては白、胸のあたりの境目に赤いラインが入ります。


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顔のアップ。
上の子と比べると、クチバシの付け根あたりにある黒のラインがこの子は細いですね。
また下クチバシの先端が欠けているのか、少し短くなっていました。


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ツーショット。
クチバシを重ね合わせるような動作をしていたので、もしかするとつがいなのかな?
と思ってみていると、頬のあたりをカキカキ。
長いクチバシなのでちょっと大変そう?


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最後は「アカオビチュウハシ」です。
黄色いお腹に真一文字に入る赤いラインが特徴。
クチバシの上はクリーム色で下は黒、先端にはギザギザが入っています。
このギザギザは「チュウハシ」共通のものなんでしょうかね?

「アカオビチュウハシ  英名 Black necked Aracari  学名 Pteroglossus aracari
 胸に赤いラインがあることからこの名が付きました。
 チュウハシの中では、もっとも大きな種類の1つです。
 生息地:コロンビア、ベネズエラ、ガイアナ、スリナム」



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口を開けると、中に細長いものが見えます。
これは「舌」
クチバシが長いので、それに合わせて「舌」もこんなにながくなっているようです。

さて、彼らの最大の特徴であるクチバシ。
なぜこんなにも大きくなってしまったのでしょうか?
最近の研究でようやくその理由がわかってきたようです。

「大きなクチバシ
 オオハシの名前の由来は「大きなクチバシ」です。どうしてこんなに大きなクチバシが発達したのでしょうか?
 実は最近の研究で、この長いクチバシにはびっしりと血管が通っており、そこから体内の熱を放出し、
 体温調節をしていることがわかりました。
 彼らは熱帯の暑い地域に住んでいるため、体の温度が熱くなりすぎないよう、大きなクチバシに進化しました。
 また、ギザギザになったクチバシの縁には、昆虫や小動物を捕まえて食べる時に威力を発揮します。
 こんなに大きいと、さぞ重そうですが、実はスポンジのような気室に満ちたつくりになっているため、
 見た目ほどは重くはありません。」




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次回は、トロピカルエイビアリーの猛禽類とエボシドリです。

by sampo_katze | 2018-10-11 21:15 | 花鳥園 | Comments(0)


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