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美ら海・サンゴ礁への旅~水辺の生き物たち
沖縄遠征2018秋編・第4回



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「ハゼの仲間だけど」


「熱帯魚の海」の水槽を横に見ながら、スロープを下りて2階へと進みます。
2階に入っても、最初のゾーンである「サンゴ礁への旅」が続きます。

「サンゴ礁」は、当然海にあります。
そこへと至る水は、川からも流れこんでいきますね。
でも「沖縄」の川って・・・・・あまり大きな川があるようなイメージがありません。

調べてみると、もっとも長いのが「西表島」(いりおもてじま)の「浦内川」(うらうちがわ)。
その長さはたったの18.8kmしかありません。
それでいて源流は標高312mの場所にあり、かつ満潮時は河口から約8kmまで海水がさかのぼるんだそう。
ということは、源流から約10kmで一気に流れ下るんですね。
これは極端な例でしょうが、基本的に長さは短く勾配がきつい川がほとんどのようです。
また、河口付近には「マングローブ」が広がるのも特徴の1つになっています。
今回は、淡水域や「マングローブ」で見られる生きものたちを見ていきます。

「水辺の生き物たち
 大小さまざまな島々からなる沖縄には300あまりの川があります。
 そのほとんどが長さ5~10kmほどの小さな川ですが、勾配がけわしく、滝が多く見られるのが特徴です。
 また、沖縄の川の河口域は広く、そこには亜熱帯特有のマングローブ林が密生します。
 このように本土では見られない特徴を持つ沖縄の川には、沖縄特有の淡水生物が生息しています。
 河口域には海の魚たちやシオマネキの仲間など、下流域にはメダカやギンブナなど、
 上流域にはボウズハゼやオオウナギ、テナガエビ類・カニ類などです。
 しかし、今では外国から持ち込まれた魚、ティラピアやオオクチバスなどが
 昔から沖縄にいた水辺の生物の生存を脅かしています。」

※説明板より引用、以下同じ


表紙の写真は魚類最小級の卵から生まれる「タナゴモドキ」です。
淡水魚の「コイ科」の仲間に「タナゴ」がいますが、実は無関係。
こちらは「スズキ目ハゼ亜目カワアナゴ科」に属します。
細長い体形ですが成長とともに体高が高くなり、「タナゴ」のようなシルエットになるそう。
ということは、この子たちはまだ幼魚~若魚なのかな?
卵のサイズは説明にあるように、たったの直径0.3mm!
それでもここ、「美ら海」では繁殖に成功したとのこと。
この子たちもきっと「美ら海」生まれなんでしょうね。

「タナゴモドキ  学名 Hypseleotris cyprinoides  英名 Tropical carp-gudgeon
 環境省レッドリスト 絶滅危惧ⅠB類
 タナゴモドキは、環境省レッドリストに絶滅危惧ⅠB類
 (近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)として指定されています。
 当館では、繁殖を試みる種の一つとして、他の水族館と協力して繁殖に取り組んでいます。」


「魚類最小級
 タナゴモドキの卵のサイズは魚類の中では最少級の大きさ(0.3mm)で、
 生まれた仔魚も小さく、食べられる餌も限られます。
 当館では、いくつもの餌を試みた末、繁殖に成功しました。」











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同じく「ハゼ科」の仲間の「ヒラヨシノボリ」?です。
こちらは見た目通り、「ハゼ」のような外見をしていますね。
先の説明にあるように「沖縄」の川は滝や急流が多く、生息環境としてはかなり厳しいところ。
その強い流れに対応するため、扁平な頭部や大きな胸びれなどを持っています。


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続いては「ルリボウズハゼ」です。
淡い緑色に、赤みを帯びた尾びれを持ちます。
繁殖期になると、オスは鮮やかな瑠璃色に変わることからその名がついています。
岩などに着いた藻類を食べる「ベジタリアン」
かつ、頭が丸いことから「ボウズハゼ」と呼ばれるようになったそう。
吻先も丸みを帯びていて、確かに頭部全体が丸っこいですね。

「ベジタリアン
 ボウズハゼの仲間の多くは、石などに着いた藻類を食べます。
 ボウズハゼという名前は、草食性であること、頭がお坊さんのように丸いことから付けられました。
 ボウズハゼの仲間は河川の上流域に生息しています。
 腹ビレが吸盤状になっており、これを使って、急流や滝を昇ることができます。」



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鮮やかな青いラインが目を引く「コンテリボウズハゼ」です。
体色を見ると、こちらの方が「ルリボウズハゼ」のような気がしますが(^^;
体の下に吸盤状になった腹びれがあり、それを使ってこのように岩にはりついています。
これは、冷たい海に住む「ダンゴウオ」の仲間でも見られますね。


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ここからは「カニ」の仲間を。
干潟で見られる「オキナワハクセンシオマネキ」です。
眼が大きく上に飛び出し、甲羅の上に不規則な白いラインが入っています。
そしてオスの特徴である、片側の鋏脚が極端なほど大きくなっています。
これは個体によって、右だったり左だったりとまちまちなんだそう。

「潮を招く
 シオマネキは沖縄の干潟に多く生息しています。大きなハサミが特徴的で、
 これを振る姿から「潮招き」と呼ばれます。
 この行動は雄が自分の縄張りを主張しているともメスへの求愛行動とも言われています。」


「大きなハサミ
 シオマネキのオスは、片方のハサミが大きくなっています。
 ハサミは子供のころは左右同じ大きさで、成長とともに、どちらかが脱落して残ったハサミが大きくなります。
 左右どちらかが脱落するかは決まっておらず、個体によって違います。」



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もう1種は「ベニシオマネキ」
その名の通り、赤がよく目立ちます。
下の砂地が黒っぽく地味なので、なおさらですね。
右の個体は甲羅全体が赤くなっていますが、甲羅の上の方だけ赤くてその下に白いラインが入るのも。
オスの大きな鋏脚をのぞき、赤い部分は個体差が大きいようです。


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そして、「甲殻類」の王者ともいうべき「ヤシガニ」です。
「カニ」という名前がついていますが、よくあるパターンで実は「ヤドカリ」の仲間です。
陸上で生息する「甲殻類」の中では最大。
さらに「昆虫類」「ムカデ類」などを含む「節足動物門」まで広げても、最大級になります。
その名前から「ヤシの実」を食べると思われます(わたしもそう・^^;)が、雑食性で何でも食べるそうです。

「陸に棲む巨大ヤドカリ
 陸生最大の甲殻類で、ヤドカリの仲間です。
 美ら島研究センターの報告では、寿命は約50年で、食用となる大きさに成長するまで
 10~25年はかかるとされています。
 近年、生息数が減少しており、生息環境と共に保護の必要性が訴えられています。」


「甲殻類最強のはさむ力
 ヤシガニの巨大なハサミは堅いヤシの実でも引きちぎって
 中身を食べることができるほどのパワーがあります。
 体重2kg程度に成長し、ハサミの力は体重の約90倍にもなります。」



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頭部付近のアップ。
ほんとは「甲殻類」最強といわれるハサミを見たかったところですが。
ちなみに先の説明にあるように、はさむ力は体重の約90倍になるとのこと。
世界最大級の体重約4kgの個体ですと、その力は約340kgf。
これは「ライオン」の噛む力(約300kgf)をも上回っています。
すごいパワーの持ち主なんですね!


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半透明な貝殻の中に隠れているのは「コモンヤドカリ」です。
種名に「コモン」とつくときは、一般的なとか標準的なという意味でつくことがほとんど。
ですがこの種は赤い体に、白い小さな斑点が全体に散りばめられています。
このことから、「コモン」=「小紋」のことなのかな?と。
半透明になっているので、少々中の様子がわかりづらい感じがします。
とはいえ、さすがに完全透明な人工貝殻を使うと入ってくれないのでしょうね。
角度をいろいろ変えて見たいところですが、これも相手が動いてくれないことには・・・・・(^^;

「宿の中のひ・み・つ
 透明な貝殻(人工)を背負ったヤドカリで、普段外から見えない貝殻の中の秘密をみてみよう!」



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ということで、解説図!
体の後ろがねじれているのは知っていたものの、その方向や理由については初めて知りました。
「ヤドカリ」が外に出ているところは、まず見られませんからね。


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最後はふたたび「ハゼ」の仲間から、「ホシマダラハゼ」です。
「ハゼ」の仲間では最大級で、全長40cmにもなるんだそう。
体形を見ると「ハゼ」というよりも、「コイ」の仲間のように見えますね。

「日本最大
 ホシマダラハゼは河川の下流域に棲むカワアナゴ科に属するハゼの仲間です。
 インド・西太平洋の亜熱帯、熱帯地域と広く分布しますが、
 日本の河川に生息するハゼの仲間では最大の種類です。」


「特技は待ち伏せ
 本種は、成長すると全長40cmにもなります。湿性植物の繁茂する水路、
 湿地帯の落ち葉や根の下に身をひそめて小魚などを狙って食べる、
 待ち伏せ型のハンターです。」



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水草の間に入ってじっとしています。
自然下では、こんな感じで獲物を待ち伏せしているんでしょうか。
それにしても、ほんとに丸々とした体格です。
「ハゼ」というとやや細長い、どちらかというとスリムなイメージがあるんですが。
さすがは最大級の「ハゼ」の仲間ですね。



すべて D700+24-120mmF4G/VR


次回は、サンゴ礁の小型生物たちです。

by sampo_katze | 2019-10-21 21:00 | 沖縄 | Comments(0)


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