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博物館網走監獄・監獄歴史館で収監体験?
冬の網走訪問2019編・第7回


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「網走監獄の歴史を知る」


「博物館網走監獄」の続き。
今回は「監獄歴史館」を見ていきます。
ここはその名のとおり、「網走監獄」がつくられた経緯や歴史について紹介しています。
過去だけでなく、現在の「網走刑務所」の収容室も再現。
収監体験?もできますよ(笑)


表紙の写真は、「歴史館」の入口です。
建物についての説明はなかったかな?
ですので、これは新しく作られた建物かと。

「監獄歴史館
 この建物は、網走監獄に関する歴史的資料や網走に監獄が設置された理由を
 「赫い囚徒の森」体感シアターを中心に紹介しています。
 左右前方の3面に映し出される映像が五感に響き、皆様を120年前の道路建設現場の世界へと誘います。
 また、新法に基づく現在の網走刑務所居室を忠実に再現していますので、
 矯正施設の役割を担う刑務所を学ぶことができます。
 新しい体験と発見が交差する歴史館です。」

※説明板より引用、以下同じ










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現在の「網走刑務所」の収容室を再現した一画。
収監される気分を味わうことができます?

「現在の網走刑務所再現!
 寒い木造舎房から鉄筋コンクリートの温かい居室へと変貌をとげた網走刑務所
 被収容者の処遇環境は老朽化した木道舎房から清潔な鉄筋コンクリート造りの施設に変わり、
 居住性に問題の多かった舎房は現在、採光、風通しの良い衛生的な構造の居室へと格段に向上しました。
 流す涙も凍ると言われた網走刑務所も現在は快適な温度管理がなされています。
 被収容者は刑務所に収容されると、単独室または共同室に収容されます。
 定員は原則として、単独室は1名、共同室は6名です。」



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収容室の間取り。
1人用の「単独室」と、複数人が入る「共同室」の2種類があります。
ここではどちらも再現されています。


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こちらは「単独室」の内部。
広さは約4畳半で、居住スペースとしては約3畳となっています。
室内はかなり明るく、狭いながらも居住性はなかなかよさげに見えますね。

「単独室
 単独室には、原則として1名で収容されます。網走刑務所の新しい単独室の部屋の広さは7.52㎡(約四畳半)です。
 現在、日本の刑務所は、単独室の数を大幅に増やし、被収容者の居住空間の向上に努めていますので、
 網走刑務所においても単独室は938部屋となり(平成22(2010)年1月現在)、共同室に比べ格段に多くなっています。
 各室内には机、布団が置かれています。被収容者は身の回り品の他、室内装飾品として写真や花瓶を置くことが
 許されています。」



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こちらは最大6名が収容される「共同室」。
1人あたりの居住スペースは2畳ほどなので、やや狭いですね。
もっとも「単独室」の割合が増えているということから、最大収容人数も少なくなっているのかと。
奥の仕切りの中は「トイレ」になっています。

「共同室
 共同室には、原則として6名が収容されます。網走刑務所の新しい共同室の部屋の広さは27㎡(約16畳半)で、
 83の共同室があります(平成22年(2010)年1月現在)。居室の内部には、被収容者が使用する机、
 布団が置かれています。洗面道具、書籍などの私物(自弁品(じべんひん (※1)))は、収容者それぞれに
 与えられた収納棚に置くことが許されています。集団で生活するため配置場所などはしっかりと決められています。
  ※1 自弁品/自分の作業賞与金で購入した物品。刑務所で指定した商品の中から購入する。」



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扉のノブ部分。
外側にのみあり、内側はありません。
内側に入って扉が閉まると当然外に出るすべがないので、見学の際はご注意を(笑)


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「網走刑務所生活」の様子。
06:40の起床から21:00の就寝まで、分刻みのスケジュールが決められています。

「服装
  被収容者に支給される服は、寒い季節に着用する長袖の上衣とズボン、
  あたたかい季節に着用する半袖の上衣とズボン、半ズボン、パジャマです。
  網走刑務所では、これらに加え冬期の屋外作業用の防寒具が貸与されます。
  これらは、使用者が何代にもわたって代わりながら、長年使い続けるものなので、丈夫にできています。
  洗濯に出すときのルールや、布団を敷いたときは必ずパジャマを着なければならないなど、
  細かい決まりごとがあります。
 食事
  すべてに被収容者は、健康および体力を保つために十分な栄養価があり、衛生的でかつうまく調理され
  盛り付けられた食料を給与されなければならないと定められています。年齢や作業の種類により
  摂取カロリーも決められており、菜代(副食費)は1日417円です(平成22(2010)年1月現在)。
  3食のおかず代にしては少ないようですが、季節の伝統行事日には、一般家庭と同じようなメニューが用意されます。
  食事の時間は被収容者にとって待ち遠しい時間です。
 お正月の特別食
  元旦には、年に1度のごちそう・おせち料理が出ます。伊達巻や寿のついたようかんは、
  甘いものをほとんど口にできない被収容者のあいだでは、特に人気の高い品です。
 行事
  刑務所の中ではさまざまな行事が開催されます。花見、運動会、サンゴ草祭りの見学、慰問公演、
  クリスマスなどは、毎日自由のない生活をしている被収容者にとって何よりの楽しみです。
  単なる娯楽というだけではなく、更生教育の一環としても位置づけられています。」



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連行される囚人の様子。
囚人服はオレンジ色をしていて、非常に目立ちます。
逃亡を未然に防ぐ目的があったんでしょうね。

「囚人服を着てみよう!
 明治時代の囚人たちは、このような明るい赭色(しゃいろ)の囚人服を着させられました。
 そのため人々から「あかい人」などと呼ばれていたそうです。
 渋柿で染めたもので、逃亡しても目立ちます。」



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囚人服2種。
オレンジ色は外での作業に用いる作業衣で、後ろの水色が監獄内で着用する官房衣です。
内外で使い分けていたようです。

「囚人服
 明治以降の囚人服は全て官からの貸与となり、官房衣(かんぼうい)と作業衣に区分されるようになりました。
 官房衣は長袖垂領(たれえり)の長襦袢(ながじゅばん)型、作業衣は盤領(ばんえり)に袴(股引 またひき)という
 スタイルが、日本の囚人服として伝統的に用いられてきました。囚人服の赭色(※)は、ベンガラ質の赤い土に
 薄渋を加えたもので染めるために出る色で、これが囚人を"赤い人"と呼ぶ由縁です。
  ※赭色(そほいろ)/赤褐色。あかつち色。」



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屋外の「休泊所」にもあった「丸太まくら」
ここでは実際にここに寝て、丸太をたたいて一斉に起こす様子を体験できます。
思いっきりたたくとさすがに危なそうですけどね(^^;

「丸太まくらをたたいて、友達を起こしてみよう!
 中央道路開削のための移動式仮宿泊所では、このような丸太まくらが利用されました。
 丸太の端の切り口をたたいて、囚人たちをいっぺんに起こしたそうです。
 「たたき起こす」という言葉はここから生まれたといいます。」



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手首にはめられた「カニ錠」と、足首につけられた「鉄丸」
用途が書かれていないので推測ですが(^^;

「鉄丸
 明治14(1881)年改正監獄則で制定された戒具(かいぐ)です。
 逃走のおそれのある無期徒刑囚、重罪、軽罪を犯した囚人で、獄舎や器具を破損または暴行、
 脅迫などを行ったものに装着しました。」



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当時の囚人の食事。
ご飯とみそ汁、漬物という最小限の内容だったようです。
これだけで過酷な作業に従事していたのですから、信じられないですね。



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次回は、重要文化財に指定されている建物などです。

by sampo_katze | 2021-01-14 21:00 | 北海道 | Comments(0)


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