沖縄遠征2018秋編・最終回
![]() 「首里城」訪問の最後は、「正殿」内部の見学です。 数年前に訪れたときは、「正殿」左側にある「北殿」の内部は入れました。 ですが「正殿」に入った記憶はありません。 修復工事か何かをしていたのかもしれないのですが・・・・・(^^; ともかく中に入ってみることにします。 表紙の写真は、「正殿」とその前に広がる「御庭」(うなー)です。 「正殿」は前回も紹介した通り外観の再塗装を行っていて、正面に工事用の幕が張られています。 手前の「御庭」は中央に赤い道があり、その両側は赤と白に規則正しく塗り分けられています。 この赤と白のラインは、儀式の際に諸官たちが並ぶ位置を示す役割もしているんだそう。 単なる装飾ではなかったんですね。 「正殿 正殿は、国の重要な政治や諸儀式が執り行われたところで、首里城の最も中心的な建物です。 木造で本格的に復元された城内最大規模のこの建物は、日本や中国などの影響を受けた 琉球建築の特質を良く備えています。」 ※説明板より引用、以下同じ ![]() 鮮やかな色合いや豪華な装飾が施されています。 破風の上や屋根の両側など、様々な場所に龍も置かれていますね。 ![]() 「番所」とそれに連なる「南殿」(なんでん)は、ほかの建物とは異なり塗装がされていません。 元々が日本的な建物だからというのが理由のようで、過去にも塗装がされたという記録がないとのこと。 通路を進むと「正殿」を横から眺められるところがありました。 「正殿」の塗り替え作業のために、幕や足場が掛けられているのがわかります。 ![]() 「南殿」の2階部分の地盤と同じ高さにあり、渡り廊下でつながっています。 国王の執務場所で、装飾はほとんどなくシンプルな内装になっています。 「御書院 国王が日常の執務を行った場所であり、また薩摩の役人や冊封使を接待することもあった。」 ![]() 「正殿」は3階建てになっていて、まずは2階へと上がります。 ここは2階の中央にある「御差床」(うさすか)です。 「御差床」とは国王の玉座のことで、格式の高い儀式のときに使われたとのこと。 玉座の前方には龍をかたどった柱が立っています。 「正殿2階 正殿2階は日常的には王妃や身分の高い女官たちが使用した空間であり、「大庫理」(うふぐい)と呼ばれていた。 中央にある御差床(うさすか)は格式の高い儀式に使用し、「唐玻豊」(からはふ)の間は国王が朝賀の儀式などに 臨むところである。南東の隅の部屋は「おせんみこちゃ」と呼ばれ、国王や親族、女官たちが神霊への拝礼を 行った部屋である。 2階は1階に比べ天井が高く、各部屋の装飾も豪華である。王室である御差床の上部には中国皇帝より贈られた 御書(ぎょしょ)の扁額がいくつも掲げられていた。 正殿の南側は国王、王妃の居間・寝室にあたる「黄金御殿」(くがにうどぅん)が隣接し、 2階部分は廊下で正殿と繋がっていた。正殿の裏側一帯は「御内原」(おうちばら)と呼ばれ、国王の家族や 女官の生活の場として多くの建物が建てられていた。「御内原」や正殿2階を含むこの一帯は女官が管轄しており、 男子禁制の領域であった。」 「2階御差床(うさすか) 2階の御差床は国王の玉座としてさまざまな儀礼や祝宴などが行われたところである。儀式の際には床の間に香炉、 龍の蝋燭台(ろうそくだい)、金花、雪松などが置かれ、壁には孔子像の絵が掛けられていた。 壇の形式は寺院の須弥壇(しゅみだん)に似ており、側面の羽目板には葡萄(ぶどう)と栗鼠(りす)の文様が 彫刻されている。高欄(こうらん)は正面に1対の金龍柱が立ち、その他の部材には黒漆に沈金(ちんきん)が施されている。 部屋の上部には、かつて中国皇帝から贈られた御書の扁額がいくつも掲げられていた。 「中山世土」(ちゅうざんせいど)の扁額はその一つであり、古記録をもとに再現している。」 ![]() 布地には絹を使い、さまざまな宝石がちりばめられています。 なお、ここで展示されているのは1.2倍の大きさで復元された複製品です。 「国王の玉冠(複製品) 皮弁冠(ひべんかん)または玉御冠(たまんちゃーぶい)ともいいます。国王が儀式のときにかぶるものです。 原資料は絹製(縮緬)で、玉(金、銀、水晶、珊瑚(さんご)、碧玉(へきぎょく)、ガラス)などで飾られています。 この展示されている複製品は、原資料の約1.2倍の大きさで復元され、布地は化学繊維です。 寄贈 首里城復元期成会」 ![]() 銀でできていて、表面が金メッキされているとのこと。 ほとんど金でできていると思ったんですが、ちがったんですね。 複製だから、ということではないと思うのですが。 ちなみによく知られている「漢委奴国王印」(かんのわのなのこくおういん)は、約95%が金だそうです。 「琉球国王印 中国の清朝期(1644~1912)に皇帝が琉球国王に与えた印。材質は、銀製で金メッキ。 上部の取っ手部分はラクダをかたどっている。漢字と満州文字で琉球国王之印と書いている。 元朝期(1271~1368)に中国がチベットに与えた印をモデルにして制作している。 チベットは、中国に臣下の礼をとっている国の中で琉球と同じランクの国であった。」 ![]() 説明によれば「ラクダ」をかたどっているとのこと。 背中のコブの様子から「フタコブラクダ」のようですね。 ![]() あまりにも急な階段で、とても日常的に使われたとは思えないほど。 ですが、そもそも3階は通気のために設けられたものとのこと。 ほとんど使われることはなかったと思われます。 また、現在は立入禁止になっています。 3階がどんな感じになっているのか、実際に見てみたいところですが。 「正殿3階 この急な階段を登ると、3階にいたる。 3階は主に通風のために設けられた屋根裏部屋となっている。 内部は彩色がなく、柱は八角形で1・2階より細い。」 ![]() 10分の1サイズで主要な構造部分を再現したものです。 「首里城正殿構造模型 首里城正殿構造模型は、昭和初期の正殿修理資料や、往時の資料を参考に製作されたもので、 首里城正殿御工事を実施するにあたり主要構造を検討した10分の1模型である。 縮尺:10分の1 長さ:2.875m 奥行き:1.696m 棟木高さ:1.423m 【構造の特徴】 ・1階・2階は丸柱、3階は八角面の柱である。 ・1階・2階の柱は、直径一尺三寸(394mm) ・3階の柱は1、2階が101本(1、2階を1本の通柱としているのが96本)、3階が60本で合計161本の柱がある。」 ![]() その下に見えるのは「首里城正殿の遺構」です。 現在の「正殿」は1992年に復元されたもので、旧来の遺構を埋めてその上に建てられているそう。 そのため、床下にはかつての遺構の様子を見ることができるようになっています。 「首里城正殿の遺構 首里城正殿は創建以来、戦火・失火により4度の焼失と再建をくり返しています。 下に見える石積みは、焼失・再建を繰り返した首里城正殿の遺構です。 現在の首里城正殿は本来の遺構を保護するため、約70cmほどかさ上げして建築されています。」 ![]() こちらは椅子ではなく、一段高くなった床になっています。 装飾も鮮やかですが、2階のものと比べるとやや落ち着いていますね。 「1階御差床 中央の一段高い床が正殿で行われる政治や儀式の際に、国王が出御する玉座「御差床」である。 この裏側には2階に通じる階段があり、国王はこの階段を降りて御差床についた。 左右には国王の子や孫が着座した「平御差床」(ひらうさすか)がある。 御差床の両脇の朱柱には金龍と五色の雲が描かれ、天井は丸く上部に折り上げて格式を持たせている。 記録によると、平御差床の床の間には麒麟(きりん)、鳳凰(ほうおう)の絵が掛けられていた。」 ![]() 帰りは正門にあたる「歓会門」(かんかいもん)ではなく、通用門の「久慶門」(きゅうけいもん)から。 ある程度階段を下りたところでふり返り、門を見上げます。 両側に伸びる石垣は途中で曲線を描き、鳥が大きな翼を広げているようです。 こちらを威圧するような迫力がありますね。 「久慶門 別名「ほこり御門」ともいいます。「ほこり」は歓会門(かんかいもん)の別名「あまへ(よろこび)」と対となっていて、 「よろこびほこる」の意味になります。 歓会門が正門であったのに対し、ここは通用門でおもに女性が利用したといわれています。 また国王が寺院にお参りするときや北の地方に行幸するときなどにも使われました。 地形の関係でこの周辺は城内に降った雨が地下水として湧き出てくる場所にあたります。 沖縄戦で焼失。1983(昭和58)年に復元されました。」 ![]() その途中、道端の芝生に1匹の猫がいました。 とてもきれいな毛並みと涼しげなまなざしに惹かれ、思わず1枚。 このあとは「ゆいレール」で、宿のある「おもろまち」へと戻ります。 そして2日目の夜もご当地の料理を堪能。 宿の朝食はバイキング形式でしたが、こちらもご当地ものが充実していて大満足でした。 これでひとまず前回訪問のリベンジは果たせました。 次は離島も訪ねてみたいところです。 すべて D700+24-120mmF4G/VR 次回から新シリーズ、三沢空港から八戸への小旅行編です。
by sampo_katze
| 2019-11-02 21:00
| 沖縄
|
Comments(3)
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首里城
0
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吹田順助
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