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NIFREL-Ⅲ ~ すがたにふれる
大阪の生きているミュージアム NIFRELに行こう!編・第5回


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「モノクロームの空間に浮かぶ水槽」


「生きているミュージアムNIFREL」の展示ゾーン、3つ目は「すがたにふれる」です。
魚の姿というと、頭に浮かぶのはだいたい  >゜))))彡  ですよね?
もっと極端にデフォルメすると、「ラグビーボール+三角形」で表現できるかと。
でも自然界はそれほど単純ではありません(当たり前)。
このゾーンでは、ちょっと変わった姿をした生きものたちを見ることができます。


表紙の写真は、「すがたにふれる」ゾーンの全景です。
このゾーンは全体が黒で統一されていて、天井には小さな白の照明が星のように並んでいます。
水槽はやや不規則に並べられていて、順不同で見学していく音ができます。











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まずは、砂から顔を出す姿がユーモラスな「チンアナゴ」「ニシキアナゴ」のコンビです。
どちらも「アナゴ科チンアナゴ亜科」の仲間ですが、「チンアナゴ」は「チンアナゴ属」で「ニシキアナゴ」は「シンジュアナゴ属」
微妙に分類が異なっているんですが、あまり意識することはないですね(^^;

また2種の見分けは色がちがうのでとても簡単。
「チンアナゴ」は白地に黒い小さな斑点が全体に入り、やや大きめの黒点がエラの近くとその後ろに左右1つずつ、
そして肛門の近くに1つの合わせて5つが入ります。
「ニシキアナゴ」は、その名の通りオレンジと白の2色がしま模様になっています。
その2色の割合は個体によって異なるようですけどね。

「粘液で 砂をかためて 穴作る」(チンアナゴ)

「上半身 流れに向かい エサを待つ」(ニシキアナゴ)


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そして、この水槽の展示方法はとてもユニーク。
底の砂地が半透明の何かでできていて、埋まっている体の下半分の様子も見ることができるんです!
彼らは意外にも体長がとても長く、直径が1cmほどに対して40cmほどにもなるんだそう。
たま~に水中をスイスイと泳いでいることがあり、そのときは全身を見られるんですけど。
でもめったにないことなので、このように透かして見られるのはうれしいですね(^^)


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続いては「生きている化石」の1つの「オウムガイ」です。
分類上は名前にあるような「貝」ではなく、「タコ」「イカ」などと同じ「頭足類」(頭足網)の仲間に入ります。
たくさんの触手を持つところは共通していますね。
とはいえ「オウムガイ」が「頭足網オウムガイ亜綱」に対して、「タコ」や「イカ」は「頭足網鞘形亜綱と上位分類で異なります。

貝のように見える部分は仕切りで分けられていて、最前部に本体?が入っています。
それより奥の部分にはガスと液体が入っていて、その割合を変化させることで浮力を得ているんだそう。
そのため、浮沈のスピードはほかの生きものたちと比べるとどうしても遅くなるようです。

「プカプカと 空気の力で 浮き沈み」


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正面?から見るとこんな感じ。
触手の下に見える口は「漏斗」(ろうと)と呼ばれる部分で、ここから水を噴き出して推進力を得ています。


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「キモカワ系生物」の代名詞の1つの「ダイオウグソクムシ」です。
地上の生きものである「ダンゴムシ」や、海辺などにすむ「フナムシ」と同じ「等脚目」(とうきゃくもく)の仲間です。
その中では世界最大で、体長は20~40cmほどになります。

そんな巨体の持ち主であるにもかかわらず非常に小食で、エサがない状況への耐性も強いです。
「鳥羽水族館」にいた個体は50gの「アジ」を食べたのを最後に、約5年1か月間も何も食べずにいたことで知られていますね。
何しろ彼らが住む深海の海底は、表層近くとはちがってエサが少ないですから。

「こう見えて 意外と小食 海の掃除屋」


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正面から見たところ。
左右に広がって見える細い部分は「触角」で、2本ずつあります。
この角度ではちょっと見づらいですが、目はかなり大きい「複眼」
約3500個の「個眼」で構成されていて、これは「節足動物」ではもっとも多いとのこと。
ちなみに「トンボ」だと約2万個もあるんだそうです(^^;
角度美人というか、ここからの表情はなかなかカッコイイですね~。


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こんどは後ろから見てみます。
最後尾にある脚は平たくひれのような形になっていて、「遊泳肢」(ゆうえいし)と呼ばれます。
この部分を使ってスイスイと泳ぐことができるんですよ。
わたしも1度だけその姿を見たことがありますが、とても上手に泳いでいてビックリしました(^^)


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「カワハギ」の仲間の「ヒゲハギ」です。
体長は15cmくらいで、「カワハギ」のおよそ半分くらいの小型種。
体中に「皮弁」(ひべん)がついていて、その様子が「ヒゲ」のように見えることからその名がつきました。
また黒の細い縦じまが不規則に入っていますが、これは「皮弁」とともに「海藻」に見立てているんでしょうか?

「海藻か 体の皮弁が ゆらゆらと」


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こちらも数は少ないですが「皮弁」の持ち主の「ハナミノカサゴ」です。
頭や口の周りに小さな「皮弁」が見られます。
そして何より目立つのはその大きく広げられた胸びれでしょう。
ゆったりと泳ぐその姿はとても優雅で、つい見入ってしまいます。
でも美しいものには毒があるの言葉通り、ひれにあるトゲには強力な毒があり刺されると非常に痛みます。
性質もやや荒いようで、海中で追いかけまわすと逆に攻撃してくることもあるんだそう。
意外にも?食べるととても美味だそうですが、まずお目にかからないですね(^^;

「背ビレ毒 激痛膨張 めまいをも」


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意外と見られない正面顔。
口の周りの「皮弁」やしま模様などのせいか、意外といかつい顔つきをしているんだな~と。
にらまれるとちょっとコワイですね(^^;


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黄色地に黒の斑点をちりばめたかわいらしい姿をしているのは「テングハコフグ」です。
この子はそれほどではありませんが、吻の上が突出する様子が「テング」の鼻のように見えることが名前の由来かと。
そして体色の組み合わせはまさに「警戒色」
毒を持っているんだぞ!ということをアピールしています。
「フグ」の仲間は主に内蔵に毒を持っていますが、「ハコフグ」の仲間は皮膚から粘液毒を出します。
それによって外敵から身を守っているんですね。
ただし、その毒は自分にも効いてしまうのがちょっとツライところかな?

「気を付けろ 体の皮膚に 毒の粘液」


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長く伸びたひれが優雅な雰囲気を醸しているのは「プテラポゴン・カウデルニィ」です。
とても読みづらい名前なのは、「ラテン語」由来の学名そのままだから。
和名では「アマノガワテンジクダイ」とつけられていますが、あまり浸透していないようですね。
ひれや体に散りばめられた小さな白い斑点はまさに「天の川」
動きもゆっくりで、その場でふわふわとしていることも多く撮影しやすいです。


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こちらも「銀河系」?の名前がつけられている「シモフリタナバタウオ」です。
黒っぽい体に小さな白い斑点が全体にちりばめられ、背びれの付け根後方にやや大きな黒点が入ります。
この黒点は目を連想させ、体の模様と合わせて「ウツボ」の仲間に擬態しているとされています。
見方を変えると、夜空に浮かぶ星々と「ブラックホール」みたいですね。


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最後は「ボロカサゴ」です。
なんとも残念な?名前をつけられていますね(^^;
こちらも体やひれにたくさんの「皮弁」を持ち、その姿が「ボロ」をまとっているように見えることからその名がつきました。
また「いきもの五七五」にあるように「脱皮」をするところは最大の特徴。
ボロボロとはがれる様子からその名がついたかもしれません。
とはいえここにいた子は体色がピンク系で、その名にそぐわないきれいな姿を見せてくれました。

「珍しく ボロボロ脱皮 する魚」


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ひれの模様に合わせて「玉ボケ」を添えてみました。
あまりきれいな形にならなかったのはちょっと残念でしたが(^^;



すべて D700+24-120mmF4G/VR


次回は、みずべにふれるのゾーンです。
by sampo_katze | 2018-12-16 21:00 | 水族館 | Comments(0)


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