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美ら海・黒潮への旅~サメ博士の部屋
沖縄遠征2018秋編・第7回



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「ちょっとコワイ入口だけど・・・・・」


「黒潮への旅」ゾーンの最大の見どころは、「ジンベエザメ」「ナンヨウマンタ」がいる大水槽。
国内最大級の水槽の大きさだけでなく、その中を悠然と泳ぐ巨大な魚たちの姿に圧倒されます。
このゾーンに入ると大水槽の方に目が向いて、引き寄せられるようにそちらへと進んでしまいます。

そこでスロープを下りずに奥へと進むと、「サメ博士の部屋」があります。
その名の通り、「サメ」に特化した展示がされているんですよ。
「サメ」というと、某映画の影響もあって「人食いザメ」のイメージがついていますね。
ですがそのような種類は数えられるほどしかなく、ほとんどはおとなしい性質をしています。
また、繁殖方法もほかの魚とはちがった一面があります。
魚の中ではちょっと変わった生態を持つ「サメ」たちの世界。
コワモテに臆することなく、その世界に飛び込んでみましょう。


表紙の写真は、「サメ博士の部屋」の入口上にある看板です。
「サメ」の側面をかたどった木のオブジェと、あごの骨格が飾られています。
あごのサイズはそれほど大きくありませんが、鋭い歯がたくさん並んでいて迫力がありますね。










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説明板には3種の見分けポイントがありました。
いずれも背びれの大きさや形状が異なっているのがわかります。
水槽の中を泳ぐ種だけですが、これなら見分けも比較的簡単ですね。


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この子は背びれがそれほど大きくなく、先端がとがり気味です。
先の説明に照らすと「ドタブカ」のようです。
比較的大型の種が含まれる「メジロザメ科メジロザメ属」の仲間。
その中でも最大種で、体長約4mにも達します。


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背びれが上に長く伸びているのは「ヤジブカ」
正式和名は「メジロザメ」で、もちろん「メジロザメ属」の仲間。
体長は2.5mほどになります。

「メジロザメ属」の仲間は見た目がよく似ていて見分けが難しいとのこと。
ですがこの「ヤジブカ」はほかの種と比べて背びれが長いので、比較的わかりやすいようです。
また「ドタブカ」に比べると吻の先端がやや長くとがり気味。
背中も目の上あたりから大きく盛り上がり、体高も高めです。


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2匹が並んで泳ぐ様子が見られました。
左の子は吻先が丸みを帯びているので「ドタブカ」、右の子は吻先がとがり気味なので「ヤジブカ」かな?
「ドタブカ」のお腹には「コバンザメ」が張りついています。
撮ったときには気づいていなかったので、思わぬスリーショットが撮れていたという(^^;

「コバンザメ」のしっぽのあたりにある「ドタブカ」の腹びれ。
その間に2本の管のようなものが伸びていますが、これは「グラスパー」(交接器)で成長したオスの証です。
魚の中にはオスとメスで体色が異なる種がいますが、「サメ」はここが見分けポイントになるんですね。


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「黒潮の海」大水槽でも見られた「シノノメサカタザメ」がここにもいました。
名前もパッと見も「サメ」ですが、実は「エイ」の仲間です。
ただじっくり見ると、胸びれが三角形で大きく広がっています。
また頭もやや扁平な感じで、胸びれから前だけ見ると「エイ」のように見えます。
でも体の後ろ半分はやや細身で、ここだけ見るとやっぱり「サメ」っぽい。
改めてよく見てみると、なんとも不思議な体形をしていますね。


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「サメ」の仲間のいろいろな繁殖方法。
一般の魚は卵を産む「卵生」ですが、「サメ」の仲間には子ザメを産む「胎生」の種がいます。
お腹の中で孵化した後にある程度成長してから産まれるのは同じ。
「哺乳類」と同様に「胎盤」を持つものもいるんですね。
また「卵生」でも産まれた「卵」は、見た目が独特の形をしているものが多いです。
その見た目から「人魚の財布」なんて呼ばれるものもありました。


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ここからは「サメ」、「エイ」の仲間の胎仔を見ていきます。
まずは「美ら海」の大水槽の主役でもある「ジンベエザメ」の幼魚。
こちらは「卵黄依存型」で、お腹に「卵黄」がついていてそれを栄養として成長します。
横に大きく広がった口や背中に入った白点など、大きさ以外は成魚と変わらない感じですね。

「1995年7月15日、台湾の東海岸沖で捕獲されたジンベエザメのお腹の中から、
 卵と赤ちゃんが約300匹出てきました。こちらはその中の1匹です。
 ジンベエザメは、お腹の中で卵から孵化し、赤ちゃんで生まれます。大きさは約50cmです。
 このことは「卵黄依存型胎生」といいます。」



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「マダラトビエイ」の胎仔で、こちらも「卵黄依存型」。
「ナンヨウマンタ」には及ばないものの、全長約5m、体盤幅約3mにもなる大型種です。
吻先がとがっていて、これを使って砂の中に隠れているエサを掘り出して食べます。


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「卵黄・共食い型」「ホホジロザメ」の胎仔。
お腹が大きく膨らんでいるので「卵黄型」のように見えます。
これは「未受精卵」などを摂取し、お腹にためている状態なんだそう。
さらにここ数年の研究では「卵黄」だけでなく、「ミルク」を与えていることが分かったとのこと。
「サメ」の繁殖は奥が深いですね。

「ホホジロザメの胎仔
 ホホジロザメの胎仔は、子宮のなかで親が与えるミルクや未受精卵を摂取して成長します。
 そのため、胎仔の腹部は大きく膨らんでいます。
 成長とともに、その腹部の膨らみは小さくなり、産まれるときには親と同じ体型になります。
 親が一度に産む子供の数は3~10匹程度で、大きさは140cmほどです。」



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背中側から見てみます。
えらになる部分が横にせり出していて、まるで「エイ」のよう。
すでに胸びれができていて、かなりの大きさになっています。
これはちょっと意外な感じ。


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こちらは「胎盤型」「アカシュモクザメ」の胎仔。
下に伸びているのは「へその緒」だそう。
これが母ザメの胎盤につながり、栄養をもらっているとのこと。
「ほ乳類」とほとんど同じですね。


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頭部をアップに。
「シュモクザメ」の仲間特有の、横に広がった頭の形になっています。


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最後は「脳」の大きさの比較。
右は「カマイルカ」のもので、左は先にも出てきた「ドタブカ」のものです。
こんなものが見られるのも、「サメ博士の部屋」だからこそ?


さらに「サメ」について詳しく書かれた記事がありました。
こちらもなかなか興味深い内容になっているので、興味がある方はぜひご覧になってください。
研究室に行ってみた。沖縄美ら島財団総合研究センター 軟骨魚類学 佐藤圭一



すべて D700+24-120mmF4G/VR


次回は、市内に戻って首里城へと向かいます。
by sampo_katze | 2019-10-27 21:00 | 沖縄 | Comments(0)


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