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美ら海・サンゴ礁への旅~サンゴ礁の小型生物
沖縄遠征2018秋編・第5回



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「シルエットではありません」


「サンゴ礁への旅」ゾーンの最後は、「サンゴ礁の小型生物」です。
この前段は、淡水域の川から河口付近の「マングローブ」にかけての生きものたちでした。
今回はいよいよ海へと入り、浅い海に広がる「サンゴ礁」へと進みます。
「サンゴ礁」にはさまざまな生きものたちが集まってくるところ。
その中から、ちょっと個性的な生きものたちを見ていきます。


表紙の写真は、「ツバメウオ」の仲間である「アカククリ」の幼魚です。
黒っぽい体色で、胸びれをのぞく各ひれがオレンジ色に縁どられます。
これは説明にあるように、毒を持つ「ヒラムシ」という小動物に擬態しているとのこと。
「ヒラムシ」の中には、「フグ」と同じ「テトロドトキシン」を持つものがいるんだそうですね。
それを利用して捕食者から身を守っていると考えられています。

若魚になるとオレンジの縁取りはなくなり、代わりに体の中央付近に白いラインが現れます。
この子もうっすらとその傾向が見られますね。
さらに成魚になると体形は丸みを帯び、「スペード」を横向きにしたようなシルエットに変わります。
でも上下に長~く伸びるひれの部分を隠してみると、体形自体は丸みを帯びた三角形をしているのがわかります。
ということは、背びれと腹びれ、尻びれが成長とともに短くなっていく感じなのかな?

「赤い縁取り  アカククリ
 学名 Platax pinnatus  英名 Dusky batfish
 幼魚は黒い体色で、体の周縁が橙色で縁どられており、
 これは毒のあるヒラムシの仲間に擬態していると考えられています。
 成長につれて体色や体型は大きく変化していきます。」












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「ウナギ」のような長い体をしているのは「カタグロウミヘビ(仮称)」です。
名前に「ウミヘビ」とありますが、「は虫類」ではなく「魚類」のほう。
「ウナギ目ウミヘビ科」という分類があるんですね。

ここにいるのはその中の1種で、2016年8月に「西表島」で捕獲されたもの。
ただし、これまで「ウミヘビ」の仲間は国内では確認されたことがなかったんだそう。
そのためにまだ正式な和名がついておらず、仮の名前として「カタグロウミヘビ」と呼ばれています。
それにしても、2年以上経過したこの時点(2018年11月)でも正式な和名がついていなかったんですね。
このままでもいいような気もしますが(^^;

「日本で初めて  カタグロウミヘビ(仮称)
 学名 Ophichthus cephalozona  英名 Dark-shouldered snake ell
 魚類のウミヘビの仲間(ウナギ目ウミヘビ科)で、主に太平洋の温暖な地域に生息しています。
 日本では確認されたことがありませんでしたが、2016年8月に西表島で捕獲され当財団が調査したところ、
 日本初記録の種であることがわかりました。現在、新しく和名をつけているところです。
 頭の周りの黒い模様が、和名の由来です。」



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やや不鮮明ですが、顔の部分をアップにしてみます。
頭のすぐ後ろに、白い縁取りのある大きな黒い斑点が入るのが特徴。
このことから、英名では「Dark-shouldered snake eel」と呼ばれています。
仮称の和名もこれにちなんだ呼び方なんですね。

体表にうろこはなく、鼻の部分に管状のようなものが飛び出しているのがわかります。
鼻の部分にある突起は、「ウツボ」の仲間などでも見られるもの。
「魚類」の「ウミヘビ」である見分けポイントの1つになりそうです。
ほかにも次のようなちがいがあるんですね。
ただ、毒があるかどうかは・・・・・見ただけではわからないような?(^^;

「同じ「ウミヘビ」という名前でも種類が違う!見分け方のポイント!
 魚類のウミヘビ
 ・体表に鱗(うろこ)はない  ・鰓(えら)呼吸  ・毒はない
 爬虫類のウミヘビ
 ・体表は鱗に覆われる  ・肺呼吸  ・牙に神経毒を持つ種が多い」



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「タツノオトシゴ」の仲間の「クロウミウマ」です。
全長が最大で30cmにも達することがある大型種。
名前に黒とありますが、体色はそれに限らず様々なパターンがあるようです。
また国内で見られる「タツノオトシゴ」の仲間は海水域のみ生息します。
ですが、こちらの「クロウミウマ」は汽水域にも入ることがあるよう。

「タツノオトシゴ」の仲間の子育ては独特で、オスのお腹にある「育児嚢」(いくじのう)の中にメスが産卵。
ふ化した後の幼魚はしばらく「育児嚢」にとどまり、少し大きくなったところで外へと出てきます。
ここにいるのは「美ら海」で繁殖したもので、このとき2歳になったばかりでした。

「2才 ~水族館で生まれたよ~  クロウミウマ
 学名 Hippocampus kuda  英名 Spotted seahorse
 メスはオスのお腹の袋の中でフ化し、幼魚をオスが海に放出します。
 現在展示中の個体は2016年11月7日に水族館で生まれました。」



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「タツノオトシゴ」は、尻尾を海藻などに巻きつけて体を固定する習性があります。
ただそれを無意識にやってしまうようで、たまにほかの個体の体に巻きついていることも。
ここでは1匹に、なんと3匹も巻きついていました!


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こちらは吻の根元あたりに巻きつかれています。
呼吸に影響があるのか、苦し気に動き回って振りほどこうとしていました。
それとも、目をふさがれていたからかな?
しばらく見ていたら解放されましたが(^^;
自然下でも、やっぱりこういうことってあるのでしょうかね?


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「イカ」の仲間の「コブシメ」です。
一口に「イカ」といっても、大きく5つのグループに分けられます。
この「コブシメ」は、その中の「コウイカ目」の仲間。
甲の長さが50cmにも達し、「オーストラリアコウイカ」とともに最大種とされています。
ですが、生まれたばかりのときは1cmほどだそう。
とすると寿命は結構長いのかと思いきや、なんと1~2年ほど!
おどろくべき成長を遂げるんですね~。

「まだまだ子ども  コブシメ
 学名 Sepia latimanus  英名 Broadclub cuttlefish
 世界中の温かい海に住むイカです。コウイカ類の中で最も大きくなり、
 成長すると甲の長さが50cmほどになります。
 秋から冬にかけてが産卵期で、枝サンゴの隙間に卵を産みつけます。
 約1ケ月でふ化し、生まれたばかりの稚イカの大きさは1cmほどです。」



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小型の「エビ」の仲間の「スザクサラサエビ」です。
赤い体にクッキリとした細い白のラインが縦横に入っていて、とてもきれいです。
背中に盛り上がっている部分があり、これが「ラクダ」のコブを彷彿とさせることから
「キャメルシュリンプ」(Camel Shrimp)と呼ばれることも。

「「小さな」お掃除屋さん  スザクサラサエビ
 学名 Rhynchocinetes durbanensis  英名 Hingebeak shrimp
 サラサエビの仲間は成長しても数cmほどのサイズにしかなりません。
 その小さな体で岩陰や岩の隙間などに群れで生息しており、
 掃除をしてもらいにやってくる魚の体につく寄生虫などを食べることで有名です。」



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「クマノミ」の仲間の「トウアカクマノミ」です。
全長は13cmほどになり、比較的大型の種。
目の後ろには体を1周する白いラインが入り、背中にもやや大き目な白い斑点が入ります。
「沖縄」付近では6種類ほどの「クマノミ」の仲間が見られますが、その中でも珍しい種とのこと。
ここにいる子たちは「美ら海」生まれ。
生後1年経って、どれくらいの大きさになったんでしょうね。

「水族館生まれ  トウアカクマノミ
 学名 Amphiprion polymnus  英名 Saddleback clownfish
 展示個体は昨年11月に水槽内で生まれました。
 ゴマ粒ほどの大きさで生まれ、成魚になると体長は約10cmになります。
 大きくなるにつれて少しずつエサの大きさを変えながら飼育し、
 現在の大きさまで成長しました。」



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岩が並んでいるようにしか見えませんが、ここには3匹の「サツマカサゴ」がいます。
ややずんぐりした体形で、体長は20cmほど。
全体に小さな房のようなものがついていて、岩のゴツゴツとした感じを擬態しているようです。
ここでは水槽越しに見ているので、その存在はわかりやすいですね。
でも自然下では周囲の岩などに見事に溶け込んでしまい、存在に気づかないということもありそう。
実際、それを最大限利用して獲物を捕らえています。
ちなみに背びれのトゲには毒があり、刺されると猛烈に痛むそうです。

「海底×ハンター  サツマカサゴ
 学名 Scorpaenopsis neglecta  英名 Yellowfin scorpionfish
 普段は海底の岩などに紛れてほとんど動かずにじっと隠れています。
 体色には個体差がありますが、海底の背景に溶け込む体色をしており、
 気づかずに近づいてくる生物を待ち伏せして捕食しています。」



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奥にいる1匹は鮮やかな赤。
これだとものすごく目立ってしまいそうです。
ただ、これは水槽内を照らす強い明かりがあるから。
岩陰など光が弱いところだと、赤い方がかえって目立ちにくくなるんだそう。
深海魚に赤い体色のものが多いのも、そのためだと考えられています。


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最後は「コチ」の仲間の「エンマゴチ」です。
全長50cmほどになり、「コチ」の仲間の中では比較的大型種。
平べったい体で、吻がややとがります。
目の上に小さなひだ状の突起があり、目の間から背中にかけてもノコギリの刃のような突起が並びます。
特に目の上のひだは、この種に特有のものだそう。
頭を持ち上げたスタイルでちょっと目立ちそうですが、自然下だったら気づかなそうですね。

「海底×ハンター  エンマゴチ
 学名 Cymbacephalus beauforti  英名 Crocodile fish
 底生生活に適した平らな体をしていて、海底の砂上や石の間でほぼ動かずに
 じっと隠れていることが多いです。
 それに気づかずに近づいてくる生物を狙って、大きな口を開き一瞬で捕食します。」




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次回は、黒潮への旅のエリアです。

by sampo_katze | 2019-10-23 21:00 | 沖縄 | Comments(0)


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